シンガポールのアートフェスティバル2025!注目の公演と見逃せない無料イベントをご紹介

出典:SIFA

毎年シンガポールで開催される「アートフェスティバル(SIFA:Singapore International Festival of Arts)」は、世界中のアートファンや観光客が注目する東南アジア最大級の芸術の祭典です。

1982年に始まり、40年以上の歴史を誇るこのイベントは、シンガポールの芸術文化の成長を象徴する存在でもあります。演劇、音楽、ダンス、映像芸術、インスタレーションといった多彩なジャンルのプログラムが展開され、国内外の実力派アーティストが集結。毎年斬新なテーマを掲げ、社会的メッセージや時代性を含んだ意欲的な作品が次々と披露されるため、”ただのエンタメ”を超えた深い芸術体験が味わえます。

2025年のテーマは「More Than Ever(かつてないほどに)」。ポストパンデミック時代を迎えた今だからこそ響く、共生・対話・再構築といったキーワードがちりばめられています。この記事では、そんなSIFA 2025の中から特に注目すべき公演や無料イベントをピックアップし、見どころをわかりやすくご紹介します。今年の初夏は、アートの熱気に包まれるシンガポールで、心揺さぶる体験をしてみませんか?

アートフェスティバル「SIFA」とは?

出典:SIFA

「SIFA(Singapore International Festival of Arts/シンガポール国際芸術祭)」は、毎年5月から6月にかけて開催される、シンガポール最大級のアートイベント。

 演劇、ダンス、音楽、映画、インスタレーションなど、ジャンルを超えた多彩なプログラムが展開され、シンガポール国内外から集まった才能あふれるアーティストたちによるハイレベルな作品が次々と披露されます。

このフェスティバルの最大の魅力は、アジアの文化や価値観を世界に発信するだけでなく、地域社会との結びつきを大切にしていること。市民参加型のワークショップや無料の展示・パフォーマンスも数多く用意されており、アートをより身近に体験できます。まさに、“日常にアートを取り入れるきっかけ”を与えてくれる貴重な場です。

訪れる人々は、作品をただ鑑賞するだけでなく、アーティストとの対話や社会課題への気づきといった、深い「体験型の芸術」に触れることができるのです。SIFAは、観光客はもちろん、地元の人々にも愛される、シンガポールの文化的ハイライトともいえる存在です。

見逃せない注目の公演10選

出典:SIFA

ここでは、2025年のSIFAの中でも特に注目すべき10のプログラムをご紹介します。今年のSIFAは、「表現の境界を越える」をテーマに、世界中の先鋭的なアーティストが集結。前衛的な演出、文学の名作の大胆な再構築、最新テクノロジーを取り入れたインタラクティブな舞台など、これまでにない体験があなたを待っています。

アート好きはもちろん、普段あまり芸術に触れる機会がない方でも楽しめる内容が盛りだくさん。今しか見られない、唯一無二のステージをお見逃しなく!

Animal Farm(アニマル ファーム)

出典:SIFA

『アニマル ファーム』の革新的な舞台は、ジョージ・オーウェルの不朽の名作が、全く新しい形で生まれ変わる瞬間を体験できる貴重な機会です。シンガポールのWILD RICEが手掛けるこの作品では、人形劇と俳優の演技が融合し、物語の深いテーマを視覚的に鮮烈に表現します。

物語の中心となるのは、動物たちの反乱を描いたオーウェルの政治的メタファーですが、これがただの政治的な警鐘に留まらず、現代社会の権力や腐敗への鋭い批評として再構築されています。視覚的な芸術表現と強烈なメッセージが融合し、観客に深い印象を与えることでしょう。時代を超えて訴えかける政治的なメッセージが、今の世界でも響き渡ります。

この舞台では、どの世代の観客も、登場するキャラクターやテーマに自分を重ね合わせることができ、ただの物語としてではなく、今の社会を深く掘り下げた問いを投げかけられることでしょう。そのため、観る者の価値観を再考させる力を持った作品と言えるでしょう。

Animal Farm(アニマル ファーム)
■Drama Centre Theatre
住所:Level 3 National Library Building, 100 Victoria Street, S188064
最寄り駅:Bugis駅、Bras Basah駅
開催期間:5月15日 16:00~、5月16日 20:00~、5月17日 16:00~/20:00~、5月18日 16:00~
開催時間:1時間40分
WEBサイト

 

Told By My Mother(トールド バイ マイ マザー)

出典:SIFA

インドネシア出身のアーティスト、リナ・ランによる舞台は、彼女の母親から聞いた実話を基にした感動的な物語です。家庭内で代々受け継がれてきた物語が、音楽、舞踏、語りという三つの表現形式を通じて、観客に強い印象を与えます。

