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この10年間はこんなことが起きる!? 東洋の叡智五術スぺシャリストが教える“五術”の面白みと人生における活用方法

「とことんついている日」がある一方で「何をしても裏目に出てしまう運の悪い日」もあるのが人生だが、“人生の運”には波がある。「明日何が起きる」など、ピンポイントで具体的なことを占ってもらうのは中々難しいが、今後の運命を10年単位で知る方法があるという。

今回話を伺ったのは、シンガポールで唯一の日本人の五術研究家、森田藍子さん。

シンガポールで唯一の日本人の五術研究家、森田藍子さん

そもそも五術って何?

「簡単に言うと、中国発祥の紀元前から重ねられた叡智を、5つのカテゴリーに分けて整理し、それぞれの時代の変化に合わせて進化し続けている、最先端の技術です。天と人、時間と人、場所と人、人と人の間に起こることを読み解く、関係性の学問である、とも言えます。

五術は、紀元前から研究されてきた術ですが、古いまま使いまわすのではなく、それぞれの時代に合わせて、その都度編纂してきたもので、科学が進歩し、情報が広く公開されている現代では、その本質的なところ、正確さがより裏付けされて、もっと活用できるのではないかと思っています。

五術は、その名の通り、人生に役立つ術を5つのカテゴリーに整理したものです。
具体的には、陰陽五行説に基づく、風水、易学、四柱推命、薬膳、気功、漢方、鍼灸など東アジア圏に伝わる叡智を、五つの観点、方面からホリスティックに人生に役立てようとするものです。
その五つとは…

①「命(めい)」
生年月日と生まれた場所、時間を用いて、人生の根幹を流れる物語や、生まれ持った使命、特性を読み解きます。

②「ト(ぼく・と)」
易経という紀元前の古代中国発祥の陰陽の対立と統合の変遷を描く書物から編み出された占術で、これからの変化、未来を読み解きます。

③「相(そう)」
目に見える現象に、時の影響を掛け合わせ、対象者への影響や対象者との間に起こりえることを読み解くものです。 例えば空間と人の間を読み解くのであれば、風水。身体(行動)と精神の間を読み解くのであれば、人相、手相、足相などを指します。

④「医(い)」
東洋医学の鍼灸、漢方を指します。身体の不調を、陰陽五行に対応する臓器そのものの不調和と、つながりの不調和まで読み解き、補間し、ホリスティックに整えることで、根源的な治癒を目指します。また、西洋医学では病気とは認識しない、身体の不調も取り扱い未病も防ぎます。

⑤「山(さん)」
身体の神気を整え、生気を養う、つまり養生のための術で、気功、薬膳、食事療法、呼吸法、瞑想などが含まれます。

五術を実生活にどう活かす?

五術を学んでから、時と自分の間に起こっていること、今日、今月、今年、というものについて、客観的に考えられるようになりました。例えば、恋愛でも仕事でも、今何かうまくいかないことがあったとします。

でもそれは、今は、そのことに関しては、うまくいかない、ということなのです。今のテーマは他にある、と言うことです。そしてそのことについても、明日も来年もずっとうまくいかない、ということではない。

5年10年のテーマでは、お金が稼ぎにくい時期、というのが確かにあります。でもその時期は、人によっては、仲間ができるというテーマがあったり、知識を増やしたり、スキルを磨く時期としては使えたり、何かを教えるという形に変えれば、きちんと仕事になったりもします。

時を待つ、という表現がありますが、私はそうではないと思っていて、どの時も無駄な時はなく、その時にふさわしいこと、その時々のテーマがあるのです。このテーマを知ることで、今の時間をより豊かに、耕すことができます。

現在、「日めくり五術」というLINE配信をしていますが、今日はどのようなテーマの日なのか、ということが分かると、事前に困った事態を避けることも可能です。日々のテーマを理解することで悪い事はうまく避けて、気持ちのよい一日を過ごせますようにという祈るような気持ちで書いています。

また、身体に何らかのサインが出ていたとします。ほくろの位置や、具合の悪い箇所等。それがどんなサインなのかを読み解くことができると、事前に起こりえる難しい局面に心を配り、その準備ができる、ということがあります。

風水も、良い風水の場所に住んでからの方が家族みんな元気です。場のエネルギーはとても大切なものだと感じています。実際に引っ越しされる方の風水アドバイスや、店舗を出されるときのアドバイスも行っています。せっかく素晴らしいものを提供されていても、場のエネルギーが低いところでは、なかなかうまくいかないことも多く、場所が変わったら一気にうまくいく、ということがありますので。その方が財に、ビジネスに強い運の時期にあれば、あまり場のエネルギーが関係しないこともありますが、そこまで強い運ではない場合は、明らかに場のエネルギーの影響を受けやすい傾向がありますね。

五術は、それを用いることで力を発揮します。信じるものでも、宗教でもなんでもなくて、自分の人生を自分の手でしっかり漕ぎ出していこうとするときに、助けになるように使いこなすものなのです。

実際、どんな悩み相談が?

