三重県産の生カキがシンガポールで解禁!長距離輸送も物流の力で鮮度をキープ

三重県産の牡蠣

シンガポールで生カキを食べられているのは、その背後に日本の物流企業の力があるということをお忘れなく!

シンガポールで最近、生カキを食べられるお店が増えています。その背景にあるのは、シンガポール政府が日本の三重県の活カキの輸入を解禁したこと。カキの輸送に携わる物流会社やサプライヤー、カキを提供する飲食店の方々に集まってもらいお話を聞きました。

解禁されたのは2018年12月。シンガポール食品庁(SFA)が、輸入に関しての安全プログラムを満たしたとして、日本の三重県産に限って生牡蠣の輸入を解禁しました。

三重県はカキに含まれる大腸菌などに関して、殺菌された海水で16時間以上の浄化を義務付けるなど国よりも厳しい基準を設定。県一丸となったこうした取り組みの結果、シンガポール政府は2018年12月に日本政府との間で輸入に関して合意し、活カキが解禁になりました。

◾️シンガポールにカキが到着するまで

物流企業:内外トランスライン
サプライヤー:アポロアクアカルチャー社

(1)月曜日:カキを洗浄
三重県伊勢湾で養殖されたカキが水揚げされ、卸業者の浄化処理水槽で16時間以上洗浄処理されます。

(2)火曜日:牡蠣を羽田空港へ輸送
洗浄処理後のカキを夕方、羽田空港へ向けて出荷します。低温をキープするため保冷剤と一緒にクール宅配便で輸送します。

(3)水曜日:シンガポールに向け空輸
午前中に三重県より輸送されたカキが羽田空港に到着。到着したカキは空港内の冷蔵庫で保管され木曜日未明に出発するJALのフライトでシンガポールに空輸。輸送中も温度管理には注意を払います

(4)木曜日:飲食店へ納品
早朝に到着したカキはサプライヤーによってシンガポールの倉庫に運ばれます。その後、注文に応じて飲食店へとカキを納品し、私たちが食べられるようになります。

◾️座談会

今回、物流企業「内外トランスライン」とサプライヤー「アポロアクアカルチャー」、和食レストラン「和(なごみ)」の3者で座談会を開催しました。

内外トランスライン:児玉隆さん
アポロアクアカルチャー(以下、アポロ)
和:名田悟さん

SingaLife編集部
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カキの輸送で気をつける点はどこでしょうか。

児玉さん:温度管理に最大限注意しています。鮮度を保ったままシンガポールへ運ぶのは簡単ではありません。
アポロ:温度の高いシンガポールは、日本よりもカキの輸送に気を配りします。チャンギ空港で受け取ったカキを出来るだけ早く自社の水槽に入れて鮮度を落とさないようにしています。

SingaLife編集部
SingaLife編集部
シンガポールでカキの人気はいかがでしょうか。

アポロ:オイスターバーの数も街中に増えています。こちらの人は生カキで食べるのが、一般的で、フランスやオーストラリアなどのカキをよく食べています。日本の生カキはそれらと比べても品質や味に優れているので、今後輸入量が増えれば人気は出ると思います。

SingaLife編集部
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お客さんの反応はいかがでしょうか

名田さん:やっぱり生カキは人気が高いですね。お客さんもすごい喜んでくれています。カキと言えば、広島県や宮城県というイメージが強いかと思いますが、三重県もブランド「的矢カキ」の産地として名高いです。小ぶりですが身がしっかりと詰まったカキは、濃厚な味わいで食べ応えがありますよね。
生産者の方、物流の方、サプライヤーの方が運んでくれたカキを、お客さんと接する私がしっかりしなければならないので責任を感じます。

SingaLife編集部
SingaLife編集部
三重県以外のカキも食べられるようになればいいですね

名田さん:三重県のカキは冬がシーズンなので冬の間だけですが、例えば夏が旬の岩ガキが解禁されれば、1年中シンガポールでカキを食べられるようになると思います

 

生カキ好きな人にとっては待望の活カキの解禁。フランスやオーストラリア、ニュージーランドのカキも美味しいけれど、やっぱり日本のカキは安心でしかも美味しいですよね。
シンガポールで生カキを食べられているのは、その背後に日本の物流企業の力があるということをお忘れなく。

この記事を書いた人

SingaLife編集部

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