シンガポールの新型コロナ対策の前線で働くアンバサダー、その人となりは?
アンバサダーに対して、私たちが抱くイメージは「新型コロナ対策について厳しく注意する人」といった少し気難しいもの。しかし実際は、彼らも新型コロナの影響で生活を脅かされている、私たちと同じ船に乗った仲間なのです。
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アンバサダーの一人であるエイドリアン・ゴー氏(42歳)の本職は、ブギスエリアにあるホテル・グランドパシフィックのセールス及びマーケティングのアシスタントディレクターです。しかし、新型コロナの影響でホテルの稼働が減ったため、ゴー氏を含む約10名がアンバサダーとして出向となりました。
ゴー氏は2020年10月からアンバサダーとして活動し、シンガポール東部のパヤレバやゲイランの住宅地やホーカーセンターを巡回しています。それまでのオフィス生活とは180度異なり、今では午前7時〜午後3時もしくは午後12時30分〜9時まで、長時間炎天下を歩き回る生活です。
「ホテル側はスタッフを解雇する代わりにこの方法を取ってくれました。以前と比べて収入は10〜20%ほど減ったものの、最大限私たちの生活を守ろうとしてくれたと思います。」と、ゴー氏は語ります。
彼らの役割は、日常生活に戻るための”アドバイス”
2020年1月にシンガポールで初めて新型コロナウイルスの感染者が確認されてから1年以上が経ったいま、他人と距離を1メートル以上確保する、外出時のマスク着用といった各種規制は「新しい日常」として定着。アンバサダーの仕事も基本的には人々の理解を得られているものの、注意した人と衝突が起こるケースもまだまだあるとゴー氏は語ります。
例えば、ホーカーセンターの屋台のオーナーにマスクをつけるように注意すると、テーブルを叩きながら睨みつけられたり、手元に飲み物がないのにもかかわらず「コーヒーを飲んでいるからマスクはできない」と強く言い返されたりなどの事例があったそう。
こうした出来事に対し、ゴー氏は次のように語ります。「人々は私たちアンバサダーが政府のために働いて、罰金を科していると誤解しています。ホーカーセンターのオーナーたちが新型コロナで苦しい生活を強いられていることは十分理解していますが、私たちも同じように苦労をしています。
私たちも同じ船の仲間です。誰もがルールに従えば新型コロナは収束し、日常生活が戻って私もホテルの仕事に戻ることができます。」
依然として、新型コロナ対策のためのさまざまな規制が続くシンガポール。しかし、規制を強いる立場の人も含めみんながウイルスの収束を強く願う仲間同士である―そうした意識を今一度思い出し、気を引き締めて生活したいものです。
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この記事を書いた人
SingaLife編集部
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