駐在夫、子を育てる-15- キッズフレンドリー

これはシンガポールに駐在する妻に帯同し、“駐在夫”として家事や育児に奮闘する日々を綴ったコラムです。シンガポールのフリーマガジン「シンガライフ」誌上で連載しているものに一部加筆して、ウェブでも公開しています。


シンガポールで子育てをしている親たち(私も含めて)がよく言うのは「シンガポールはキッズフレンドリーだよね、電車やバスですぐに座席を譲ってくれるのが、本当にありがたい」。モモタを連れて里帰りをした日本で、シンガポールとのその温度差に驚いた

シンガポールのほぼ全てのバス(肌感覚です)に、車いすとベビーカー向けのスペースが確保されている。ベビーカーがある時には、前扉ではなく後扉から乗車できるように、とても柔軟な対応をしてくれるのだ。そして、多くのシンガポール人(肌感覚です)は老若男女問わず、ベビーカーが乗ってくると、嫌な顔せずに(しているのかもしれないけれど、気づかない)さっとスペースを空けてくれるのだ。

それは、ショッピングモールや街中のエレベーターでも同じ。ベビーカーを優先としてくれてる人がなんと多いことか。
「バスじゃなくて、グラブやタクシーを使えばいいじゃん、運賃も安いんだし」との意見もあるだろうが、ベビーカーを畳んで開くのが手間なうえ、グラブはチャイルドシートなしでは乗れない。このことをご存知でしたか?(私は最近まで知りませんでした)

では、日本はどうか。里帰りのために日本に帰っていた私たち夫婦とモモタ(仮名、生後5カ月)。滞在中にバスには乗らなかったけれど、電車には何度か乗った。驚いたのは、駅のエレベーターでの出来事だ。「車椅子やベビーカーの方を優先してください」との掲示にもかかわらず、われさきにと乗り込む人がなんと多いことか。少し悲しくなった。ただ、もしかしたらベビーカーの存在に気づいていないのかもしれないし、乗り込んだ方々が階段やエスカレーターを使うことができないような病を抱えているのかもしれない。そう思うようにしていた。

ベビーフレンドリーに対する両国の温度差は何に起因しているんだろう。幼いころからの教育なのか、一年中温暖な気候が寛容性を育むのか。個人差だけでは片付けられないような何かがあるような気がする。

シンガポールは赤ちゃんに優しいのは間違いない。が、たまにめっちゃモモタに絡んで足とか腕とかほっぺとか触ってくる、おじさんやおばさんがいるので、それはちょっと困るのである。


駐在夫、子を育てる vol.15

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この記事を書いた人

SingaLife編集部

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