同性婚の権利めぐるローマ教皇の発言受け シンガポール大司教区が従来の立場強調

「イタリア・ローマで開催された国際映画祭で10月21日、初公開されたドキュメンタリー映画の中で、ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇が、同性カップルに結婚に準じた権利を認めるパートナーシップ制度“シビル・ユニオン”を容認する発言を行った」と複数のメディアが伝えた問題をめぐり、ローマ・カトリック教会シンガポール大司教区は同22日、「結婚に対するカトリック教会の立場は変わらない」とする声明を発表しました

報道によると、教皇は、2019年5月に行われた映画の収録で「同性愛者は家族となる権利を有する」と主張。同性愛者を法的に保護する法律を制定する必要性を訴えました。これを受け、リベラル派から称賛の声が上がった一方、保守層からは早急に確認を求める抗議が相次ぎました。

報道に関して、シンガポール大司教区は、「ドキュメンタリーに記録されたフランシスコ教皇のコメントは、ローマ・カトリック教会の公式の教えとして認識・承認されたものではない」としたうえで、「結婚に関するカトリック教会の見解は、洗礼を受けた男女が生涯、合法的な結婚において結ばれる秘跡(カトリック教会内の一連の宗教的儀式)として定義されている」と説明。

「社会で合法的な事柄でも、カトリック教会の教えにおいて、その道徳性・正当性が認められるとは必ずしも限らない」との見解を示し、「国家が“シビル・ユニオン”を承認するか否かにかかわらず、結婚をめぐるカトリック教会の一貫した教義は変わることはない」とする立場を強調しました。

さらに、シンガポール大司教区は、「インタビューにおける教皇の実際の発言内容およびその文脈について、現時点では把握していない」とするとともに、「教皇庁から公式の声明や通知は届いていない」と言明しています。

LGBT(性的少数者)の権利擁護を求める世界的な潮流の高まりに伴い、同性愛者の権利をめぐるカトリック教会の対応に今後、注目が集まりそうです。

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SingaLife編集部

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