子育てコラム

悩む子どもにどう言葉をかけるか 親子関係における「親身」とは

相手の立場に立つことを「親身になる」と言います。好ましい意味合いで使われることが多い言葉ですが、親子関係において、特に子どもが友だちづきあいなどに悩んでいるときは、親身にならないようにする必要があります。 親子で親身になると、親は子を自身の分身と錯覚してしまいがち。分身と思っている親は子どもの交友関係が必要以上に気になるもの。意見を言えず周囲の言いなりになっている姿を見ては「思っていることを言いなさい」と歯がゆさを覚えたり、自分の主張を通そうとする姿を見ては「ワガママいったらダメよ」と叱ったりするものです。 周囲を思いやる優しい子ならば「意見を言っていいのよ」「あなたはどう思うの?」と、背中を後押ししてあげることになりますが、内弁慶の子どもに親が何を言ったところでどうにもならないのが実状。「胸のなかにはいろいろな気持ちを抱えているのよね」と、前向きに受け入れて子ども同士のつき合いに関しても、口出ししないことです。 ただしモラルに反するような場合、話は別です。わが子は自分ではない別の人間とはいえ、教育しているのはほかでもない親。「よしあし」の区別をつけさせ、悪いことをし

理想と現実のギャップに苦しんだら 子どもと理想を”共有”してみよう

子どもに対して「もう7歳なのに…」「女の子(男の子)なのに…」といったイライラを感じてしまうこと、ありますよね。親は、どうしてもわが子を自分の人生経験と理想という眼鏡を通して見てしまいがちです。だからつい理想と現実とのギャップに落胆し、思い通りにならないふがいなさを感じてイライラしてしまうのだと思います。 理想をもつことは、いいことです。ただし、それは子どもとお母さんとで同じ理想像を共有できている場合にのみに言えること。習いごとに対して子どもは「楽しく通いたい」だけなのに、お母さんは「レギュラー入り」にこだわっていたり、仲良しのお友だちと一緒に「地元の中学校に行きたい」と思っているにも関わらず、お母さんが塾に行かせて難関校受験を決めたり……。このようにお母さん”だけ”が決めた理想に、子どもがついていくことはむずかしいのではないでしょうか。 理想を共有するためには、まずは話し合い。子どもがどう思っているのか、何を考えているのかを聞き出します。その上でお母さんの考えを伝え、子どもの意向を考慮しながら目指したいと思える在り方を一緒に探っていきましょう。それこそが理想の親子関係とい

運動をする機会が少ないシンガポールでの子育て 日常生活に運動を取り入れるヒント

子どもの将来を考えるとき、勉強だけでなく運動も頑張ってもらいたいと思うお母さんは多いと思います。だからこそ、昨今子どもの習い事でスポーツ関連のお教室が人気を得ているのでしょう。 特に全身を万遍なく動かす水泳や体操のクラスへの参加者が増えているのが特徴的で、丈夫な身体をつくることを目的とされる方が多いようです。子どもが思う存分遊べるような里山や原っぱや空き地がなくなってしまった現状を踏まえ、皆さんがそれぞれに考えて行動に移しておられるのだなと思うと感心してしまいます。 以前、当コラムでも運動あそびを取り入れることを提案しました。日々の生活のなかにも、子どもの身体能力を高めるためにできることはあるのです。 例えば、階段の上り下り。足にも効き足があるのでどちらか一方の足ばかりで踏み出していると思います。ゲーム感覚でもう一方の足で踏み出すよう促してみましょう。これはボール蹴り(投げ)にも応用できます。 左右の偏りをなくすので全身バランスを整えるのに有効ですし、普段とは異なる意識を要するため集中力も養われます。 なお、足はかかとまで階段に乗せると太ももだけでなくおし

