パスポート不要でシンガポールへの入出国審査が可能に?2024年からの変更点を詳しく解説!

「スマートネイション」を掲げ、画期的で効率的なシステムを構築しているシンガポール。2024年からは入出国時にパスポート不要を可能に。訪問客に「手間なし、訪問なし、待ち時間なし」の体験を提供することを実現。その内容を詳しく見ていきましょう!


2024年からパスポートなし入出国審査が可能に!その経緯や理由は?

2023年に20周年を迎えたシンガポール入国管理局(ICA=Immigration and Checkpoints Authority Singapore)。  出入国管理、貨物通関、国境警備を行うと共に、シンガポール国民へのパスポートや身分証明書(IC)の発行、外国人への出入国パスや許可証の発行などを行っています。

過去20年間、年々旅行者や貨物の量が増加する中、スムーズな移動と同時に国の安全の確保を両立させてきた功績は計り知れません。今後も増えるであろう旅行者や貨物、そしてテロやパンデミックの脅威、加えてシンガポールの高齢化社会という問題を考えると、国境整備の人員確保の限界は容易に予測できます。

そうしたシンガポール国内と世界の流れに合わせて、IT技術の力も取り入れ、限られた人的資源でスピーディーかつセキュリティ万全の通関処理能力を可能とするのが2024年より施行予定の「パスポート不要入出国審査」です。入出国審査が緩くなる措置ではないことは念頭に置いておきましょう!


本人確認はどうやって行う?

旅行者の身元認証を信頼性の高いものにするため、指紋ではなく顔と虹彩(眼球の色がついている部分)の生体情報を登録します。入国審査の自動化レーンで自動的に登録され、登録情報は入国審査後に電子メールで送信される電子入国パス(ePass)に記載されます。

既に2022年5月以降、チャンギ空港では51カ国のパスポート保持者、APECビジネストラベルカード 保持者に対して自動化レーンを利用可能としており、現在までに400万人以上の外国人旅行者が登録しています。

また、各航空会社からの事前に提供される情報に基づき、保安上、出入国上のリスクの可能性がある旅行者は出入国新車中にICA職員が必要に応じて審査を行い、安全管理を万全にします。

陸路においては2024年よりパスポートスキャンの代わりにQRコードスキャンが導入される予定です。旅行者はMyICAモバイルアプリでプロフィールを作成し、本人確認のための生体情報を含んだQRコードを生成し、パスポートを提示することなく入国審査を行うことができるようになります。


パスポート不要入国審査のメリット

 

旅行者の負担軽減

今後も増加が見込まれる、シンガポールへの旅行者が入国審査時に長い列を並ぶことなくスムーズに入国審査を行うことができ、入国時の負担が軽減されます。

陸路の渋滞緩和

陸路においては入国審査を自動化することにより、渋滞緩和が見込まれます。

人的ミスのリスク軽減

これまで入国管理局の職員が行ってきた作業をIT化することにより人的ミスのリスクを下げることが可能となります。


リスクへの対応策は?

入国審査の自動化によるリスクへの対応についてもシンガポール政府はぬかりなく行っています。

人工知能の利用

潜在的な脅威をより的確に検知し、シンガポールへの入国を阻止するため、貨物、小包、手荷物のスキャン画像の異常を追跡する人工知能の利用を試験的に導入しています。

ICA職員の教育

ICA職員の仕事も入国審査カウンターでの仕事だけではなく、プロファイリングや調査など、より高度な知識を身につけることができるよう教育しています。


シンガポール入国時はパスポート不要に

コロナ禍も終わり、これまで以上にシンガポールを訪れる人は多くなると予想されています。その中で入国審査がパスポート不要、自動ゲート化とストレスなく効率的に行われるのは嬉しい情報です。しかし、決して審査自体が緩和されたわけではないので常に最新の情報をチェックして渡航しましょう。

●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。



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この記事を書いた人

SingaLife知りつくし隊

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