在星者・子育てインタビュー「子どもの中学受験を決めた理由〜シンガポール在住Aさんのケース〜」

中学受験をするか?しないか?

筆者の家には小学生の息子が2人いますが、学年が上がるにつれて段々気になってくるのが勉強に関する諸々のこと。周りの子は何に力を入れて勉強しているか、宿題以外の家庭学習や学習系の習い事はしているかなどなど、年齢を追うごとに気になるようになってきました。

そんな中で自然と話題として増えてくるのが中学受験について。中学受験をするか?しないか?という話題は、日本にいずれ帰国する子どもを持つ親なら一度は会話に出たことがあるかと思います。

筆者の周りでも子どもの年齢的に受験の話題が自然と増えてきたように思います。周りでは最近になって中学受験を決意した人、かなり小さいうちから決めているといった人や悩んでいるけど今のところしない方向で考えている人など様々。

そこで、今回は筆者の友人で、子どもを中学受験させると決めたという方にインタビューを決行!受験を決めた理由や、きっかけになったエピソードなど詳しくお話を伺ってみました。

case1シンガポール郊外に住む40代Aさん(日本人小学校に通う女子のお母様)

受験を決めたきっかけは?

以前、娘が日本で通っていた私立幼稚園で知り合ったママ友との会話がきっかけです。その幼稚園に入るまでは、娘は別の保育園に通っていましたが、転居したことを機に私立幼稚園に通うことになりました。保育園から幼稚園に変わると、ママ友は働いている人ばかりだったのが、働いていないママ友が増え、環境が少し変わったなと感じました。

その幼稚園では私立小学校への受験は少数派でしたが、私立中学受験は多くの親が検討していました。また、保護者自身が中高一貫校出身者であるケースも多く、ママ達自身が通っていた時の話も色々聞かせてもらいました。それで漠然と「中学受験をさせるのもいいのかもな」とその時思ったのが最初のきっかけだったと思います。

具体的にどんな話を聞いたのですか?

例えば部活を6年間通して思いっきり満足するところまでやり抜いたとかですね。高校受験のための勉強に時間を割く必要がないので、時間を有効に使えるといった話は中高一貫校のメリットとして一般的によく言われる話ではありますよね。でもそのこと以上に、部活や趣味などを6年間でやり通せて、その間一緒に友人と密に過ごすことで一生の友人ができた、といった話もよく聞きました。そんな話を聞いていたら、どんな世界なんだろうと興味を持ち、子どもに経験させてあげてもいいかもと思えました。

ご自身は中学受験しなかったのですか?

私や夫は中学受験はしておらずで、高校までは公立校出身です。でも、それは私立校と比較した上で公立校を敢えて選択したというわけではありません。私自身は近畿地方出身ですが、地域性や時代の影響もあって、たまたまそうだったんだと思います。それもあって、自分たちが経験しえなかった教育環境に惹かれたという面もあったと思います

最終的に受験を決めた時の子どもの年は?

小学3年の夏休みに、親が中学受験に挑戦させたいと気持ちを固め、それを本人に伝えました。小学3年の3学期の時点で本人自身がどうしたいのかを私たち親に伝えるように娘に言いました。具体的に志望校を決めたのは本人が中学受験すると決めた頃です。

塾はどのように決めましたか?

子どもの希望で決めました。受験勉強が本格化する前の時期から前倒しで通わせてみて、塾の実績も考慮して、子ども本人が楽しく塾に通えそうか、子ども自身や保護者が困ったときに相談しやすい雰囲気かどうか、といった点を特に重視しました。

中学受験の勉強をさせていてよかったと思うことは?

子どもなりに時間の大切さ、つまりぼーっとしていたらあっという間に時間が過ぎ去ってしまう、ということを身をもって体験できているなと思えるところです。

塾通いや習い事などで毎日のスケジュールに余裕があるとは言えない状況の中で、時間をやりくりしようとする姿勢は、子供にとっても大事なことではないかと思います。

平日は帰宅後少し休憩した後一時間半ほど勉強時間、その後夕飯まで自由時間にし、夕食後に塾の課題の残りを、週末は朝、昼、晩にそれぞれ一時間ずつ塾の課題をさせる時間にしてあとは自由にさせています。自分の自由時間を確保するために、集中して勉強に取り組んでいる姿を見ると、子どもの成長を実感できて夫も私も嬉しく思います

中学受験の勉強をさせていてあまりよくないかなと思うことはありますか?

まず、睡眠をしっかりとることは成長期の子供にとって最も大切なことの一つだと思っています。なので、我が家では、勉強が予定通り終わっていなくても、遅くとも毎日21時半までには就寝するように子供と約束しています。ただそれが守れないことも時々あり、良くないなと感じています。

また、もう一つの課題として、親が怒りっぽくならないようにすることだとも思います。毎日の勉強計画が予定通りに進んでいない日が何日も続く時や、なぜか子どもの機嫌が悪い時、やるべきことに子どもが全く何も手を付けずダラダラしている時、等です。

全て親から見ると、時間を無駄にしていると感じるケースですね。受験という目標に向かって時間を無駄にせず頑張ってほしい、と気ばかり焦るせいだと思います。できるだけ怒らないようにするのは、親の心がけ次第だとは思いますが、なかなか難しいです。

中学受験をするにあたって心構えはありますか?

帰国子女枠と一般枠を両方受験する予定なので、それぞれの受験枠の最新の入試傾向や出願資格を確認する必要があるということ。また、日本での受験の際に、帰国のタイミングや宿泊先をどんな風にしたら良いのか、コロナウイルスの状況がどうなっているのかも心配ですし、そういったことを家族みんなで考えなければならないとも思います。

結果的に、中学受験をしてどのような結果になるか分からないですし、希望通りになるのかは分かりませんが、受験をすることできっといいことの方が多いだろうと信じて、子どもと一緒に受験に臨もうと思っています

この記事を書いた人

Natalie

駐在4ヵ国目、2児の母。 日本で旅行情報誌の制作・編集を経て、在住国の海外邦人向け情報誌のライターへ。 お値打ちで美味しいもの、安く手に入る雑貨などを好むプチプラ・ラバー。激辛激甘に目がない。推しのKPOPを聴くこと、ドラマや映画を観ること、ゴミ拾いが趣味。

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