この作品では、多世代の女性たちの声が交錯し、家族の絆、歴史、そして女性としての経験が描かれます。各世代の女性たちがそれぞれの視点から語る物語が、複雑に絡み合いながらも、一つの普遍的なテーマへと収束していきます。そのテーマは、世代を超えて受け継がれる愛や記憶、そして女性の力の重要性です。

舞台には、インドネシアの文化的背景や音楽、伝統が色濃く反映されており、その土地ならではの感覚を感じさせます。しかし、そこに描かれる人間ドラマや感情は、どの文化でも共感できる普遍的なものです。

この作品を観ることで、観客は、家族や女性にまつわる深いテーマについて考えさせられ、感動とともに、自分自身の家族や過去に思いを馳せることになるでしょう。リナ・ランが紡ぐ物語は、世代を超えて伝えられるべき大切なメッセージを届けます。

Told By My Mother(トールド バイ マイ マザー)
■Victoria Theatre
住所:9 Empress Place S179558
最寄り駅:Clarke Quay駅
開催期間:5月16日 20:00~、5月17日 16:00~/20:00~
開催時間:1時間15分
WEBサイト

 

Umbilical(アンビリカル)

出典:SIFA

タイトルが示す通り、「へその緒」は、母と子の深い絆、生と死、記憶と未来という普遍的なテーマを詩的に描いたパフォーマンスです。

本作は、視覚芸術、音響効果、パフォーマンスアートが融合し、観客にまるで胎内回帰を感じさせるような没入型体験を提供します。舞台は、母子のつながりという根源的なテーマを掘り下げ、その感情的な重みを視覚的かつ音響的に表現します。演出には、身体的なパフォーマンスが加わり、登場人物の内面的な葛藤や母子間の無言のコミュニケーションが生々しく表現されます。

音響と視覚芸術はこの舞台の重要な要素で、音が観客を包み込むように空間を作り出し、映像や照明が深層心理に働きかけます。これにより、生と死の境界、または時間と記憶が交錯する空間に観客は誘われ、まるで別の次元で体験しているかのような感覚を味わいます。

特に、胎内回帰を想起させるような体験を通して、観客は自分の生命の源、家族とのつながり、そして未来への希望について深く考えることになります。この作品は、言葉を超えて、感情的な共鳴と身体的な体験を通じて、強いメッセージを伝えることを目指しています。

Umbilical(アンビリカル)
■Sota Drama Theatre
住所:1 Zubir Said Dr S227968
最寄り駅:Bencoolen駅
開催期間:5月16日 20:00~、5月17日 20:00~、5月18日 15:00~
開催時間:1時間
WEBサイト

 

HOME(ホーム)

出典:SIFA

台湾の演出家チェン・イーシャンが手がけるこの演劇作品は、移民、アイデンティティ、国家というテーマに深く迫りながら、観客に普遍的な問いである「家とは何か」を投げかけます。本作は、単なる社会的な問題を描くのではなく、私たちがどのようにして「家」を感じ、作り上げていくのかという、個人の内面に迫る作品です。

舞台セットは非常にユニークで、現実世界と夢の狭間にあるかのような不思議な空間を創り出しています。この空間は、観客が作品に没入できるように巧妙にデザインされており、観る者の感情や思考を揺さぶります。セットの変化や照明、音響が巧みに使われ、物理的な空間と心理的な空間が交錯し、観客に強烈な印象を与えます。

作品の中では、移民として異なる土地に根付こうとする登場人物たちが、アイデンティティの喪失や葛藤を経て、「家」を再構築しようとする姿が描かれます。家族、民族、そして国家という枠組みを超えて、「家」とは何か、どこにあるのかという問いに対する答えを観客自身に考えさせる深いメッセージが込められています。

この舞台は、移民やアイデンティティの問題だけでなく、現代社会に生きるすべての人々に共鳴するテーマを扱っており、観客に強い感情的なインパクトを与えることでしょう。

HOME(ホーム)
■Victoria Theatre
住所:9 Empress Place S179558
最寄り駅:Clarke Quay駅
開催期間:5月22日 20:00~、5月23日 16:00~/20:00~、5月24日 14:00~/20:00~、5月25日 14:00~
開催時間:1時間50分
WEBサイト

 

LEAR(リア)

出典:SIFA

シェイクスピアの『リア王』を大胆に再構築した本作は、演出家オン・クンセンとインド ケーララ州の伝統舞踊「カタカリ」のパフォーマーたちによる共同制作です。この作品は、伝統的な舞踊と現代演劇を融合させ、王の狂気と悲劇をより鋭く、詩的に描き出すことを目指しています。

