美白のプロの医師に訊く「シンガポールにおけるスキンケアの正解」とは?

紫外線が肌を直撃する常夏の国、シンガポール。適切なケアを怠ると、日本よりも早く肌年齢が上がっていくと言われています。

帰国をしてから「こんなはずでは…」という気持ちにならないために、どのようなケアをすれば良いのでしょうか?スキンケアのプロフェッショナルからのアドバイスを頂きます。


お話を伺ったのは…

高瀬 聡子(たかせ あきこ)医師
ウォブクリニック中目黒総院長

1995年 東京慈恵会医科大学卒業後、同大学付属病院で皮膚科勤務
2003年 スキンケアブランド「アンプルール」開発開始
2007年 美容皮膚科クリニック「ウォブクリニック中目黒」開院、総院長となる。


まずはシミの意識調査から。40代女性のお肌の悩み第1位が「シミ」という結果

エスエス製薬では、全国の20代~40代の女性1,200人を対象に、シミに関する調査を行いました。

まず、現在のお肌の悩みを聞くと、「毛穴の開き」(62.6%)、「シミ」(53.9%)、「乾燥」(52.2%)の順となりました

シミ悩みを抱える人を年代別に見ると、20代は32.8%、悩み順位5位とそれほど多くないものの、30代では56.0%と半数以上となり、悩み順位は2位に。40代になると73.0%とほとんどの女性がシミ悩みを抱え、悩み順位は1位となっています。

若いうちはそれほど気にならなくても、加齢に伴い悩みが大きくなるのがシミ悩みの特徴と言えそうです。


シンガポールでやるべき紫外線対策は?

――日本での調査で肌悩みの1位になるシミですが、シンガポールのように紫外線が強い地域におけるスキンケアは、どこまでするべきでしょうか?

日本では日傘やサングラスをする方も多いですが、シンガポールでは日焼け止めを塗るだけで街を歩いている女性たちが大半です。日焼け止めだけでは足りないのではとも思いますが、日傘やビタミンを飲んでから外出する方がベターでしょうか?

高瀬先生:日焼けは目からの紫外線からも起こると言われています。サングラスの使用はおすすめします。また、飲むUVサプリメント(抗酸化効果)も効果的です。

――目から日焼けする、ということは盲点でもありますね。目を守るという理由でサングラスをかけている方の中には、日焼けをするということをご存知ない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

子供のテニスを送り迎えをするとき、テニスコートは照り返しが強いので飲んでから行くようにしていますが、確かに肌のダメージは少ないような気がします。

また、日焼けケアについては、迷っている女性が多いという統計がエスエス製薬の調査から出ているのですね。


日本でも「シミ対策」に悩む人が多い

シミ対策について聞くと、現在シミ対策を行っているのは全体の41.1%で、具体的には「美白化粧品を利用」(67.1%)、「日焼け止めをこまめに塗る」(64.7%)、「日陰を歩く」(43.0%)などを実践しています。

しかし、自分のシミ対策に対して「満足できている」26.8%、「納得できている」26.4%とともに少なく、多くは満足も納得もできていません。また、シミ対策には終わりがなくツライと感じることがあるかという質問には、61.1%が「ツライと感じる」と答えました。

シミ対策をあれこれ実践してはいるものの、満足できる結果が得られず挫折しそうになっている、そんな女性のリアルが浮かび上がりました。

高瀬先生:日本でも同様にシミ対策については「やってもやってもシミが出てくる」という患者様のお悩みが多いです。しかし日々のUV対策やスキンケア、インナーケアをコツコツやることがシミ対策には大切とお伝えしています。

――すぐに効果を実感する、というタイプのケアではないため、毎日の習慣が大事になってきますね。日焼け止めは何時間ごとに塗り直すのが良いでしょうか。

高瀬先生:日焼け止めは、2、3時間おきに塗り直すことをおすすめしています。

――そうですか。日焼け止めをバッグに入れるのを忘れて外出してしまうときがありますが、やはり2、3時間おきに塗り直した方が良いのですね。


コロナおこもりが、スキンケアに影響!?

また、コロナの影響で外出を控えている人にとっては、スキンケアが以前よりもおそろかになっている人も多いようです。以下のようなエスエス製薬による統計があります。

コロナ禍でおうち時間が長くなった人が増えていますが、シミケアに影響があったのか、20代〜40代の女性1200人に聞いてみました。

まず、おうち時間が長くなったことで、自宅で自分で肌のお手入れをする「おこもり美容」について聞くと、2割の女性が「力を入れた」(20.0%)と答えています。

次に、コロナ禍以前と比べたシミケアにかける時間の変化を聞くと、8割が「変わらない」(79.8%)と答えており、シミケアの時間が「増えた」のは13.5%でした。

この結果を上記のおこもり美容の有無でみると、おこもり美容をした人では35.0%がシミケアの時間が「増えた」と答えています。一方、コロナ禍以降在宅の機会が増え、日焼けケアが疎かになったかと聞くと、半数近くが「疎かになったと思う」(47.8%)と答えています。上記のおこもり美容実践者では、全体平均よりも高い54.6%が疎かになったと答えています。

このことから、やはりお出かけの機会が減ると、スキンケアに対するモチベーションも下がる傾向にあるようですね。今一度、基本的なケアについてリマインドしたいところです。

それから、気になるのは頭皮の日焼けです。シンガポールでは、帽子を被らずに街を闊歩している女性も多いですが…。


気をつけて!日焼けは髪にも影響大

高瀬先生:頭皮が日焼けすると、肌がエイジングしてシミやシワ、たるみの原因になるのはもちろん、髪を育てる細胞が老化することによって髪質に乾燥など影響が出ることもあります。

――髪を育てる細胞も老化するのですか。それは怖いですね。髪が紫外線でダメージを受けることばかりを気にして、UVスプレーをふりかけていましたが、未来の髪にも影響するとなると、やはり帽子は被らなくてはと思いますね。


既にダメージを受けた肌。生まれ変わるには?

