【大人の社会科見学】
シンガポールで楽しむイベントその298
-スンガイ ブロー湿地保護区-

スンガイ ブロー湿地保護区の魅力

スンガイ ブロー湿地保護区(Sungei Buloh Wetland Reserve)は、シンガポールの北西部に位置し、国内初の湿地保護区として知られています。

この保護区は渡り鳥の中継地として世界的に重要であり、2002年には東アジア・オーストラリア渡り鳥サイトネットワークに含まれ、翌年にはASEANヘリテージパークに登録されました。さらに2003年にはラムサール条約に登録され、水鳥の生育地として国際的に重要な湿地と認められています。

1986年、マラヤ自然協会シンガポール支部のメンバーがこのエリアの保全を提案し、政府はこれを受け入れました。1989年には0.87平方キロメートルのエリアが自然公園として指定され、英国の団体や世界自然保護基金(WWF)などの専門家と協力し、1993年にゴー・チョクトン首相によって公式に開園。2001年には自然保護区として指定され、2002年には130ヘクタール全エリアが正式にスンガイ ブロー湿地保護区となりました。

保護区では、寒さを避けて南半球へ向かう途中の渡り鳥を観察できます。シベリアから渡ってくる鳥もおり、自然観察の楽しみが広がります。園内には複数の観察小屋が設置されており、野鳥愛好家たちは双眼鏡やカメラを手に観察や撮影を楽しんでいます。シンガポールのコンクリートジャングルから逃れ、自然の中で五感を取り戻すには最適な場所です。

この保護区は設立以来、自然教育プログラムやボランティアガイドプログラムを提供。特別なニーズを持つ学生のためのプログラム、中学生向けのメンタープログラム、ヤングナチュラリストプログラムなどがあり、ブリティッシュカウンシルや教育省と協力して実施されています。また、ワークショップやガイドブック、教育資料も提供され、毎年400以上の学校訪問が行われています。

2007年には、教育省(MOE)、シンガポール情報通信開発庁(IDA)、および民間企業の協力により、ワイヤレスラーニングトレイルが開始。これはテクノロジーと自然教育を統合するもので、スンガイ ブロー湿地保護区はシンガポールで初めてこの学習方法を採用した公園となりました。

私がスンガイ ブロー湿地保護区を訪れた際、美しい自然環境と多様な動植物に感動。湿地の静かな雰囲気の中でさまざまな野鳥を観察することができ、とてもリラックスできました。観察小屋からの眺めは素晴らしく、自然の中でのひとときは心の癒しとなりました。また、充実した自然教育プログラムは、子供から大人まで楽しみながら学べる場所であることを実感しました。


スンガイ ブロー湿地保護区は、その歴史的背景と豊かな生態系、そして自然教育の取り組みを通じて、訪れる者に多くの学びと癒しを提供する場所です。未来の世代のためにこの自然を守り続けることの大切さを実感し、再び訪れたいと思います。

大人の社会科見学 筆者

森山 正明
大人の社会科見学シンガポール版は、シンガポールで生活している方々へ、シンガポールの奥深さを知ってもらいたい思いで活動を始めました。「3カ月も住んでいればシンガポールは飽きてしまう」と巷では言われますが、なかなかどうして、この地ならではの楽しみは、尽きることはありません。

2013年11月からこのサークル活動を始めて約11年。行ったイベントは、200回を超え、その中から読者の方にもシンガポールの文化や習俗について年中行事を軸に紹介をして参ります。
 
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●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。



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この記事を書いた人

SingaLife編集部

シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!

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