シンガポールの果てにあるクラフトビールの理想郷 SGクラフトビール探訪vol.1

記念すべき連載1回目はリトルアイランドブリュワリー(Little Island Brewery)@チャンギビレッジ

マリン系のロゴが可愛らしい

シンガポールの街中を歩いていると最近特に目にするようになったクラフトビールのお店。日本では、ここ数年でクラフトビールが空前の流行を見せていますが、ここシンガポールでもクラフトビールもそれは同じ。
このシンガライフウェブ(https://singalife.com/cms/)にもお酒のコンテンツを増やすという方針の下、シンガポールにあるクラフトビールのお店を勝手に紹介する連載(不定期)を始めることにしました。
私は「クラフトビールが好き」というだけで、特別な資格があるわけでもなく、素人目線です。記事を読んでくれた方が行ってみたくなる連載を目指しますので、どうぞお付き合いください。

中心地から遠いものの行く価値あり

シンガポールとマレーシアの間に浮かぶウビン島。そこに行くためのフェリーが発着するチャンギビレッジの一角に構えるのが、2015年にオープンしたリトルアイランドブリュワリー(Little Island Brewery)(以下、リトルアイランド)です。

潮風感じながらクラフトビールで乾杯

150席以上はあるリトルアイランドは屋内席と屋外席に分かれ、屋外席は港ということもあり、そよぐ潮風が心地よく、クラフトビールを楽しむには最適な環境
このリトルアイランドは日中と日没後とでは雰囲気がガラッと変わり、夜は建物がライトアップされて、グッといいムードに。

夜はライトアップされる

自分で注ぐユニークなシステム

リトルアイランドで特筆すべきは、そのユニークなシステム。クラフトビールを飲む前に、まずは受付でプリペイドカードを購入し、そこに自分の好きな金額をチャージ。しっかりと大型の冷蔵庫で冷やされたグラスを取り出して、ずらっと並んだ注ぎ口に。

注ぎ口と醸造タンク

注ぎ口の下部にカードをかざすと注げるようになります。クラフトビールの量に合わせて課金されるので飲みたい分だけ、注げるのが嬉しい。自分でするのが苦手という人はスタッフさんにお願いすれば、プロが代わりにやってくれる、はず

クラフトビールがこの値段で飲める素晴らしさ

注ぎ口には$2.60/100mlや$3.20/100mlなどと書かれています。でも、これだとちょっと値段感が分かりにくいですよね。
1パイントに換算した場合はどうなるでしょうか。(ちなみに1パイントは、アメリカとイギリスとで容量が異なり、アメリカは473ml、イギリスは568mlです)
$2.60/100mlのクラフトビールは、イギリスパイント換算で約$14.77($2.60×5.68倍)なので、クラフトビールとしては破格のお値段と言えます。

18種類のクラフトビールを自家醸造

ずらっと並んだ注ぎ口は圧巻

リトルアイランドは18種類ものクラフトビールをシンガポールで自家醸造しており、そのうち10種類は飲むことができます。クラフトビールの醍醐味は、風味や味わいがそれぞれ全くことなること。色々なクラフトビールを試したい!という人には「自分で注ぐ」という、このリトルアイランド独特のシステムは非常にメリットになります。

醸造責任者のスティーブンさんに聞きました

熱心にビールについて語ってくれるスティーブンさん

リトルアイランドの醸造責任者のスティーブさん(69)は、イングランドのウェールズ生まれ。バリ島でブリュワリーを経営していたものの、そこを閉めてシンガポールに。シンガポールは素晴らしい場所だ!と褒めるものの醸造家として一つ大きな不満があるそうで、それは「シンガポールの水はテリブル(悲惨)」ということ。ビール作りに欠かせない水は、マレーシアから輸入しているのだそう
取材中でもクラフトビールの飲み続けるスティーブンさんは、69歳とは思えないほどエネルギッシュ。その秘訣を聞くと「好きなことを仕事にしているからね。それに美味しいクラフトビールを毎日飲んでいるからさ」と笑顔で答えてくれました。

4人以上でタクシー使って行こう

リトルアイランドはCBDと呼ばれるシンガポールからの中心街からはかなり遠く、バスで行こうものなら1時間以上かかります。ビールを飲むのに1時間も待てないでしょうから、グラブやゴジェックがベター。運賃の節約になる上に、クラフトビールはみんなで飲む方が楽しいので、4人以上で行きましょう。約25分で到着します。

取材メモ

「チャンギビレッジか、遠いな」と思いながら出掛けたリトルアイランドブリュワリー。訪れてみると「こんな素敵な場所があるなんて」と、クラフトビール好きとして、これまで知らずにいたことが恥ずかしくなりました。
もちろんブリュワリーの雰囲気も、クラフトビールの味自体も素晴らしいものでしたが、何より醸造しているスティーブンさんの人柄が素敵でした。スティーブンさんから醸し出される「ビールをこよなく愛している感」が「この人が作っているビールなら間違いない」と思わせてくれます。
リトルアイランドまで行くのが少し遠いよ!という人には、シンガポールの中心・エスプラネードにあるアルキメストビールラボ(Alchemist Beer Labでもリトルアイランドのビールを一部提供しているとのことなので、どうぞ。
でも、やっぱりちょっとでも余裕があればこのキャンギビレッジの雰囲気でリトルアイランドブリュワリーのビールを味わって欲しいです。

勝手に5段階評価

  • アクセス  ☆☆   (やはり遠いの否めず)
  • 値段感   ☆☆☆☆☆(素敵な値段設定)
  • 種類    ☆☆☆☆☆(全種類制覇は多分無理)
  • トイレ事情 ☆☆☆☆☆(男女別できれい)
  • 居心地   ☆☆☆☆☆(代えがたい心地よさ)

※ハッピーアワーは月〜金の12:00-18:00で15%OFF


<お店情報>
Little Island brewery(リトルアイランドブリュワリー)
住所:6 Changi Village Rd, #01-01/02, Singapore 509907
電話番号:6543-9100
最寄駅:無(強いて言えばトゥアスリンク)
営業時間
月〜木 12:00-23:00
金   12:00-24:00
土   11:00-24:00
日   11:00-23:00
定休日:無
Web:http://libc.co/

この記事を書いた人

Alcoholic Spy

好きな言葉はハッピーアワー。シンガポールでも、安く美味しく飲める場所を日々探求。

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