マレーシアから輸送中のニワトリ数千羽死ぬ、高温+コロナで輸送時間長く

輸送中に死ぬ

マレーシアのジョホール・バルとシンガポールを移動する際に通る検問所の1つ「トゥアス・チェックポイント」で、マレーシア側からシンガポール側に運ばれていたニワトリ数千羽が死にました。輸入した業者は、ニワトリが死んだのは貨物内が高温になり、検問所の通過に長時間掛かったためとしています。1月27日、28日にかけてのことでした。

輸入業者のオー・ウェイ・チアさんは、1日にトラック4、5台分のニワトリをジョホール側からシンガポールに運んでいます。トラック1台あたり200~300羽のニワトリが死んでいるとみられ、これは運ぶニワトリの6~10%程度に相当します。

オーさんは「輸送中、ニワトリは長い時間狭いスペースに閉じ込められる。検問所に着くだけで2〜3時間掛かり、そこからさらに検問所の混雑で12時間程度掛かる。積み込む前にエサはやらないし、輸送中にエサを食べたり水を飲んだりはできない」と説明します。

別会社で輸入業を営むジョンソン・トーさんも「1月27、28日にいつもより9〜11時間近く到着が遅れ、約2000羽のニワトリが死んでしまった」と証言しました。

しかし、この状況は1月29日から緩和しているようです。シンガポールの家きん業界団体のオン・キアン・サン氏は「掛かる時間は確かにかなり短くなったが、本当に改善されたか来週の様子もみなければならない」と話します。

前出のオーさんは、死ぬニワトリを減らすために輸送のスケジュールを調整しました。「朝にマレーシアを出発するのではなく、夜中に出発して検問の列に並ぶようにした。温度が上がりにくくニワトリは過ごしやすくなる」としています。

コロナ影響

シンガポール入国管理局や通商産業省などは29日、共同声明を出しました。声明は「検問所の混雑・長時間化はいくつかの要因が重なったため起きている」としており、以下を原因として挙げています。

1、一時減った貨物量が新型コロナウイルス感染拡大前のレベルまで戻りつつある
2、マレーシアのジョホール州政府の窓口が午後7時から翌朝7時まで閉まっている
3、貨物が1日のうち特定の時間に集中した

政府は、混雑の理由として27日に新型コロナウイルスの検査があることも指摘しています。1月22日以降、シンガポールに入国する貨物輸送車のドライバーは抗原検査を受けることになりました。新型コロナ感染と分かれば入国は許されません。通関手続きに加え、検査結果の証明作成のためにも時間が余計に掛かっています。

改善求める

マレーシアの英字新聞「ザ・スター」によると、マレーシアのトラック輸送業界団体の関係者からはマレーシア、シンガポールの両政府に対し検問の窓口の稼働時間を拡大するよう求める声が上がっています。

窓口の稼働時間の短縮は、新型コロナウイルスが拡大しつつあった昨年4月に始まりました。マレーシア政府は人の移動を規制する対策をとり、シンガポールでは外出制限策「サーキット・ブレーカー」もあり、交通量が激減していたためです。

シンガポールと、ジョホール・バルなどマレーシア間の車の移動で長時間の渋滞に巻き込まれてうんざりした気持ちになったことがある人もいるのではないでしょうか。トラックで運ばれるニワトリたちにとっても耐えがたい時間のようです。


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この記事を書いた人

SingaLife編集部

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