「万田酵素」をシンガポールに浸透させたい。マーケティング業界からの挑戦 

シンガポールで高い注目を集めているのが美容と健康食品。中でも「発酵食品」への需要は高く、日本を代表する発酵食品と言っても差し支えない「万田酵素」をシンガポールで広めようとしているBusiness Engine Asia社マネージングダイレクターの小桑謙一さんに話を聞いた。

日本でおなじみの「万田酵素」を手掛けていますが、来星前から海外向けの流通業務をされていたのですか?

元々は広告会社の大広に勤務し、その後、コンサル、移動屋台のバリスタを経て、現在の株式会社YRK andに転職しました、Business Engine AsiaはYRK andの子会社で初の海外拠点としてシンガポールに設立されました。日本本社はBtoCマーケティングに強く、消費財メーカーのブランディングなども手伝うコンサル会社です。クライアントは大手企業が多く、幅広い企業の商品のプロモーションを行っています。

それがなぜシンガポールへ?

2014年に、お世話になっていたクライアント某メーカーの方(仮にA氏)がシンガポールに赴任され、挨拶に伺った時に、東南アジアの事情をダイレクトに聴き、消費市場自体がまだまだ拡大していて、チャレンジできそうなのが魅力だと思いました。A氏からも「早くこっちに来い!」と言われ、影響を受けましたね。

2015年にはそれまで関わってたクライアントやパートナーの方を訪ねて、マレーシアやインドネシア・ベトナムなど各地にヒアリングに行き、事業の可能性を探るレポートをまとめました。それを活かして、2015年に会社に海外事業部を作ってもらいました

2016年にはインドネシアで、食品を扱うメーカーからお話を頂き、ジャカルタでの試食サンプリングやオンラインキャンペーン、インフルエンサーを使うなどの販促活動を行いました。

シンガポールには2017年7月7日に登記をして、ここをハブにしてインドネシアでの事業も継続していました。

なぜ、「万田酵素」を販売することになったのですか?

今までの仕事は、マーケティングのご支援がメインでした。でも、競争の激しいアジアの世界を目の当たりにし、今後業界で生き残っていくにはそれだけでは弱い。そこでもっと多く日本と東南アジアの絆を作ることをやらなくていけないと思うようになりました。そのためには、これまでの経験で求められていると感じたこと-コストがかかるマーケティング支援だけではなく、きちんと市場に浸透させて「売上を作っていく」ことをしなければならないと思ったんです。

つまり、自分たちで「商品を売れる場」を作って、そこにこれまでのマーケティングの知見を活かして自分たちで「売っていくことを事業とする」ということです。そこで、自社の機能に商社や流通機能も持ち合わせた事業にしようと考えました。 

そんな中、日本本社の社長と万田発酵株式会社のアメリカ代表が近しい間柄で、2020年7月に、海外事業の担当部長を紹介いただき、即決で輸入販売の代理店事業をやらせていただくことになりました

では、シンガポールで「万田酵素」を販売する上でやりやすい点は?

シンガポールでは自分一人なので、スピーディに動けるのが魅力ですね。営業、企画、制作、マネジメントなどマルチスキルになったからできたことだと思っています。「万田酵素」のオンラインショップもShopifyを使って約1か月強で完成させました。

東南アジアでは、細かなことは気にせず、「まずは作って売ってみる」といったスピード感があるのがいいですね

逆に難しい点は?

おかげさまでシンガポール在住の日本人には売れています。でも、シンガポール人は「万田酵素」のことを知らないので、買ってもらうのが難しいですね。食べたら効果は分かってもらえるんですが、問題は“いかに知ってもらい、効果があると分かってもらう”か。「万田酵素」は、食べてすぐ効果が分かるようなものでもない。最低一週間位飲み続けて段々実感してくる類のものなんですよね。

なるほど。商品自体の魅力は何でしょうか?

50種類以上の穀物、根菜、フルーツ、海藻類を種や皮も含めて3年3か月以上発酵させていて、製造過程での発酵技術が優れているのが特徴です。同じ発酵食品である納豆やキムチと同様に、腸内を綺麗にする効果があります。お腹の菌に働きかけるので、まず実感できるのは、便通が良くなりますね。

また、お客様のレビューでは疲れもたまりにくく取れやすいなどの効果もあると聞いています。授乳中のママさんから深夜授乳の翌日の疲れが軽減されている、という話も伺いました。もともと「万田酵素」は妊娠中の方でも安心して食べられるものを、という願いから作られたものなので、この話はとてもうれしかったですね。
変わったところでは、なんと二日酔いしにくい、という話をよく聞きます

シンガポールではどういう客層がターゲットですか?

日本では主に高齢者の方を中心に売れていますが、高齢者の方だけでなく、シンガポールでは子どもをはじめ、若い方に知っていただきたいですね。
現在はローカルのインフルエンサーなどにサンプルを渡して、SNSなどを駆使して宣伝してもらい、知名度は上がりつつあります。そういった効果もあって、ローカルの購入者も増えてきています。

お話していて、フットワークが軽いというか、とてもポジティブな印象を受けるのですが、ビジネスをする上での信条はありますか?

あまり意識してやっているわけではないですが、先の計画を綿密に立てるよりも、今自分が漠然と抱いている「将来はこういうことをやっていきたい」という想いを持つことを大切にしています。その上で、目の前にあることを全力でやること!です。

ここに至るまで助言や支援をいただいた方々、特に私の想いを実現してくれている日本本社やパートナーの皆さん、理解してくれている家族には感謝の言葉しかないですね。

目の前のことを確実にこなして、次に向かうエネルギーが凄いですね

現在のビジネスも、以前日本で何度か転職を経験したときも、こういうことをやってみたいなと漠然と思っていると、自然とそっちへ向かっていくんです。でも、その代わり、目の前の仕事をとにかくがむしゃらにやっていますよ。それが出来るのは自分の仕事が大好きだからなんですよね。もちろん辛かった経験もありますが、学んだことが全て今に生きていると感じます。今もやっていてとても楽しいです。今後は、「万田酵素」を東南アジア全域に拡販していけるよう、全力でやっていきたいと思います

万田酵素シンガポール オンラインショップ:
https://manda-koso-sg.com/

小桑謙一さん
1971年大阪生まれ(49歳)。京都大学農学部卒業後、1994年株式会社大広入社。2001年退社。1年間のバリスタ経験などを経て2004年に株式会社YRKand(当時社名:ヤラカス舘)に入社、再びBtoCマーケティングの道へ。
2014年以降海外に関わるようになり、2017年にBUSINESS ENGINE ASIA PTE.LTD.(シンガポール子会社)設立に伴ってManagingDirectorとしてシンガポールへ赴任。BtoCマーケティングや訪日観光インバウンド事業に携わる。シンガポール和僑会会員。


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この記事を書いた人

SingaLife編集部

シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!

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