シンガポール版マイナンバー「Singpass」で日常の手続きが便利に!使い方や開設方法をご紹介

以前はシンガポールでの就業者、EPやS pass保持者のみSingpassアプリを使用していましたが、銀行開設の際などにSingpassが使われるようになり、DP保持者であってもアプリを持っているとさまざまな手続きがスムーズに進むことが増えてきました。

実際どのような場面で利用できるのか、利用すると便利なのかをご紹介します。

 

Singpassって何?シンガポールの「デジタルID」

Singpassとは、シンガポールで使用される本人確認・個人情報取得を目的としたデジタルIDのことです。日本のマイナンバーカードと同様、身分証明として使えます。2023年2月から物理的なカードの発行は廃止されたため、身分証明をする際にはSingpassアプリが必須となっています。

Singpassのアプリを通じて銀行口座の開設時の本人確認、公的な手続きの申請などがオンラインで実行できます。シンガポールのデジタル関連企業、GovTechによって作成されたSingpassは、毎月4,100万件以上の取引を実行しています。500万人のSingpassユーザーのうち、420万人以上がSingpassアプリを使用しています。

Singpassでできること

Singpassは、政府機関や公共サービスはもちろん、銀行や保険などの民間企業とも連携しており、日常生活のあらゆる場面で活用されています。実際にSingpassを使ってできることをご紹介します。

公共手続き

Singpassを使えば800以上の政府機関や企業が提供する2.700以上のサービスに、安全かつスムーズにアクセスできます。たとえば、納税履歴の確認、年金口座の残高照会、就労ビザ関連の申請・更新、住宅補助金の申請など、在住者が日常的に関わる行政サービスの多くがSingpassひとつで利用できます。

税務申告・還付

Singpassを使えば、IRASのポータルにログインし、所得税やGSTなどの申告・還付手続きをオンラインで行うことができます。

IRASは、関税を除く税の賦課、徴収を行う内国歳入庁(Inland Revenue Authority of Singapore)のことです。個人所得税、法人税、源泉徴収税、GSTの確定申告において外国人、外国法人であっても納税する際にIRASを通してフォームに入力し電子申告する必要があります。

ただし、多くの企業の場合、会社が従業員に変わり一括で個人所得税申告をするサービスを利用しています。


HealthHubでの医療予約・接種履歴確認

シンガポール政府は、国民が自身の健康増進と医療ニーズをより良く管理するための情報とツールを提供することに焦点を当てており、その取組みの1つとして「HealthHub」と呼ばれる健康情報ポータルの利用を推進しています。

HealthHubへのアクセスにはSingpassアカウントが必須です。

ここのプラットフォームでは、自分や自分の子どもの健康情報を確認することが可能。加えて、医療機関の予約、医療費支払い、薬の注文も行えます。医療費の請求もプラットフォーム上で提示され、オンライン上で確認し、支払うこともできます。入院が必要となった場合には、入院情報の管理もこのサービスで行い、必要な手続きを進めることまでできます。

ビザ関連手続きや住所変更

ICA(入国管理局)は、シンガポールへの入国、出国、在留に関する手続きを管理しています。ICAのオンラインサービス(例:SG Arrival Cardの提出、パスポート申請など)を利用する際にも、Singpassアカウントでログインしサービスを受けることができます。

MOM(労働省)においても同様で、Singpassアカウントがあれば、就労ビザ申請や管理などでMOMのサービスを利用する際に必要となります。

銀行・保険など民間サービスでの本人認証

Singpassは政府機関だけでなく、銀行・保険などの民間企業に対しても開放しています。

Singpassと連携する「Myinfo」を活用することで、政府が保有する個人データ(氏名や住所、納税情報など)をユーザー本人の同意のもと、銀行口座開設、保険契約といった民間サービスで必要な情報を簡潔に提供できるようになっています。