カタカリは、インドの古典舞踊で、顔の表情や手のひらの動き、劇的な音楽によって物語を伝える特徴を持っています。この舞踊の豊かな表現力とシェイクスピアの深遠なテーマが結びつくことで、リア王の内面的葛藤や悲劇的な運命が、視覚的に、そして感情的に強烈に伝わります。特に、王の狂気の描写や、娘たちとの関係、裏切りや愛の葛藤といったシーンは、カタカリの象徴的な動きやドラマチックな演技によって、より一層鮮烈に表現されます。

本作の最大の魅力は、シェイクスピアの悲劇が持つ普遍的なテーマ—権力、家族、狂気、愛—が、インドの伝統芸能の力強さと美学によって再解釈され、新たな視覚的および感情的な体験を観客に提供する点です。伝統的な舞台芸術が持つ深い精神性と現代演劇が融合することで、作品の詩的な美しさと同時に、物語の普遍的な悲劇性がさらに引き立てられます。

観客は、シェイクスピアの古典に新しい息吹を吹き込むこのパフォーマンスを通じて、リア王という作品が持つ人間の本質に迫るテーマを、全く新しい形で感じ取ることができるでしょう。

LEAR(リア)
■Sota Drama Theatre
住所:1 Zubir Said Dr S227968
最寄り駅:Bencoolen  駅
開催期間:5月23日 16:00~/20:00~、5月24日 14:00~/20:00~、5月25日 16:00~
開催時間:1時間
WEBサイト

 

A Thousand Stitches(ア サウザンド スティッチズ)

出典:SIFA

本作は、日本の伝統的な「千人針」からインスピレーションを受けたダンス作品で、戦争と平和、個人と国家という深遠なテーマを探求します。千人針は、戦争に赴く兵士の無事を祈って、何千もの針を縫い合わせるという日本の習慣に由来しており、これを舞台芸術に取り入れることで、戦争における個人の犠牲と、平和を願う人々の思いが巧みに表現されます。

繊細な振り付けと、映像演出を駆使することで、戦争の記憶と向き合う時間を提供するこの作品は、観客の感情に強く訴えかけます。ダンサーたちは、細やかな手のひらや足の動きで、戦争の影響を受けた人々の内面的な葛藤や苦しみを表現し、映像はその背景に広がる戦争の象徴や平和の象徴を映し出します。

舞台上には、千人針が象徴するように、戦争の傷跡や痛みを反映させるビジュアルが組み込まれ、観客はダンスを通じて過去の記憶と対峙し、その中にある個人の無力さや苦しみを感じ取ることができます。同時に、平和を求める願いと共に、個人が持つ力強い希望や再生のテーマも浮かび上がります。

戦争の記憶を次世代に伝え、平和の大切さを強調するこの作品は、観客に深い考察を促し、戦争と平和というテーマに対する新たな視点を提供することでしょう。

A Thousand Stitches(ア サウザンド スティッチズ)
■Drama Centre Black Box
住所:Level 3 National Library Building, 100 Victoria Street, S188064
最寄り駅:Bugis駅、Bras Basah駅
開催期間:5月23日 20:00~、5月24日 15:00~/20:00~、5月25日 15:00~/20:00~
開催時間:1時間15分
WEBサイト

 

VAMPYR(ヴァンパイア)

出典:SIFA

1922年のサイレントホラー映画『吸血鬼』にインスパイアされた現代舞台は、幻想的かつ恐怖に満ちた空間を創り出すために、実写映像、ライブ演奏、そして俳優の動きがシームレスに融合した作品です。

この舞台は、1920年代の映画が持つ不気味な雰囲気や不安感を現代の技術で再現し、観客を恐怖の世界に引き込みます。実写映像と舞台の生演奏が一体となり、舞台上で繰り広げられる俳優の動きや表現とリアルタイムで連動することで、まるで観客自身が映画の中にいるかのような感覚を覚えます。

幻想的なシーンが展開される一方で、映像の不穏な音楽や不気味な映像効果が恐怖を引き立て、舞台は常に不確実性と緊張感を持続させます。この舞台は、視覚的に印象深い映像美と、視覚から聴覚まで全ての感覚を刺激する音楽の効果によって、恐怖と魅力が交錯する一作となります。サイレント映画ならではのモノクロームの美しさと、舞台上で再現される息を呑むような瞬間が融合し、観客はその不安定な世界に引き込まれます。

