シンガポールの飲み物「コピ」とは?どんな味?飲み方は?伝統のおいしさをご紹介!

シンガポールには南洋咖啡(コピ)と呼ばれる独特のコーヒー文化があり、老若男女問わず多くの人に親しまれています。近年では、お店ごとに独自にブレンドされたオリジナルのコーヒー豆を使用するお店もあり、昔ながらの製法を守りながら現代のアレンジを加えて、個性を活かしたコピを提供しています。




シンガポールのコピとは?

2000年以降、シンガポールでは欧米からのカフェ文化やおしゃれなベーカリーカフェなどが増えてきて、カフェ巡りも一般的になってきました。一方で、シンガポールで根強い人気があるのが昔ながらの伝統的な「コピ」です。

シンガポールをはじめとする東南アジアで飲まれているコピ。その始まりは19世紀で、マレー半島やインドネシア、中国などの近隣諸国との交易によって広まったと言われています。では、コピにはどのような特徴や飲み方があるのでしょうか?


コピはシンガポールのローカルコーヒー

シンガポールの人々が愛してやまないコピは、その飲み方に特徴があります。シンガポールで最も一般的な飲み方は、ブラックコーヒーにコンデンスミルクを加える飲み方。苦みが強いコピに、コンデンスミルクの濃厚な甘さがよく合います。

コピは、地元のコーヒーショップやホーカーで飲むことができます。また、コピ専門店が入っているショッピングモールなどもあります。よりローカル感を味わいたい方には、チャイナタウンがおすすめ。朝食やおやつにぴったりの「カヤトースト」と一緒に楽しむのが定番です


コピの豆の種類

コーヒー豆には大きく分けてアラビカ種とロブスタ種があります。日本人が一般的によく飲んでいるコーヒーにはアラビカ種が使用されており、コピにはロブスタ種が使われています

ロブスタ種の特徴は、コーヒーらしい苦みや渋みと力強い味わいです。アラビカ種に比べてカフェインの含有量が2倍。豆の糖度も低いので強い苦みを感じます

苦みや渋みに注目されがちですが、酸味が控えめで香ばしい味わいは甘いものとの相性が抜群です。また、デリケートなアラビカ種と異なり病気や害虫に強く、気候や気温に左右されにくいのもロブスタ種の特徴。栽培しやすいので収穫量が多く、価格が安いのも魅力です。ホーカーなどで販売されているコピは1杯あたり、S$1.5~S$2ほどで購入できます。


コピの淹れ方

淹れ方にも特徴があるコピ。一般的なコーヒーのようなドリップ式やエスプレッソ式ではなく、大きなケトルとソックと呼ばれる網を使います。コーヒーパウダーにお湯を加えて混ぜ、数分置いた後にコットンのフィルターで漉します。そのスタイルも独特で、ケトルを高い位置に持ちコーヒーを勢いよく注ぎます。

また、コーヒー豆を砂糖やマーガリン(バター)と一緒に焙煎してから使う場合もあります。このひと手間によって、地元のシンガポール人が好む香ばしい苦みとクリーミーな口当たりが生まれるそうです。ホーカーやフードコートなどでコピを購入すると、ビニール袋に入っている場合もあります。この気取らない感覚も、コピの特徴と言えます。


コピの種類

コピには飲み方に合わせた名称が付けられていて、各名称にはマレー語や中国語が使われています。ここからは、それぞれの名称と特徴をご紹介します。慣れてきたら、自分好みの組み合わせでカスタマイズするのもおすすめです。

Kopi

語尾に何も付かない「Kopi (コピ)」は、ブラックコーヒーにコンデンスミルクを加えた定番のコピ。名前はシンプルですが、コンデンスミルクの濃厚な甘さが際立ちます。底にたまりやすいコンデンスミルクを、スプーンでかき混ぜながら飲みます。

Kopi C

語尾にCが付く「Kopi C(コピ シ)」は、ブラックコーヒーにエバミルク(無糖練乳)と砂糖を加えたもの。「C(シ)」とはエバミルクのことで、中国海南省の言葉でフレッシュを意味します。

Kopi O

語尾にOが付く「Kopi O(コピ オ)」は、ブラックコーヒーに砂糖のみを加えたものです。「O(オ)」とは、中国福建省の言葉でブラックを意味しています。

Kopi C kosong

「Kopi C Kosong(コピ シ コソン)」は、ブラックコーヒーにエバミルクのみを加えたもので無糖のコーヒーです。「Kosong(コソン)」はマレー語で、nothing(何も無い)を意味します。

Kopi O kosong

「Kopi O Kosong(コピ オ コソン)」は、何も加えないブラックコーヒーです。渋みが強いので好き嫌いが分かれるブラックですが、シンプルにコーヒーの味わいを楽しみたい方はこちらを覚えておくといいですね。

Kopi Peng

常夏のシンガポールで飲むならアイスコーヒー「Kopi Peng(コピ ペン)」もおすすめ。「 Peng(ペン)」は中国福建省の言葉で、氷入りを意味します。

Kopi O Siew Dai

「Kopi O Siew Dai(コピ オ シュウ タイ)」は、微糖のブラックコーヒー。「Siew Dai(シュウ タイ)」は中国福建省の言葉で、甘さ控えめという意味です。

Kopi Ga Dai

「Kopi Ga Dai(コピ ガ タイ)」は、砂糖多めのブラックコーヒー。「Ga Dai(ガ タイ)」は中国福建省の言葉で、甘さ強めを意味します。

Kopi Gao/Kopi Poh

コーヒーの濃さも選べます。「Kopi Gao(コピ ガオ)」は濃いめのコーヒー、「Kopi Poh(コピ ポ)」は薄めのコーヒーです。「Gao(ガオ)」と「Poh(ポ)」はそれぞれ中国福建省の言葉で、濃いめと薄めを意味しています。


バラマキ土産にもおすすめのコピ

シンガポールらしいお土産にぴったりのコピ。スーパーでは、パウダーやコーヒーバッグなどの市販のコピを手頃な価格で購入することができます

特に地元の人に人気があるChekHupの「3 in 1 Ipoh White Coffee Original」は、コンデンスミルクと砂糖入りの定番のコピを再現。本場のコピをインスタントで楽しめます。ホットはもちろん、氷を加えてアイスで楽しむこともできます。

1杯ずつの小袋になっているものが多く、バラマキ土産にもおすすめ。スーパーの商品は、リーズナブルなものが多いのも魅力です。


組み合わせ自由自在!オリジナルのコピを楽しもう

独特の甘さと風味、そしてお手頃な価格から、シンガポールの人々に愛され続けているコピ。シンガポールではコーヒーの味をそのまま楽しむという習慣がなく、そのためコンデンスミルクや砂糖で「味付け」された濃厚なコピが好まれているそうです。

オーダーもミルクの有無、濃さ、甘さ、温度で自由に組み合わせてオリジナルのコピを楽しみます。ぜひ、いろいろな飲み方を試して、自分にぴったりのコピを見つけてみてください。

記事内容は執筆時点の情報に基づきます。






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この記事を書いた人

SingaLife知りつくし隊

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