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9月から、シンガポールの労働ビザ(EP)取得のための基準給与額を600ドル引き上げ

Sパスは100ドル引き上げ

シンガポール政府は8月27日、外国人がシンガポールで働くための労働ビザを取得するための基準となる月額給与額を、EP(専門職向け労働ビザ)で600ドル、Sパス(中程度の技能者向け労働者ビザ)で100ドル、それぞれ引き上げると発表しました。
EPの引き上げ額が適用されるのは、新規の申請分は9月1日から、更新分は2021年5月1日以降となります。Sパスでの引き上げ額が適用されるのは、新規の申請分は12月1日から、更新分は2021年5月1日以降です。
この基準給与の引き上げは、在シンガポール日系企業の人事戦略に一定程度の影響を与えるものと思われます。

シンガポール人材開発省(Ministory of Manpower=MOM)のジョセフィン・テオ大臣によると、現在、EPを取得するための最低月額給与は3,900ドルですが、それを4,500ドルに、Sパスの2,800ドルを2,900ドルにそれぞれ引き上げるということです。

この最低月額給与は今年5月に引き上げられたばかりで、短期間で2度も引き上げをするのは異例です。

金融系企業の最低給与は5000ドル

また、シンガポール政府は、金融系企業に関しては、最低月額給与を5000ドルに設定することを明かにしました。この基準は2020年12月1日から適用されるということです。

政府が特定の業種を対象に、最低月額給与を設定するのは初めてのことです。

テオ氏は、「シンガポールの外国人労働政策はより良い仕事を国民のために生み出すことを目的として経済成長を支援するよう作られており、シンガポール人の労働をしっかり確保しながら、企業が必要とする人材を雇えるように調整が常に行われている」と言及しました。

また、過去10年間、政府は企業に生産性の向上を促すための労働政策の調整も行ってきました。現在6割がPMET職(専門職、管理職、幹部、技術者)に就いており、これは世界でも最高の比率であり、全EP保持者に対し、PMET職に就いているシンガポール人は7割近くいることも述べました。

また、シンガポールがこのコロナの危機を早急に抜け出すために、「雇用主がシンガポール人に対して公正な待遇を与えていくことがより重要になりさらに、EPとSパス保持者の労働力でより多様性を実現できるように努力し、労働省としては綿密に調査した上で、雇用主が公正な労働の配慮のルールと精神面、両方を守ることを保証する」と述べています。

また、「シンガポール人にとって不足しているスキルや新しいネットワークを持つ企業は常に歓迎している。同時にシンガポール自体を開発し強化するために企業はより努力をすべきである」と付け足しました。シンガポール人は年齢、人種、性別に関わらず、就職の機会は十分にあること、経験のある労働者、女性、少数民族の雇用率は上昇傾向にありますが、変わらずに警戒しながらも利益を増やし続けなくてはならず、賃金問題については、低所得労働者の給料の引き上げが優先事項だとしています。

清掃、セキュリティ、造園などの賃金モデルが整っている職種では、フルタイム労働者の過去5年の月収は30%増加しています。それらの職種の賃金は中央値よりもはるかに高く、保証を含んだ場合の所得はさらに高くなっています。

現在のような景気後退と見通し不明瞭な状況では、労働者の雇用機会を確保し続けることが最優先です。労働省としては、時間をかけて、この賃金モデルをより多くの仕事に浸透させ、シンガポール人の失業率を低く抑えたいとしています。また、低所得労働者の給料を上げるためには雇用主、消費者、社会の長期的な取り組みと新しいマインドセットが必要です。

テオ氏は「サービスに対してもう少し多くの賃金を支払うことによって、低所得労働者がより良い仕事を得て、より高い賃金を稼げることにつながるだろう。」と述べています。

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