法律が中小企業を守り、 成功へと導くVanilla Law

法律業界初のソフトウェアを開発導入し、効率よく且つクライアントのコストを抑えることを可能にした、中小企業*(SMEs)ビジネスサポートのエキスパートである、Vanilla Lawのマネージングディレクターのマーク∙ゴーさん弁護士の坂巻智香さんに話を聞いた。


Vanilla Lawの革新的な取り組み、法律業界初のソフトウェア導入、法律業界の未来、そこにAI導入が鍵を握っている。


■過去から現在に至るまでの法律業界の動きを教えてください。

マーク:弁護士になった1994年頃に貿易のグローバリゼーションが新しい動きとしてありました。

それまでは、各国が独自の形態で貿易をしていたので統一されてはいませんでした。弁護士もまた国を超えて仕事をすることはできなかった時代です。

1996年頃にアメリカの大企業がグローバリゼーションの勢いに乗ったのを皮切りに、諸外国もWTO (World Trade Organization)に加盟し、二国間貿易協定を次々と締結していき大企業は税金をうまく操作し、その結果、大企業は本社を税金が少ない国へ移動。

会社法∙商法 (Corporate & Commerciallaw)を専門とする弁護士もそれについて移動。この動きによって弁護士の国際化も同時に進み現在に至ります。

■Vanilla Law法律事務所では、中小企業(SMEs)を顧客とされていますが、その経緯は?

マーク:ビジネスのグローバリゼーションの中で、勝者と敗者が出てきました。勝者は大企業。敗者は、中小企業です。

大企業は弁護士にかける資金があるが、小さな会社にはない。この大企業と中小企業のギャップが大きく、そのギャップを埋めるところにビジネスの可能性があると感じ、15年ほど前から中小企業(SMEs)のエキスパートの法律事務所となりました。

■中小企業のビジネスの問題点は?

マーク:例えば、海外からの競争相手が入ってきた時に協定でビジネスが守られておらず、経営が立ち行かなくなるケースがよくあります。

どう対抗していくか?安くすればよいというものではなく、最善の方法で対抗できる事を知ってもらわないといけないのです。それがマーケティングの方法であったり、利益の確保の仕方、資金の使い方、仮に同会社が知的財産権を持っていたとした場合、ライセンス契約でその権利を守ることなどです。

これらを知らない経営者、もしくは社内の人手が足りずにこれら全てを事実上回せていない経営者の方々が実は多いのです。

まずはクライアントに、これらを含めた5つのビジネスストラテジーを理解してもらえるように説明していきます。

そして、弁護士を使う時は何か問題がある時だけではないと言う事、法律がどのようにマーケット拡大の手助けになるかと言う事も知ってもらいたいのです。

社内の法律の整備が整い、ファイナンスがしっかりしている、こういった枠組みが確立できていれば、会社のリスクが軽減でき、利益を増やすことが出来ます。

■Vanilla Lawが開発した法律業界初の画期的なソフトウェアーについて教えてください。

マーク:通常クライアントの依頼があってから書類を一から作成しますが、当社のソフトウェアは、クライアント自身が必要な各種契約書(雇用契約書、株主間契約書など)を選んで自社のビジネスモデルに即した形での契約書をソフトウェア上で作成し、ダウンロードができます。

弁護士はそれを確認、修正するという仕組みになります。お互いに時間を効率的に使うことが出来、クライアントの費用も半分になります。

■どのようにこのツールを活用してもらいたいですか?