クライアントは経営者の方が大半です。経営者の方はご自身の判断軸をしっかりもっていらっしゃるし、強い直感をお持ちの方も多いので、決断のサポートというよりは、ご自身の盲点を探すため、考えの整理のために、五術を用いてくださっていることが多いように感じます。

また、最近は、五術×チーム進化プログラム、というものを開発しまして、チームの特性を分析し、チーム全体の強み弱み、そして、チームを構成しているお一人お一人の特性と、彼、彼女が、今はどのような物語の中にあるのか、テーマは何か、ということをお伝えして、チームというものがまるで一つの生き物のように、つながり、動き出すために、このプログラムを使っていただいています。具体的には、五術を用いて導き出されたメンバーの特性を踏まえての『チームの航海術』と『アクションプラン』を一緒に策定しています。

五術×チーム進化プログラムは、経営者の方のお悩みは、多岐にわたりますが、ご自身のことと組織がつながっていることが多いので、そこを紐解く手助けになればという思いで、開発しました。

また、併せて、採用のご相談、この方を採用すると組織にどのような影響があるかということや、新規店舗開発の際の、風水での場所選定など、日本やシンガポールにとどまらず、今はGoogle earthを使えばどこでも確認することができるので、最近でも、インド、バングラディシュ、タイ、フランス、カナダと、各国からご依頼を頂き、風水の鑑定やアドバイスをさせていただきました。

五術と他の占いとの違いは?

「占い」というのは、何らかの術を用いて、事の吉凶を考え定めること。将来の成り行きを判断予測することと定義されるそうです。これは五術のト(ぼく)が、その役割を担っています。成り行きの未来を予測することは、大切な要素の一つではありますが、一部にすぎません。

五術の目的は、未来を予測することではなく、成り行きの未来も見据えた上で、よりよい未来を創りだすことです。そのために五術を用いるのです。過去何千年という豊かなリソースを元に、今の時代だからできることと五術を併せて用いて、今、必要なテーマに意識を向け、見落としがちなサインを見つけること、取り巻く環境を整えたり、豊かな毎日を送るために必要不可欠な、心身を整えること。自分の人生を豊かにするために、五術を用いていただきたいのです。

どんどん面白がって、楽しんで五術を用いて欲しいし、困っている時は、その解決に役立てて欲しいと思います。ただ、五術は宗教ではありませんので、信じるもの、頼るものではありません。自分の人生を動かしていくのはあくまでも自分自身。私自身ももっと上手に使いこなせるように、日々研究しているところです。

実際にどうやって運勢を判断するの?

五術の講座で最初にお伝えしているのも『命』で、ここには自分を知る手がかりが溢れています。そして、10年ごとにやってくるその方のテーマがわかります。

起こりやすいトラブルも、その避け方も、かかりやすい病気も、その回避の方法も、喜びの頂点を迎えそうな時期も、それを阻むものがあるとすればなにか、というものも、その命に描かれています。

これは本当に面白いもので、数多くの方の命を拝見していますが、平凡なものなど一つもなく、それぞれが、それぞれにかけがえのない物語を生きています。この物語の舞台設定や、登場人物までは命でわかりますし、展開しやすい物語のパターンは見えますが、人生の脚本は、ご自身にしっかり委ねられていて、過去、どんな脚本で生きてきたのか、ということは顔に出ます。つまり人相です。

ですから、最初のセッションでは、命を読み解きながら、人相も拝見して、運勢を判断する、というよりは、その方の人生を、共に思い描き、このままの成り行きの未来と、最悪の未来と、起こりえる最高の未来をお伝えして、最高の未来に向けて必要なことを一緒に考え、五術の観点でもできる限り具体的に、このようなことが起こったときには、このように考えると、このように舵を切るとよい、というなお話をさせていただく時間になります。そのような時間を経た後で、今の仕事について、部下が、上司が、家庭が、といった、具体的に今表れている課題についても、共に取り組む、という形になります。

藍子さんが実際に使用している道具の数々

元々占いに興味が?

