コロナ禍で睡眠に問題を抱えるシンガポール人が増加。具体的な症状と快眠を確保するための5つのヒントとは

医療技術会社「フィリップス」が17日に発表したサンプル調査の結果によりますと、シンガポール人51%が仕事への不安や経済的な不安、新型コロナウイルス関連の出来事を理由に十分な睡眠を取れていないことが明らかとなりました。日本では71%が、睡眠不足であると示されています。

また、調査ではシンガポール人27%が不眠症であることが判明しました。2019年におこなわれた調査では25%だったことから、不眠症の割合が増加しているのがわかります。

昨年11月17日〜12月7日に実施したこの調査は、日本、米国、オーストラリア、英国、中国、シンガポールを含む世界13カ国の1万3000人の成人を対象におこなわれました。シンガポールからは1000人が調査に参加。調査の結果、全体で睡眠に満足している人はわずか55%という結果になりました。

ザ・ストレーツ・タイムズがインタビューした医師たちによると、昨年から不眠症を訴える人が増加傾向にあるとのこと。

ノーベル心理ウェルネスセンターの精神科医セン・コク・ハン先生は、「仕事への不安や経済的な不安、あなた自身の健康や家族の健康に関する心配を感じることは誰にとっても自然なこと。しかし心配は、より高いレベルの恐怖や不安、さらにはうつ病を引き起こし、眠りにくくさせる可能性がある」と話します。セン先生のクリニックでは、昨年の5月から不眠症の症状を訴える人が15〜20%増加したとのこと。

セン先生のクリニックで診断を受ける人のなかには、夜中まで働くことで日中に昼寝を何度も繰り返し、夜に寝つけにくくなってしまった患者がいるのだとか。コロナ禍の影響で在宅勤務やリモート学習が増えたことにより、仕事と私生活の境界線があいまいになり、勤務時間や寝る時間が不規則になってしまうことが原因のひとつです。

ストレス性の不眠以外にもコロナ不眠と呼ばれる「睡眠覚醒リズム障害」を抱える患者もいます。睡眠覚醒リズム障害とは、社会生活をおこなううえで望ましい時刻よりも遅寝遅起になってしまうことです。
睡眠覚醒リズム障害のひとつ「ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ボケ)」は、休日に長時間睡眠を取る、いわゆる寝だめをすることで、たくさん寝たはずなのになぜか体が重いという状態になることです。この症状は、平日の睡眠時間と休日の睡眠時間との差によって引き起こされます。

アナベル心理クリニックでも昨年3月から、睡眠障害の症状を訴える患者が増加しつづけているそうです。臨床心理士アナベル・チャウ先生は「新型コロナウイルスの影響により離れて暮らす家族や友人に会えないことは、うつ病やさまざまな種類の睡眠障害を引き起こす可能性がある。社会的孤立を経験した人は睡眠障害を訴える確率が高く、睡眠時間も短いことが報告されている」と指摘。

インタビューに答えた医師たちは「免疫力強化には睡眠が不可欠であり、睡眠不足がつづくと、糖尿病、高血圧、心血管疾患、不安神経症、うつ病などの症状を引き起こす可能性がある」と述べています。不眠症が長く続いた場合、専門家に相談することをセン先生はすすめています。

より良い睡眠を確保するための5つのヒント

  • 規則正しい生活を送る
    自宅で仕事をする場合はとくに、オフィスや学校等と同じルーティーンで過ごすようにしましょう。規則正しい生活がストレスを軽減、うつ症状を改善するエンドルフィンを放出します。
  • よい睡眠のための環境をつくる
    快適な睡眠を確保するためには、環境づくりが欠かせません。起床時間と就寝時間を一定に保つことや、寝室は寝るためだけの部屋にすることが望ましいです。どうしても、寝室で作業せざるを得ない場合は、ベッドで作業するのを避けるようにしましょう。寝る時間がきたら、パソコンやファイルなど仕事に関わるアイテムは片付けましょう。
  • 太陽の光を浴びる
    日光を毎日浴びると、睡眠と覚醒のリズムがつくられていきます。夜眠るときはカーテンやブラインドを閉め、目が覚めたときには日光を浴びて体内時計のスイッチをオンにしましょう。
  • スクリーンタイムを減らす
    スマートフォンやパソコンのブルーライトは、夜間に放出される睡眠促進ホルモン「メラトニン」の分泌を妨げるといわれています。就寝前にこれらの電子機器を使用することで、眠りにつくことが難しくなってしまいます。就寝前には、電子機器を別の部屋に置いて、読書やヨガ・瞑想などのマインドフルネスなどに時間を使うようにしましょう。これらの時間は感情や思考を落ち着かせ、眠りに入りやすい状態をつくります。
  • リラックス
    不安で眠れない場合、深呼吸をして「筋弛緩法(身体に力を入れて筋肉を緊張させたあと、力を抜いて心身をリラックスさせる方法)」をおこないましょう。落ち着いた環境をイメージすることでリラックス効果を生む「誘導イメージ療法」もおすすめです。

出典:Dr Annabelle Chow, principal clinical psychologist at Annabelle Psychology

コロナ禍でもできるだけ質の良い眠りを維持・改善できるように、これら5つのヒントを実践してみてくださいね。


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この記事を書いた人

SingaLife制作部