坂巻:例えば、スタートアップのビジネスをされる方達の予算は限られていて、きちんとドラフトされた雇用契約書があるのかないのかという状態、または必要最小限な事のみ記載されている契約書などを使ってスタートされている方も多いです。

これでは後々に問題が勃発する可能性が大きいので、完全な形態の契約書を整える事が必要になります。

そこで、このソフトウェアを使って頂くと必要な書類を全てほぼ完璧な状態でまずは自社で作成することが可能になります。弊所はそれをレビューするのみという役割分担ができますので、とても有用なツールなのでどんどん使っていただきたいです。

■今までにあった事例を一つ教えてください。

坂巻:あるクライアントの件ですが、彼のビジネスを理解していく上で、当初クライアントが必要だと思っていた契約書とは少し違う形態の書類が適していたという事例がありました。

この様にクライアントのビジネスのヒアリングを十分に行った上で、どの形態の契約書を提供するかという見極めが重要になります。また、その先にどういう問題の可能性があるかという所まで見越して私たちは対処しています。

■Vanilla Lawのその他の特徴は?

マーク:今後起業したいと考えているクライアントの為に、ビジネスのノウハウを教えることに注力しています。ウェブサイトにはビジネスに関連する法律について知っておくべき事を具体的に、そしてビジネスの動向についての情報も沢山ブログ、ビデオで随時更新しています。

坂巻:法律的なアドバイスはジグソーパズルのピースの一つと捉えていて、法律以外でビジネスのアドバイスが必要な場合は、社内のビジネスチームからのサポートも受けられる仕組みになっています。また、ビジネスの法務だけでなく、民事、刑事などの案件も幅広く扱っています

■テクノロジー導入について同業者の反応は?

マーク:シンガポール政府が2017年に将来の経済を討議する委員会を設立し、その中の法律部門で当社のソフトウェアシステムについて触れています。

このソフトウェアは、10年時代を先取りしています。2年前にソフトウェアを開発したばかりでとても新しく、弁護士業界ではまだ認知してもらえていなのが現状なので、徐々に理解協力してもらえるように働きかけています。業界のテクノロジー化を進めるには、仲間の協力が不可欠ですから。

■AIを使った法律業界の新しいビジネスモデル。10年後の展望は?

マーク:5年後10年後にはかなり需要が増えていて、若い弁護士たちがツールを使いこなし、このビジネスモデルは大きくなり確立されていると思います。そして、何と言っても若い世代のユーザーが鍵ですね。

知識をインターネットから得て、世界と繋がっていて、国際的な考え方をしている世代。起業したいと考えているこの世代のユーザー側から、積極的に私たちのサービスを使いたいと言ってくる時代が来ると思っています。

■読者にメッセージをお願いします。

坂巻:中小企業と大企業のギャップをどのように埋めてビジネスを成長させていくのか、その一環として私どものサービスを使っていただきたいと思います。

在星日本人の中小企業の経営者の方々、これからビジネスを始める方々の心強い存在としてサービスを提供していきたいと思っていますので、お気軽にご相談ください。


【プロフィール】

坂巻 智香 Sakamaki Tomoka
Foreign Lawyer
京都大学薬学部卒業後、2006年弁護士資格取得。2012年に来星後、シンガポールにて法務省委託調査業務を行う中で、在星SME、邦人個人への法律サービスが十分でないことに問題意識を感じ、2016年よりローカルのブティックファームで弁護士業務を開始し、現在に至る。

Mark Goh Aik Leng マーク∙ゴー∙アイク∙レン
Managing Director
1992年英国バッキンガム大学にて学士(法学)習得。以後25年以上にわたり、シンガポールにて法廷弁護士、事務弁護士として活躍。2011年より中小企業(SMEs)へのサービスを専門に扱う法律事務所としての立場を確立し数々の中小企業をアシスト。また、時代を先取りする感覚に優れ、2017年にいち早く業界初のソフトウェアを開発導入。法律業界のテクノロジー化を目指す先駆者である。

Vanilla Law
Tel: 9172-3184(日本法弁護士 坂巻智香)
6222-2535
E-mail: Tomoka@lawfirm.com.sg
Address: 20 Collyer Quay #23-01 S049319
Web: http://www.vanillalaw.com.sg

この記事を書いた人

SingaLife編集部

シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!

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