オンライン授業その後〜意識低めのわたしが、娘をインターに入れてみたら #15〜

前回の記事ではインターナショナルスクールに通うGrade1の娘の初めてのオンライン授業のリアルな3日間についてお届けしました。

今回は、オンライン授業の日々のその後についてお話いたします。

学校に戻れる!と思いきや…


そもそも当初の発表では、今回のオンライン授業(HBL)の対象期間は5月28日までの10日間の予定でした。ただ、これは29日以降夏休みとなるシンガポールのローカル校を前提としたスケジュールだったため、インターでは現行の新型コロナウィルス対策フェーズ2の終了予定日である6月13日まではオンライン授業が継続するだろうと予想していました。

しかしその予想に反し、なんともともとの終了予定日であった28日に「嬉しいニュースです!31日から学校に戻れます」という連絡が学校から来たのです!

思わぬ展開に喜び勇み、こんなに期間が短いのであれば貴重なオンライン授業の日々をもっと楽しめばよかった…とすら思い始め、娘が学校に行く=自分の時間ができることから、一旦キャンセルしていた病院などの予定を早速入れ始めました。

ところが嬉しい連絡から半日ほどだった29日のお昼過ぎ、またしても事態は急展開。「さらなる通達があり、少なくともフェーズ2の期間中(6月13日)は学校に戻ることはできなくなりました。オンライン授業が続きます」という連絡が来てしまったのです…

一度ぬか喜びをしてしまっただけに大きな精神的ダメージをくらってしまった私。当の娘はそこまで残念そうではなかったものの、私自身が相当なショックを受け、寝込んでしまうほどでした。

なぜ私自身がこんなに落ち込むのか


ここまでの内容に関して、「仕方がないことなのだから、親がそこまで落ち込むことはないだろう!いちばん大変なのは子どもたちだ!」と感じる読者の方もいらっしゃるでしょう。少し冷静になった今となっては、私自身もそう思います。

なぜ私がここまで落ち込んだかというと、学校がないことで娘がずっと家にいる=自分の時間が取りにくいしんどさ、というのももちろんあるのですが、「オンライン授業ならではの子どもとの関わり」に心底悩んでいたからでした。

オンライン授業が始まった当初こそ、インターの授業内容やクラスメイトの様子がわかる新鮮さを楽しんでいた私でしたが、次第に

「他の子に比べて、自分の子は挙手をする回数が少ないんじゃないか」
「なんか授業中ぼんやりしてるなぁ。ちゃんと理解しているのかな?」
「オンライン授業を楽しめるように、挙手や発言を積極的にして成功体験を積んでほしい!」

と授業の様子がダイレクトにわかるからこそ必要以上に娘を他の子と比べてしまったり、授業態度の細かいところまで気になって注意したり、発言を横から促したりすることが多くなったのです。

そうすると娘自身も、ただでさえ慣れないオンライン授業に私の小言も相まって余計にやる気を無くす=その結果授業に積極的に参加しなくなりぼんやりすることが増え、先生に当てられて答えがわからないときや何か困ったときにすぐ私の方を見る、などより依存的な姿勢で授業に参加するように。そうした態度が続くと、先生からも”Don’t look at your mummy!”と注意を受ける始末。

つまり、私自身の「娘にオンライン授業での成功体験を積んでほしい!」という気持ちだけがどんどん空回り、それが故に娘は私や先生からの注意が増えて成功体験どころかよりやる気を無くしてしまう。それに対して私はこんなに気を張ってるのに状況は悪化するばかり。こんな日々がまだしばらく続くなんて、いったいどうしたらいいんだろう…と、寝込むほど落ち込む事態に至ったのです。

そんな悪循環に陥って空回り続ける私に対し、夫から「とりあえず気分転換も兼ねて、授業中は外に出ておけば?」との一言。

たしかにそもそもアウトドア気質の私は、休校を抜きにしても外出しにくい現行の厳しい規制に実際相当のストレスを抱えていました。とはいえルール的には一人での買い物や外出はOKなので外には出られるのですが、それでも私が外出しなかったのは、「子どものオンライン授業をサポートしなければならない」という自分自身の勝手な思い込みが原因だったのです。ただよくよく考えると、たとえ何か問題が起こっても在宅勤務の夫が家にいるため対処は可能。私が家にいなければならない理由は一つもないのです。

