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朝8時半前。駐妻が小走りで向かう先は…Fine Dining Bakery

「8時半開店に合わせて買いに行く人もいくほど美味しいパンやさんがある」「日本で流行っている生食パンより、さらに美味しいパンが売っている」そんな評判をききつけ、向かったのは、リバーバレーにあるUEスクエア内の「Fine Dining Bakery」。日本人のご夫妻でオープンされたばかりという当店には、焼きあがったばかりの本格的なパンの数々が。“こんなパン屋さんを待っていた!” 日本で美味しいパンを楽しんでいた人たちが、シンガポールに登場したこのお店を“オアシス”と呼んでいるのも納得です。

前幸地さんご夫妻。パン職人のご主人、マーケティングの奥様の二人がシンガポールで出会ったことが「Fine Dining Bakery」オープンのきっかけに。4年前に出会い翌年に結婚、さらにその2年後にお店をオープン。

(前幸地晃さんプロフィール)
19歳の時、東京の洗足ベーカリでパン職人という仕事と出会ってから20年のパン職人歴。その後、東京のブラッスリーの老舗“AUX BACCHANALES”を経て、六本木の2つ星フレンチレストラン “L’Atelier de Joël Robuchon”に。シンガポールのロブションオープンに伴い、シンガポールの“Joël Robuchon”、“L’Atelier de Joël Robuchon”に異動し、2013年よりChef de Boulangerieとなりパン部門を統括。2017年オーチャードギャラリーにある1つ星フレンチレストランbéni Singaporeに移り、2018年には、シンガポールで行われるグルメサミットWorld Gourmet AwardsのBakery Chef部門のファイナリストとなる。
2019年4月オーナーシェフとして、“Fine Dining Bakery”をオープン。

― シンガポールで「Fine Dining Bakery」をオープンしたきっかけについて教えてください

妻との出会いがきっかけです。僕は20年パン職人をしてきて、日本で言うところのハード系(バゲットなど)やクロワッサンなどのヨーロッパスタイルのパンを作るのが得意な分野です。妻は星野リゾートというホテルグループで、特徴ある旅館を作るマーケティングをしていました。妻とシンガポールのパン屋を巡りをし、まだこれからヨーロッパスタイルのパンの需要が増えると感じ、独立に至りました。

北海道の契約農家が研究した小麦粉を使用

― どのパンも、ふっくらしていたりモチモチしていたりと、“食感が格別!“と評判です。原料・作成工程でこだわりのポイントとは?

「パンの主原料である小麦粉にはこだわっています。今までも様々な小麦粉を利用してきましたが、オープンする前に新たに北海道産のものをいくつか試してみました。その中で“月の魔法”という小麦粉と出会いました。一般に流通している小麦粉と異なり、製粉会社の契約農家さんが土の微生物から研究した栄養豊かな土地で大切に育てられた小麦粉です」

小麦粉“月の魔法”。パンに仕上げると香りがとてもよく、吸水率が非常に高いためモチモチな食感を味わえます。

ふわふわっ。生食パンの口どけ

―「生食パンが、感動的に美味しい!」と、日本人コミュニティの口コミで一気に広まった「Fluffy Shokupan」。ズバリ、美味しさの秘密は何ですか?

「日本の生食パンブームを参考にし、また長年、耳まで柔らかいパンを作ってみたいという思いもありましたので、オリジナルレシピを開発しました。アカシア蜂蜜、生クリームをふんだんに使用しているので、耳までしっとりした、口どけの良いパンになっております。お子様に大人気のようで、お子様がパンを食べてくれるようになったというお礼の声を多数いただいております。焼かずに手でちぎって食べてみてください」

口の中でとろける幸せな生食パン「Fluffy Shokupan」$9.5

朝から5時間かけて準備された食パンをオーブンに入れる前に、入念にチェック

焼き上がりました!まだ温かいうちにお店に足を運びたくなります。

ネーミングのコンセプトがユニーク

― 白ワイン用、赤ワイン用、と、ワインに合わせたバゲットがあるのですね!これはいいアイデアだなと思いました。

「ハード系のパンには正式にはいろいろな名前があるのですが、ハード系のパンに馴染みの薄いシンガポールの方にもっと親しみやすく、またパン選びを楽しんでいただく為に、赤ワイン用や白ワイン用、サワードーはお肉用やお魚用と、簡単な名前にして、甘みや酸味に変化をつけています」

「Baguette Blanc for white wine」$3.5
白ワインに合うバゲット。イーストの利用を通常の1/10にすることによって、小麦粉の糖分を残し、小麦粉本来の甘味が最大限に引きだされています。

「Baguette Rouge for red wine」$3.5
赤ワインに合うバゲット。ライ麦の自家製イースト使用。低温長時間発酵により、小麦粉に含まれるタンパク質をアミノ酸により多く変える事によって、パンの旨味が深まっています。

Mild Sour dough for Fish $9.5
レーズンの自家製イーストを使用。酸味、甘み、塩味、旨味のバランスが良く、繊細な味わいが。

Strong Sour dough for Meet $9.5
ライ麦の自家製イーストを用い、さらにライ麦粉60%以上を使用することにより、酸味が強く歯切れのよいパンに。

3日間の工程を経て焼き上げる12層のクロワッサン

おおぶりで、サクッとした食感のクロワッサン。
高品質なフランス産発酵バターがたっぷりと12層も織り込まれています!

常備したくなる、絶品クロワッサン。外側がパリッと、中がフワッと。食べる直前に230℃のオーブンで230度1〜2分温め直すのがオススメ。

ワインと一緒にイートインができる

お店の中と外にもゆったりと座れるイートイン・スペースがあります。キリッと冷えた白ワインと共に優雅なランチはいかが。
House wine(ボトル) SANTA CRISTINA(Italy) $36

Sour Dough Sandwiches-Scallop & Salmon $19.8
一番人気。北海道産ミニホタテのフライとスモークサーモンを“mild sour dough for fish”で楽しむオープンサンドウィッチプレート。サラダの自家製ドレッシングも密かな人気(スープ付)

Tea Timeにぴったり!甘いパンも絶品

(奥)Chocolate croissant $5
フランスの老舗VALRHONAの酸味と甘みが絶妙なチョコレートを贅沢に使用。
(手前)Croissant $3.8

(奥)Almond Croissant $5.5
自家製ほろ苦いカラメルソースとアーモンド生地のバランスがクセになる美味しさ。
(手前)Cream Cheese Strawberry Croissant $5.8
新商品。自家製ストロベリーコンポートとクリームチーズで甘酸っぱい味わい。

Fine Dining Bakery
207 River Valley
#01-59 UE square
Singapore 238275
営業時間 : 8:30 am – 5 pm
定休日 : 火曜日
最寄りのMRT駅: Fort Canning

神尾由紀
この記事を書いた人
横浜出身 美大デザイン科卒業後、航空会社CAを経て出版社へ 人気女性誌での企画・執筆・商品企画を10年間担当 日本ソムリエ協会ワインエキスパート 海外駐在3カ国目で、シンガポールが一番好き 特技:絶対音感 / 相手の長所を多く見つけることができること 好きなモノ:piano / soul music / 海外ドキュメンタリー / オライリー・ジャパンの書籍