民族をめぐる好み、シンガポールの3歳児の間にすでに確認。南洋理工大調査

シンガポールの未就学児の間に、3歳までに民族に関する好みが生じていることが、調査で明らかになりました。調査は、南洋理工大学(NTU)のセトー・ペイペイ准教授の研究チームが、幼児教育・保育施設10ヵ所超の3~6歳の園児158人(中華系87人、インド系71人)を対象に実施したものです。

「提示された人の顔を、外見に応じて中華系とインド系にわける」、「音楽の先生、医者、水泳の先生になって欲しい人を中華系、インド系の大人から選ぶ」といった課題が、園児らに与えられました。

人の顔を中華系とインド系にわける課題では、中華系の子どももインド系の子どもも、ほとんどが、正確に民族を区別できました。

一方、もう1つの課題では、インド系の子どもの間には、民族に関し、明白な好みは認められなかったものの、中華系の子どもは、半数以上が、中華系の大人を選びました。

中華系の子どもが自分と同じ民族を好む傾向について、セトー准教授は、「中華系がシンガポールで多数派の民族だからだろう」と分析。

「多数派の中華系の子どもたちは、自分と同じ民族の人々と接する機会がより多く、親しみを感じる人を選んでいる」と述べるとともに、「今回の研究結果は、『未就学児は同性や同一民族の子どもを好み、外国のアクセントを持つ子どもよりも、自分の母語のネイティブスピーカーの子どもと仲良くなる』とする世界各国の研究結果と一致している」と指摘しています。

さらに、セトー准教授は、「子どもが民族をめぐる偏見を持つか否かは、親や先生が模範的なロールモデルであるかどうかにもかかっている」と述べ、大人の言動が子どもの先入観に影響を及ぼす可能性に言及しました。

多様な民族が暮らすシンガポール社会。子どもの異民族に対する意識は、周囲の環境に大きく左右されているのかもしれません。



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SingaLife編集部