理系卒シンガポール人女性の関連職種への就業率 男性と比べ低水準

シンガポールの理系学部卒業生・大学院修了生のうち、卒業後、関連職種に就いている女性の割合が、男性と比べて低いことが、南洋理工大学(NTU)が行った調査結果で、明らかになりました。

調査は、STEM(科学、技術、工学、数学)分野の職種における男女格差の把握を目的として、シンガポール人の男女738人を対象に実施。
調査対象者中、現在、理系職種に就いている人は、男性が70%に上ったのに対し、女性は58%にとどまりました。

さらに、一定割合の女性が「現在している研究や仕事が、STEMとの関連をあまり感じない」と答えており、こうした女性はSTEM関連職を離職する傾向が高いことも判明しました。

調査を率いたNTUのシーリン・リム准教授(化学・医用生体工学)は「STEM関連職種の女性が離職する理由をより詳しく把握するには、さらなる研究が必要だ」と述べています。

また、シンガポールのハリマ・ヤコブ大統領(女性)は、今回の調査結果が発表されたシンポジウム“工学・科学・技術分野における女性(Women in Engineering, Science & Technology)”(3月5日、NTUノビーナ・キャンパス)で、「新型コロナウイルスのパンデミックからの復興に際し、女性による工学・科学・技術の将来の方向づけが特に大切になる」と主張。

その一例として、車のエアバッグが世の中に出始めたときに、主に男性エンジニアが設計していたため、女性や子どもがエアバッグによって死傷する事故が頻発した事例に言及しました。

社会経済的状況や性別の違いに左右される変動要素を考慮するには、研究チーム内の男女のバランスを確保する重要性を強調しました。
科学技術の進歩と社会の発展に向け、理系女子への期待が、今後ますます高まることになりそうです。


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SingaLife編集部

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