――ところで、既にダメージを受けてしまった肌を生まれ変わらせるターンオーバーの機能を高める生活習慣をいくつか挙げて頂いてもよろしいでしょうか。

高瀬先生:運動、入浴、マッサージはおすすめです。また、食事は酵素を多く含んだメニューや、発酵食品を積極的に摂ると良いでしょう。サプリメント(ビタミンB、C)も続けられるとベターです。

――酵素や発酵食品ですか。生の野菜や果物がたっぷり入ったサラダやスムージー、納豆やキムチなどがそれに該当しますか。取り入れるようにすれば良いのですね。

――メラニンを薄くするためにはビタミンCが有効とのことですが、飲むビタミン、打つビタミンなどいろいろなアイテムがある中で、どのようなビタミンCを選び、1日にどれぐらいの量を摂取すると美白に繋がっていきますでしょうか。

高瀬先生:内服で推奨されているのは1日3gですが、ビタミンCは色々な目的で各メーカーの考え方があります。一定の血中濃度を保つためにはこまめに飲むことです。急激な日焼けなどの対策としては一気にアスコルビン酸を摂取することが効果的でしょう。

――アスコルビン酸は、タブレットで摂るのが良いでしょうか。どのような特徴がありますか?

高瀬先生:​​​​​​​​​​タブレット、顆粒いずれでも摂りやすく続けやすい方法で良いと思います。ビタミンCは水溶性ビタミンで摂りすぎた分は尿と一緒に排出されます。ビタミンCはフルーツ、野菜、イモ類にも含まれますので、毎日の食生活で積極的に摂りましょう。

朝食に季節のフルーツをプラス、昼食にサラダをプラスするなどサプリ同様、毎日続けやすい工夫を心がけましょう。



シミの原因は、女性ホルモンも関係する場合も

――女性ホルモンの変化によるシミは、一時的に黒色メラニンの生成により増えるとのことですが、どのように防ぐのが得策でしょうか。また、できてしまったシミの対処法は、紫外線によるシミのケアと同様になりますか?

高瀬先生:基本的には紫外線によるシミと同じケアですが、摩擦によるメラニン造成が悪化原因になるので、過度なマッサージや肌を擦ることを避けるようにしてください。

――マッサージとシミが関係しているとは、またも盲点です。よく、下着のゴムが当たる部分が茶色っぽく着色してしまうケースがありますが、それは摩擦によるものですね。

洗顔も「泡だててこすらず、タオルで拭き取る時もこすらずに」が鉄則だと言われますが、肌には負担をかけずにそっとケアすることが大事ですね。


シミの原因は、加齢による女性ホルモンも関係する場合も。大人ケアとは?

――大人世代におけるシミ対策では、若い頃と違った内容のルーティンがありますか?

高瀬先生:大きな特徴としては、ふたつあります。1、ターンオーバーが低下している 2、皮脂分泌の低下、この2点です。

1に対してはピーリングでターンオーバーを早めておくことが必要で、2については乾燥しているとバリア機能が低下して紫外線の影響を受けやすくなるので油分のあるスキンケア製品を使用するようにしてください。

――シンガポールに住んでいると、気温も湿度も高いので、さっぱりタイプのスキンケア製品を選びがちですが、油分のあるタイプを選ぶのが良いのですね。

また、これも大人世代の疑問ですが、シミの種類によってケアの仕方も変わってくるといわれる中で、老人性の「肝斑」と、日焼けによる「日光性黒子沈着」を見分ける方法、それぞれの治療の違いについて教えていただけますか。

肝斑にレーザーを当てると色が濃くなってしまうと言われていますが、実際にはいかがでしょうか。

高瀬先生:肝斑は目の周りを避けて薄茶色のモヤっとした局面が目の周りにコの字型に広がっている状態です。一方、日光黒子は点状の境界が明瞭なシミです。一般的には大きさが小さいものを呼びます。大きいものは老人性色素斑です。

シミはシミ用のレーザーをあてますし、肝斑治療としてはレーザートーニング(肝斑部分に炎症を起こさない波長のレーザー)内服薬、外用薬(美白剤)がコンビネーションで使用されます。

――シミと肝斑の違いについては、先生にきちんと見て頂いた方が良いですね。シミケアに関しても、するべき対策について具体的に教えてくださりどうもありがとうございます。

取材を終えて

シンガポールにおけるスキンケアについてのアドバイス、いかがでしたでしょうか?意外な盲点もいくつかあったのではないでしょうか。肌の健康のためにも、ぜひ万全な対策にお役立てくださいね。






この記事を書いた人

YUKI KAMIO

singaporeが好きすぎ、散歩ばかりしているライター。趣味は建築見学。一番好きなローカルフードはローミー。ボタニックガーデンで深呼吸。