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駐在夫、子を育てる-8- 記録

これはシンガポールに駐在する妻に帯同し、“駐在夫”として家事や育児に奮闘する日々を綴ったコラムです。シンガポールのフリーマガジン「シンガライフ」誌上で連載しているものに一部加筆して、ウェブでも公開しています。


モモタ(仮名)が生まれてから100日が過ぎた。「ようやく100日か」というのが率直な感想だけれど、人生80年という視点からは、100日なんてほんの一瞬に過ぎない。そのほんの一瞬だけれども「子育てをしている中で、大事なものを挙げるとすればなんですか」と聞かれたとすれば、三番目ぐらいに「記録が大事」と答える。

我が家では、モモタが生まれた日から「ピヨログ」というアプリでモモタの様々な活動を記録している。ピヨログは、うんちやおしっこをした回数、ミルクや搾母乳を与えた回数、寝た時間に起きた時間などを記録できるアプリ。その日の1日のコメントも記入できて、なかなかの優れものだ。

ピヨログで記録することの一番のメリットは、モモタの状況を夫婦間で共有できることだ。どういうことかというと、モモタが泣いた時に「求めているものはきっとこれだな」とお互いが分かるようになる。例えば、ミルクを上げてから3〜4時間経過したときに泣き始めたら「ああ、きっとお腹が空き始めたんだ」と推測できるし、夜中に泣き始めた時には「そろそろオムツ替えだ」と推測できる。

さらに、「今日は何回おしっこしただろうか」「もう3日もうんちしてないなぁ」といった振り返りをするのにも役立つ。ピヨログのない子育ては、コンパスをもたずに航海に出るのと同じ、と言ったら言い過ぎではあるが、もしピヨログを使わずに子育てをしていたとすると、妻を怒らせる回数は今の倍以上に増えるだろう。

こんなやり取りが交わされることが、容易にイメージできる。「あれ、ミルクって前回いつあげたっけ?」と妻に聞くと「それぐらい覚えておきなさいよ!自分の子どものことでしょ!」というような。

ピヨログによって、精神衛生的にも健やかになれるのだ。(ただ、記録するのを忘れると、それはそれで怒られる。いずれにしても怒られる運命であるということに変わりはない)

ちなみに「子育てで大事なもの」の1位は、妻を怒らせないことである。2位は「寝ているモモタを起こさないこと」だ。


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