教育水準の高いシンガポールの教育費は?学費や習い事にかかる費用を解説!

シンガポールでは「子どもの教育=投資」と考えられているため、ハイレベルな教育環境で子どもを育てたい!と世界各国の富裕層がシンガポールに集まっています。今回はそんなシンガポールの学校制度や学費についてご紹介。海外教育に関心を持たれている方や、シンガポール移住をお考えの方は必見!
シンガポールのハイレベルな教育事情とは?


シンガポールは、世界でも高い学力を誇る教育で有名。イギリスの高等教育情報誌Times Higher Education(THE)が2021年に発表した世界大学ランキングでは、シンガポール国立大学が日本の東京大学を超えて21位にランクインしました。15歳を対象に行われる国際学力テスト(PISA)でも、アジアでは日本を抜いてトップレベルです。
シンガポールはイギリスの教育制度を取り入れながら、シンガポール独自のシステムをとっています。例えば、小学校卒業時にPSLE(Primary School Leaving Examination)と呼ばれる試験があります。PSLEの結果次第では、一般的な中学校へ進んで大学に進学することが難しい場合も!大学を目指すのであれば、PSLEで良い成績をとる必要があるのでシンガポールの子どもたちは小学校のころから必死に勉強するのです。
シンガポールの学校制度


シンガポールでは未就学児の時から教育に熱が入ります。幼少期の学習を重視していて、小学校入学前のプレスクールから、そろばんやプログラミングなどの授業が行われているところも!教育費を惜しまない家庭が多いので、より良い環境を求める傾向にあるようです。
シンガポールには学区というものがなく、希望する公立小学校に入りたい場合は応募する必要があります。PSLEのスコアが高い人気校に応募が殺到し、定員を超えたら抽選となります。
シンガポールの義務教育期間は6歳から12歳の6年間のみですが、ほとんどの子どもが中学校へ進学します。中学校は大学進学コース、普通科コース、職業訓練コースの3つに分かれていて、PSLEの成績で進学するコースが決まります。そして中学校を卒業する前には各コースごとに試験を受け、その結果で次の進路が決まります。
このように各学校を卒業する際に次の段階への試験が行われ、成績に応じて進路や学習年数が決まるのです。これがシンガポール独自の「ストリーミング制」です。
シンガポールの学費