子どもに理詰めが通用しないときは ”ほめのシャワー”を浴びせよう

親としては「やらせておきたいこと」が、子どもにとっては「やりたくないこと」というのは、往々にしてあります。私の経験上、言語の習得がそのひとつでした。 低学年の頃、アメリカに住んでいた娘たちにとって「日本語」の勉強はやりたくないことの代表例。学校で習うわけではないからなおさらで「どうしてやらなくちゃいけないの? みんなやっていないのに!」と、このような言葉がしょっちゅう出てきました。 親として、いつかは母国に帰るであろう彼女たちのことを思えば簡単にやめさせるわけにいかず、あれやこれやと理由をつけて勉強を促していました。ところが……。 「日本語が話せないとおばあちゃんとお喋りができないよ」と言えば「話しができれば漢字は必要ない」と返され、「将来、日本に帰ったときに必要なの!」と言えば「私だけアメリカに残るからいい!」と返ってくる。やりたくない子どもは、どうにかして言い返してきます。 こうなってきてしまったら会話の流れを変えるしかありません。理詰めが通用しないときは、ほめるが勝ち!です。 「ねえ、このプリント、どういう意味?ママに教えてくれる?」 「ママこ

”自分で決める”を取り入れよう 子どものスケジュール管理術

新たな一年の始まり。気持ちも新たに何か新しいことを始めようかというご家庭も多いかと存じます。今回は、何かを始めるタイミングに取り入れたい子どものスケジュール管理についてお伝えいたします。 遊び、勉強、運動、お手伝い、習いごと。子どもたちの毎日は、大人が思うより忙しいものです。皆さんのように海外在住ともなれば、現地言語の習得も必要ですし、いつか日本に帰ったときのためにしておきたいこともたくさんあると思います。 例えばここに受験が加わるとなると、それはもう大変です。受験のカリキュラムは膨大で、学校から帰宅してからの限られた時間でこなしていくにはきちんとした日々のスケジュール管理が必須。ですが、まだ時間の感覚がそれほどない小学生の子どもに、すべて管理させるのははっきり言って無理でしょう。そこには親のサポートが求められます。 とはいえ、すべてを親が決めて子どもに押し付けるだけでは、いつまで経っても”親のための勉強”から抜け出せません。子どもが本来もっている力を引き出すためにも、スケジュール管理に子ども自身の意見を取り入れ”自分からする勉強”に変えていきましょう。 まずは

多くの情報にふれ、想像力や 学び体質をも養う読書のススメ

前回の記事では、目標に向かって行動できる子についてお伝えしましたが、そもそも目標をもつ、あるいは夢を抱くには職業や社会についての知識がある程度必要で、さらにはそこから自分ならどうする?というイメージを膨らませる豊かな想像力が欠かせません。 そこで役立つのが、読書です。本を読むことはすなわち、多くの情報を取り入れること。本を読むことで得られるのは、語彙力・読解力の強化だけではありません。人は本のなかで新しいさまざまな他者と出会うことができるのです。 現実には難しいと思えることも、本の世界においては容易です。ですから視野が広がり、思考が広がり、その延長線として自分の将来もまた、自由に、より明確にイメージすることができるようにもなります。 読書は、知識を一方的に受け取るだけではありません。気になったこと、もっと深く知りたいと思ったことなどを自分で調べ、自分で考え、自分で学ぶ体質をも育みます。本とは、子どもにとってすばらしい友人であり、師なのです。 読書をするには、まず本が身近であることが大切です。私は児童書の出版社がおこなっているサービスを利用し、月1回ペースで多ジャ

目標に向かって行動できる子になる 「チャンクダウン」活用術

未来について考えることは大人でもワクワクします。いいイメージができたときにはなおさら、心の奥底から力が湧いてくるものです。それは、子どもも同じです。 思い出してみてください。小さい頃、お母さんや先生から「将来、何になりたい?」と聞かれたときのことを——。好きなことを活かした仕事に就いて、何歳頃に結婚をして、大きなお家に住んで犬を飼って……と考えをめぐらせるのがとても楽しかったと思います。 「大人になるのが楽しみ」と思えることは、子どもにとってとても素敵なこと。ですから、子どもが突飛な夢を口にしても「無理だよ」「それはダメ」といった制限は絶対にかけないでください。 子どもは家庭以外の場所でもさまざまな情報に触れています。ある程度の年齢になれば、自分の夢が実現可能か自覚できるようになるものです。なので、子どもが楽しみに感じていることについて、親が率先して否定しては「お母さんに反対された」というキズを残すことになりかねません。 親としてすべきことは、子どもが自分で考え、語った夢を受け止めてあげること。そして夢を現実のものとするために、今が未来に繋がっているという意識が