亡くなった叔母が元々占術に通じている人で、叔父にもそのような人もいて、幼い頃から占いは身近なものでした。私の名前を決めてくれたのもこの叔母で、小さい時から40までは苦労するし、結婚は一回以上する、困ったときにはこのようにせよ等、いろいろなアドバイスがあって、それは今でも思い出すことがあります。

ただ、私自身、占い師の仕事をしていたわけではなく、会社員をやめた後にフリーライターになり、インタビューがきっかけで、家族や大切な人を亡くした方の心のケアをするカウンセラーの仕事をしていました。同時にタロットカードや、占星術、四柱推命などは好きで、あくまで趣味として、昔から知人の相談を受けていました。

五術を始めたきっかけは?

2013年からスタートしました。長男が非常にわんぱくだったこと。コンドに備え付けられた消化器にいたずらして大喜びしてしまうようなワイルドな子で、途方に暮れていたところ、近所のシンガポーリアンのお祖母ちゃんが「私の風水師を紹介してあげるから彼のバースチャートを見てみたら?」と勧めてくれたのです。そこで見てもらったときに、長男について非常に納得し、私自身を含めて家族全員を観てもらって、今度は自分が観られるようになりたい、ということで、学び始めました。

その風水師の方の先生にあたる、香港の著名な占いの先生が、当時シンガポールに年に何回か教えに来ていたので、そこに通い、資格を取得し、その後違う先生にも習い「五術は用いてこそ意味がある。まずは自分に用いて、家族に用いて、大切な人に用いて、実感が得られたら、プロとしてしっかり取り組むように」と言われ、まずはオンラインや日本で教えることから始めました。今年の1月に会社を設立し、ようやく本格的にシンガポールでスタートさせました。

五術を知らない方にメッセージを

「五術」という言葉の認知度はまだ低いと思います。でも、易占、風水、四柱推命、薬膳、漢方、鍼灸など、東洋の叡智を役立てている方、その力を実感している方はたくさんいらっしゃると思うのです。

これらは全てつながっていて、それぞれを完ぺきにやる必要はなくても、合わせて総合的に見るという使い方をしてみたり、自分自身の人生に用いるのだ、という視点で役立てていただけたら、とても幸せに思います。


森田 藍子(Aiko Morita)

Art of My Life 代表/五術研究家 グリーフケアセラピスト Ai
東京都大田区大森出身 東京理科大学工学部建築学科卒業
高校を中退し、劇団無名塾に所属し、大検で大学へ進学。
大学時代は競技ダンスに明け暮れ、2000年冬季全日本学生競技ダンス選手権大会第2位(タンゴ)を獲得。

卒業後、マンションディベロッパーの株式会社ゴールドクレストに就職後、無名塾時代、故 宮崎恭子さんから『生きるって表現することよ。何か書き続けなさい』と言われたことが忘れられず、出版社を経て、フリーライターとして活動。たった一年と少しだったが、無名塾で学んだことは計り知れない。ライター時代に、ターミナルケア(主に末期がんの方々への)インタビューがきっかけで遺されたご家族の元に通うことで(大切な方を亡くされた方向けの、深い悲しみのケア)『グリーフケア』を知り、カウンセリングを学び今も続けている。

2013年末よりシンガポールに移住し、盧恆立(レイモンド・ロー)氏より、伝統風水を学んだ後、五術家の山道帰一氏からも教えをいただく。

子どもの頃から親戚の影響で学んだ占術も併せて活かしながら
現在は、風水、八字算命、易、薬膳、気功、アジアに伝わる古代叡智の研究
グリーフケア、コーチングの経験も活かし
今の社会に、必要としている方の日々の生活に五術を活かし、用いることができるよう経営者向けのコーチングセッション、ワークショップ、オンライン講
座を開催。著書に建築界の巨匠 ル・コルビュジエの想いを綴る国立西洋美術館誕生の秘話を絵本にした『コルビュジエさんのつくりたかった美術館』がある。
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この記事を書いた人
シンガポール在住8年目。ワインと美食をこよなく愛し、日々ワインを楽しむ一方、筋トレも欠かさず行う。“ワインと美活“のスペシャリスト