ローカル プレスクールの費用
ローカルプレスクールでは英語と中国語(マレー語・タミール語を選択できるスクールもある)を中心に保育を行います。ローカル小学校入学を前提としているので、ほとんどのスクールで英語のスペリングテストや中国語の書き取りテストがあり、勉強は大変です。
チャイルドケアセンターの多くがローカル系なので、共働き家庭で子どもを預ける必要がある場合などは、ローカル系幼稚園がおすすめ。費用は、全日保育の場合で保育料が12万円/月程度、バス代が平均1万6千円程度、登録料が1万6千円〜4万円ほど(各園による)かかります。そのほかに、園で体操や音楽などの教室を別途希望する場合には、追加費用が必要な場合もあります。
インターナショナル プレスクールの費用
インターナショナルプレスクールは、インターナショナルスクール付属の幼稚園を指します。基本的には英語のみの保育となりますが、一部で日本語や他言語のクラスを提供しているところもあります。小学校から通わせたいインター校が決まっている場合や、英語での教育をしっかりさせたい場合はこちらがお勧め。
インター系の幼稚園の中にはローカルインターと呼ばれる園があり、ローカルスクールのカリキュラムやカレンダーに沿って運営している園もありますので、入園前に見学に行くといいですね。
費用は園により大きな開きがあり、保育料は8万円/月~25万円/月程度となります。バス代は4万円〜14万4千円、登録料は2万4千円から4万円程度ですが24万円程度かかる場合もあり、インター系は園によって差がとても大きいです。
日系幼稚園の費用
日系幼稚園とは、日本語を主な言語として保育を行っている幼稚園。日本語教育に力を入れたい場合や、日本人小学校へ入学を予定している場合には日系幼稚園がお勧めです。せっかく海外にいるのに、英語や異文化に触れ合う機会が少ないという点はデメリットかもしれません。
費用は保育料が8万円/月程度、バス代が平均1万6千円程度、登録料が1万2千円ほどかかります。(各園による)また入園料が別途、9万6千円〜12万円ほどかかったり、特別な行事には別途費用が発生する場合もあります。
ローカル小学校の費用
シンガポール国籍と永住権保持者を優先しているため、シンガポールのローカル小学校は、外国人の日本人にとって入学はかなり狭き門になっています。ローカル小学校の特徴は膨大な勉強量です。PSLEの結果でコースが決まり将来就く職業も決まってくるため、小学生の頃から成績でクラス分けがされているところもあります。
しかしあまりにも早い時期に、子どもの将来の方向性が決まってしまう現在のストリーミング制が見直され、2024年から4年間かけて段階的に廃止される予定です。
学費は一般的な公立の小学校で永住権保持者が1万2千円/月、それ以外の外国人が5万2千円/月程度です。
インターナショナル スクールの費用
インターナショナルスクールでは、プレスクールから高校まで一貫したプログラムを受けることができます。インターナショナルスクールと日本人小学校の大きな違いは、主な言語が英語か日本語かというところ。
英語がメインのインターナショナルスクールには、世界的に信頼を得ている国際バカロレア(IB)プログラムを提供しているスクールもあります。また子どもの英語に自信がない場合は、英語補習クラス(ESL)が用意されているスクールがおすすめです。
学費は20万~30万円/月程度と、かなり高額です。シンガポールのインターナショナルスクールに通わせる場合、かなりの収入がないと難しくなります。
日本人小学校の費用
シンガポールの日本人小学校に入学するためには、保護者が「日本人会」へ入会する必要があります。日本人会の会員になるための入会費と年間の月謝で、少なくとも合計約48万円かかります。日本人小学校は日本人会が運営しているので、保護者が日系企業に勤めている場合は企業として入会します。そして企業を通じて入学寄付金が支払われます。
教科書は日本の小学校で使っているものを使用しますが、英語力もかなり高まります。小学一年生のころから英語のレベルでクラス分けがされている学校もあり、日常で困らない英語力を養う内容になっています。学費は5万5千円/月程度で、日本の一般的な私立学校に小学校から高校まで通う学費と同じくらいです。
シンガポールの習い事事情とは?
教育への投資が盛んなシンガポールで人気の習い事をご紹介します。日本でも人気の習い事が多く、費用はS$50~S$400/レッスン程度です。お子様の習い事選びの際には、ぜひ参考にしてみてください。
また習い事は体験入学などができるところも多いので、まずはお試しでお子様に合うかどうかを判断するのも重要です。

スイミング
日本でも人気の高いスイミングは、シンガポールでも圧倒的な人気。スイミングスクールでは、グループレッスンのほか、マンツーマンレッスンも充実しています。自宅のコンドミニアムにあるプールで、パーソナルトレーニングを受けることも可能です!
音楽教室

シンガポールには、シンガポール在住の日本人講師が教えるピアノ教室が数多くあります。ヤマハ音楽教室もその中のひとつです。大人も通えるピアノや声楽の個人レッスン、ピアノ未経験者向けの基礎レッスン、クラシックだけでなく幅広いジャンルの音楽レッスンなど、子どもから大人まで楽しく学べる音楽教室が人気です。
アート教室

想像力や発想力が養えるアート教室も、シンガポールで人気の習い事のひとつ。講師全員が有名な芸術大学の卒業生という教室もあり、楽しみながら芸術系の学校を目指すこともできます!アートを通じて、さまざまな教育が受けられる教室が多いところも特徴です。
帰国生向け、補習校や塾
シンガポールのローカル校やインター校に通うお子様の保護者の中には、「子どもの国語力が心配」という方もいらっしゃると思います。そのような方には日本語補習授業校がおすすめ。日本に帰国後、国内の学校に編入してもスムーズに適応できる国語力を身につけることが主な目的です。また、日本の伝統文化や学校行事にもたくさん触れることができます。
国語だけでなく、日本の算数の教科書を使って学習をする補習校もあります。日本式の算数を習わせたい場合や、帰国後に日本の授業とのギャップに戸惑わないようにしたい場合におすすめです。他にも帰国子女受験のための塾や、オンライン家庭教師サービスなどもあります。
教育は子どもにどんな経験をさせたいかがポイント
海外移住の最も難しい点のひとつは子どもの教育ですよね。現地校へ通学させるか、日本人学校やインターナショナルスクールを視野に入れるかは重要なポイント。学校の特徴や方向性、学費にも大きな違いがあります。今回はそれぞれのケースでかかる費用をまとめましたので、家族でのシンガポール移住を考える際にはぜひ参考にしてみてください。
記事内容は執筆時点の情報に基づきます。
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この記事を書いた人
SingaLife知りつくし隊
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