DBS銀行は2020年に、インターネットバンクの新規利用申し込みに必要な本人確認手続きにおいて、Singpassの顔認証システムを活用し始めました。

Singpassの開設方法

Singpassは、シンガポールにおけるあらゆる生活手続きをオンラインで行うための共通ログインIDです。政府機関や公共サービスはもちろん、銀行や保険などの民間企業とも連携しており、日常生活のあらゆる場面で活用されています。

実際にSingpassを使ってできることをご紹介します。

登録に必要なもの

まずSingpassが取得できるのは、下記2点に当てはまる方が対象となります。

▪15歳以上の方
▪「シンガポール国民」「シンガポール永住権保持者」「各種ビザ保持者(EP・S Pass・DPなど)」のいずれかに該当する方

登録の際は、パスポート、NRIC/FIN、電話番号が必要になるので準備しておきましょう。

開設方法

Singpassの登録はオンラインで完結できます。スマートフォンまたはパソコンから、以下の手順で進めてください。
▶開設ページはこちら

◆開設手順
1.Singpass公式サイトの登録ページにアクセス
2.「Register for Singpass」を選択
3.NRICまたはFIN番号を入力
4.登録された携帯電話番号に届くSMSワンタイムパスワード(OTP)で本人確認
5.Singpass ID(ログインID)とパスワードを設定
6.セキュリティ設定(2段階認証など)を行い、完了

登録後は、Singpassアプリをダウンロードしておくと、より便利に利用できます(顔認証・指紋認証などにも対応)。

Singpassはこんなシーンで使うのが便利!

Singpassは政府機関の手続きだけでなく、日常生活のさまざまな場面でも活用されています。Singpassがあることで便利になる代表的な活用シーンをご紹介します。

健康データの確認

シンガポールの健康デジタルサービス、HealthHubのウェブサイトでは、自分や自分の家族の健康に関するあらゆるデータをSingpassでログインし健康管理を一元化して管理することができます。

HealthHub公式サイトはこちら

「子どもの予防接種履歴」や「医療機関の予約・検査結果の確認」、「処方箋の記録」なども、SingpassでログインすればHealthHub上から簡単にアクセス・確認できます。

CPF加入や出金手続き

CPFとは、Central Provident Fund、中央拠出年金のことでシンガポールの社会保障貯蓄制度のことです。企業の雇用者側と被雇用者の両方から、毎月一定の割合の金額をCPFB(中央拠出年金庁)へ拠出することにより、国民は老後の資金を貯蓄します。

なおCPF対象者は、シンガポール人、シンガポール永住権保持者となりますが、対象者がCPF加入、管理する際にはSingpassを使用する必要があります


ビザや居住情報の更新・確認

EP就労者である場合、もし島内引越しで住所が変わったり、携帯電話番号や滞在ビザなど、個人情報に変更事項が生じた場合にはMOM(Ministry of Manpower 労働省)への変更通知をする必要があります。

myMOMではSingpassでログインでき、そこから個人情報の確認をすることもできます。
myMOM Portalはこちら

Singpassを利用することで、個人情報に簡単にアクセスし管理できることにより、詐欺被害もいくつか報告されているのも現状問題として挙げられています。ICAやMOMでは、個人に連絡をとり銀行口座情報等を聞き出すといったことはしない、との注意書きがあります。

詐欺かどうか悩ましい場合はヘルプ電話ができる連絡先も公式ページにありますので、チェックしておくといいでしょう。

Singpassと個人番号でシンガポール生活が快適に

就労者のみならず、15歳以上の帯同者も利用することが推奨されるSingpass。アプリをダウンロードして、シンガポールでの生活を円滑にするためにもぜひ利用してみてくださいね。

●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。



最新ニュースやプロモ情報をLINEとInstagram、メルマガでお届けしています!ぜひお友だち追加・フォローしてね!

この記事を書いた人

SingaLife編集部

シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!

  • 帰国生のミカタ
  • SingalifeBiz