10年後をイメージしながら、 子どもと一緒に親も成長しよう

子どもを育てるということは、親にとって大きな喜びです。しかし、実際は楽しい部分ばかりではなく、同じくらい、もしかしたらそれ以上のストレスがつきものです。 部屋を片付けても2分でオモチャだらけにされたり、見た目も工夫してご飯をつくってもグチャグチャにされ残されたり、時間に間に合うよう段取りしても玄関先でグズられ遅刻をしてしまったり……具体例を挙げればキリがありません。 大人の心では理解できない行動を何度も目の当たりにするうちに、お母さんの心のなかには「どうしよう」と焦りが芽生え、不安に襲われ、次第にイライラへと姿を変えて、ついには子どもを怒鳴りつけてしまいます。 そんなとき、思い出して欲しいのは「子どもは確実に成長する」ということ。1年経てば1年分、5年経てば5年分、成長するのです。 例えば今3歳の子どもであれば、10年後は13歳。中学生ですから、使ったものを元に戻すことの意味もわかるでしょうし、ご飯もキレイに食べられるようになっているでしょう。朝、玄関先で突如グズって遅刻するということも、まずはないと思われます。むしろ「ヤバイヤバイ!」と言いながら遅刻しないよう

子どもの言葉と考えを引き出し 考える力を育む「30秒」の魔法

親である私たちは、大人になる過程においてある程度の経験を積み重ねてきています。ですから、まだまだ経験が浅い子どもたちとのやりとりにおいて、自分と同じ思考スピードを求めがちです。 例えば子どもに質問を投げかけても、その返事がなかなか返ってこない場合、皆さんはどのように対応しているでしょうか。間髪いれずに「こう思っているのかな?」「あれがしたかったのよね」と勝手に結論づけてはいないでしょうか。あるいは、別の質問にすりかえてはいませんか。 親としては、子どもの胸の内にある思いを引っ張りだしてあげているつもりでも、実はこの行為が子どもから「自分で考える時間」を奪ってしまっています。このようなとき、心がけたいのは「30秒待つ」ということ。投げかけた質問に対して、すぐに答えが返ってこないときはせめて30秒待ってあげてください。 30秒とは、何かをしているとほんのわずかな時間ですが、黙って待つとなると意外と長く感じられるもの。たった30秒、されど30秒。この時間を待つことに費やすことで、子どもは自分の頭で考え、考えたことを言葉にするようになるのです。 大切なのは、子どもから出

親子のコミュニケーションを充実させる カギは「子どものため」に「聴く」姿勢

近年、スマートフォンの台頭に代表されるネット社会の進展により、人と人との直接的なコミュニケーションが希薄になってきていると言われています。「スマホ依存」は社会問題にもなっており、特にアジア圏は依存者の低年齢化がとても早いスピードで進んでいるのだとか。 とはいえデバイスを全く使わない生活というのも、現実味がありません。ならば、その利便性に左右されるのではなく、ほどよく付き合う程度に収めるために親子のコミュニケーションタイムを充実させる方向にシフトしていきましょう。 親子のコミュニケーションにおいて、親が「子どものため」に「聴く」姿勢が何より大切です。具体的には①聴く、②観察する、③味方になることを意識するといいと思います。なかでも「聴く」はコミュニケーションの第一歩。子どもとのふれあいが少ないと感じているのであれば、ここから始めましょう。 「聴く」は「聞く」と異なります。子どもの話にしっかりと耳を傾けること。話はいつも聞いているわ、というお母さん。「今日は何したの?」「誰と遊んだの?」「あれはどうしたの?」と次々に聞き出してはいませんか? 気持ちはとてもよくわかり