年末年始の帰国＆海外旅行に備えて！日本メディカルケア・家庭医の佐藤先生が教える花粉症と健康対策
医療・健康
2024.12.17

年末年始や旧正月の時期、多くの方が帰国や海外旅行を計画していることでしょう。新しい年を迎える喜びとともに、久しぶりの日本や異国の地での時間を楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。

しかし、帰国や旅行を快適に過ごすためには、忘れてはならない準備がいくつかあります。特に、長期間海外で生活していた方にとって油断しがちなのが「花粉症対策」です。

日本メディカルケア・家庭医の佐藤先生に伺ったお話をもとに、帰国時や海外旅行先での健康管理や花粉症対策について詳しくご紹介します。年末年始を快適に楽しむためのポイントをぜひご確認ください。

シンガポールでは花粉症の症状が出ませんが、もう治ったということでしょうか？

シンガポールには花粉症を引き起こすような植物はほとんどありません。そのため、日本で毎年花粉症に悩まされていた方も、花粉症とは無縁の生活を送れているかもしれません。しかし、これは花粉症が治ったわけではなく、原因となる花粉に接していないだけだ、ということを忘れてはいけません。

日本への帰国が決まっていて、花粉症の方は早めの受診をおすすめします。またインフルエンザ対策の予防接種も余裕をもって受けましょう。

年末から旧正月後まで一時帰国します。花粉症対策は必要ですか？

来星前まで花粉症の症状があった方は対策が必要です。花粉が飛び始める頃に何の対策もせずに日本に戻ると、飛行機を降りた瞬間から花粉症の症状が始まる可能性があります。そのため、日本の花粉シーズンに帰国する方や、他国でも花粉が飛ぶ地域に行かれる方はシンガポールにいる時点から花粉症への対策をしていくことが重要となります。

花粉症の効果的な対策方法とは？

花粉症の対策ですが、現在は飲み薬や点鼻薬、点眼薬など薬の力を借りることが中心となります。

鼻炎対策のおすすめは点鼻スプレーですが、予防的に使用するスプレーと今ある症状を抑えるスプレーの2種類があります。予防的に使用するスプレーは、花粉にさらされる1週間ほど前から1日1〜2回使用することで症状の出現を抑えることができます。継続して鼻にスプレーすることでアレルギーの反応が起こりにくくしてくれます。

症状を抑えるスプレーは鼻水・鼻詰まりなどの症状が見られたときに使用します。その他に抗アレルギー剤の内服薬もありますが、薬の種類によっては眠気におそわれる場合があるので注意が必要です。目のかゆみに対しては抗アレルギー剤の点眼薬を使用したり、肌のかゆみが出やすい方は保湿剤を使用してもいいでしょう。

最近では目の周りや鼻の中にワセリンを塗り、鼻や目の中への花粉の侵入を減らすという対症療法もあります。簡単な方法なのですが実は結構効果的で、やられている方は多いです。いずれにしても花粉症の症状に悩まされないように、シンガポールに戻るまでは万全の体制を取っておくことが非常に大切です。帰国前にお薬が必要な方は早めに受診をしましょう。

シンガポールでも花粉症があるのはなぜですか？

花粉症がないはずのシンガポールでも、日本で花粉症が流行し始める頃に、鼻水や目のかゆみ、皮膚のかゆみを訴える方がいます。中には日本で花粉症に悩んだ経験がない方でも症状が現れることがあります。これは、マンゴーによる花粉症の可能性があると言われています。

ですので、シンガポールは花粉症がないから大丈夫、日本にいたときに花粉症がなかったから大丈夫と安心するのではなく、花粉症のような症状があったときはぜひご相談ください。

年末年始の健康対策で安心の帰国＆旅行を！

年末年始や旧正月の帰国・海外旅行を計画中の皆さまにとって、健康管理は重要なポイントです。特に花粉症のある方は、事前の準備が欠かせません。日本メディカルケア・家庭医の佐藤先生のアドバイスを参考に、必要な薬の準備や予防策を早めに整えておきましょう。

また、シンガポールでも花粉症のような症状が出ることがあるため、異変を感じた際は医師に相談することをおすすめします。日本ではインフルエンザ、マイコプラズマ肺炎の感染数が増えていますので、予防接種を希望される方は早めに病院に確認をしておきましょう。渡航予定に合わせて余裕を持った準備で、楽しい年末年始をお迎えください。