それをきっかけに、私自身も「親離れを願うなら、まず子離れだ!」と思い直し、以降は授業の間は食料品の買い出しに出かけたり、運動がてら近所を散歩したり、家にいる場合も別室でイヤホンを装着し完全に授業をシャットアウトして自分の作業をするなど、違う空間に身を置くことに徹しました

すると実際のところは、私がいなくて困ることは一度たりとも起こらなかったのです。突然ZOOMが切れてしまって夫に助けを求めるといった場面は数回あったそうですが、ほとんどの授業において娘が一人で最初から最後まで授業を受けられていたよう。

娘は私がいなくとも先生の指示どおりに課題に取り組み、自分で手を挙げるとまではいかないまでも当てられた際には何かしらの回答をすることができる。私が近くにいるから娘は私を頼ってしまっていただけだという当然のことに、一歩引くことでやっと気づけたのです

父親登場!オンライン授業ならではの笑いをとる


見放し作戦」で日々が少しずつ上手く回りはじめていた頃、娘がオンラインで「Show&Tell」をする機会がありました。Show&Tellとは、一週間に一回自分のお気に入りのものを学校に持っていき、クラスメイトの前でそれについて英語で発表するといった取り組みです(娘の学校に限らず、シンガポールのいろんな園や学校で行われているようです。)

学校でShow&Tellを行う際は、紹介できるものはリュックに入る小さいおもちゃや本などに物理的に限られるものの、オンラインであれば学校に持っていけないものも紹介することができるため、クラスメイトたちも大きいおもちゃや食料品(!)など、ユニークな一品を紹介していました。

そんな中、娘のShow&Tellの日が近づいてきました。オンラインでのShow&Tellは今回が2回目でしたが、前回は声が小さく明らかに自信無さげだった娘。今回は、たとえ上手く話せなくてももうちょっと大きな声でできるといいな…と思いつつ、前述のとおり「見放した方が上手くいく」ことを痛感していた私はあまり関与せず娘に任せることにしました。

すると娘から「次のShow&Tellではパパを紹介しようかな」という言葉が。たしかに、写真ではないリアルなパパやママを紹介できる機会は、オンラインの今だからこそ。

「それは良いアイデアだね〜!でもパパは何もしゃべらないからね。」と釘を刺しつつ、Show&Tellの時間になったら何も言わないパパが登場し、娘がパパについて紹介するという段取りだけ決めて、当日を迎えました。

“Good morning friends~”というお決まりの文句から始まり、娘が”This is my dad.”というとパパが登場。これまでのShow&Tellにない予想外の展開に、先生も”Oh~!”と笑い出します。すると、娘もその笑いでスイッチが入ったのか”My dad is ~~ years old. His name is ~~. He likes ~~…”と、今までのオンライン授業では聞いたことのないくらい大きな声(当社比)でたくさんの内容を話しはじめたのです!

最後に夫が”Thank you.”とだけ言って画面から退場すると、他のクラスメイトたちからも笑いが。Show&Tellの最後にはいつも先生からコメントがあるのですが、”XX(娘の名前), today you are so funny! You made us laugh. Good job!” とお褒めのコメントをいただけました。

一つ成功体験を積めた娘はその後、すべての授業で手を挙げて積極的に発言し…と漫画のようにはうまく行かないものですが、少なくとも何かを得た模様。

その後も私はできるだけ授業の様子を見ないようにはしていましたが、好きな教科では積極的に手を挙げたり、ついていけないときは何も言わずに黙ってやり過ごすのではなく”Please wait for me.”と先生に伝えている場面を見かけることがあり、嬉しく思いました。

もちろん相変わらず授業中にぼんやりしていることもありますが、私自身肩の力が抜けたので娘を怒ることもなく、「それで困るのは娘自身だし、自分が困らないと本当の意味での学びはないんだ」と思えるように。さらには「進んだと思えば戻るのが人生だし、育児もそうだよな〜」と達観するようにもなりました。(頭ではわかってるのですが、余裕がないとそう思えないんですよね。涙)

そんなこんなでなんとかオンライン授業も4週目を迎え、娘のインターでは残り数日をこなせば夏休み、というところまで来た今日このごろ。

もう意識が高かろうが低かろうが、とにかくこの日々を乗り切れたら万々歳。親子ともども花まる100点!ということで、自分たちを含む全てのご家庭を称えながら、生きながらえたい所存ですっ…!

写真撮影も遠くから…

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この記事を書いた人

risako taira

2020年8月に来星したWebライター歴4年の一児の母です。初めての海外生活。シンガポールの好きなところは、夜景と辛いものが充実していること。