ホラー好きにはたまらない作品であり、クラシックホラー映画の魅力と現代舞台の革新性が融合したこの舞台は、恐怖の醍醐味を体験したい観客にとって、特別な一夜となることでしょう。

VAMPYR(ヴァンパイア)
■Drama Centre Theatre
住所:Level 3 National Library Building, 100 Victoria Street, S188064
最寄り駅:Bugis駅、Bras Basah駅
開催期間:5月23日 20:00~、5月24日 20:00~、5月25日 14:30~
開催時間:1時間30分
WEBサイト

 

Waiting For Audience(ウェイティング フォー オーディエンス)

出典:SIFA

観客の“存在”そのものが作品の一部となる、非常にユニークで実験的な作品です。本作では、出演者たちが客席に向かって直接問いかけることで、観客を積極的に参加させると同時に、無音や視線、沈黙を通じて「待つこと」の意味を深く掘り下げます。この作品は、観客と演者の境界を曖昧にし、観客自身が演劇の一部であることを強く意識させる体験を提供します。

パフォーマンスアートとインスタレーションの境界線を意図的に曖昧にするこの作品は、観客の反応や存在自体を作品の一部として取り込むことで、従来の舞台芸術の枠を超えた新しい表現を追求しています。出演者たちの表現は、言葉ではなく、視覚的な接触や非言語的なコミュニケーション(視線、間、沈黙など)によって進行し、観客はその中に自分の存在を投影し、待つことの深層を感じ取ることになります。

時間の流れや空間の感覚を変化させ、観客に強い印象を与えるこの作品は、視覚的にも精神的にも強い影響を与える体験です。観客がその場にいることで成り立つ作品であり、その瞬間の独特な空気を共有することで、個々の存在がどれだけ重要であるかを実感できる、非常に挑戦的でインパクトのある舞台となるでしょう。

Waiting For Audience(ウェイティング フォー オーディエンス)
■Sota Drama Theatre
住所:1 Zubir Said Dr S227968
最寄り駅:Bencoolen駅
開催期間:5月30日 20:00~、5月31日 15:00~/20:00~
開催時間:1時間
WEBサイト

 

COLONY(コロニー)

出典:SIFA

都市化と人間の関係をテーマにした音響体験型インスタレーションは、観客に新たな視覚的・聴覚的な体験を提供します。ヘッドホンを装着し、移動しながらインスタレーションを体験することで、都市のざわめきや記憶、無数の声が交差する空間に身を置き、観客は自らの「居場所」や存在について深く問い直す時間を持つことになります。

この作品は、都市の喧騒や混沌とした音の中に身を委ねることで、観客に時間と空間を超えた感覚を与えます。音響は、都市環境における多様な声や音を巧みに組み合わせ、聴覚的に非常に精緻な体験を提供しています。観客はその中を歩きながら、自分の内面と都市の音との関係を再認識することが求められます。

特に、都市の音や無数の声が交錯する音響空間の中で、観客は自己の「居場所」を再構築し、都市という大きな環境の中での個人の位置や存在感に対する新たな視点を得ることになります。このインスタレーションは、都市という無機質な環境が持つ温かさや冷たさ、そして個人がそこにどう適応していくかを深く掘り下げた作品です。

COLONY(コロニー)
■Sota Drama Theatre
住所:1 Zubir Said Dr S227968
最寄り駅:Bencoolen駅
開催期間:5月30日 20:00~、5月31日 20:00~、6月1日 15:00~
開催時間:1時間
WEBサイト

 

stray gods(ストレイ ゴッズ)

出典:SIFA

現代に紛れ込んだ神々の葛藤と再生を描くこの演劇作品は、神話と現代社会が交錯することで、信仰や孤独、再生といった普遍的なテーマを浮き彫りにします。神々が現代の都市生活の中で葛藤し、人間のように悩み、成長していく様子を通じて、観客は自身の存在や生き方について深く考えさせられます。

舞台美術と音楽のクオリティが非常に高く、神々の存在感や時空を超えた力が視覚的・聴覚的に表現されています。神々の力強い存在感を表すための豪華なセットや、空間に響き渡る壮大な音楽は、観客を作品の中に引き込む没入感を生み出します。演劇の舞台としての美しさだけでなく、観客がその物語の一部として体験できるような感覚を提供します。

作品が描くテーマは深遠で、信仰の揺らぎや現代社会における孤独感を神々という象徴的な存在を通じて探求します。そして、再生と復活のテーマは、神々の試練を通じて観客に希望を与え、無力さを乗り越える力強さを感じさせます。現代社会に生きる私たちにとっても、神話と現実を重ね合わせることで、自己を再確認し、新たな価値観や生きる力を見出すことができる作品です。

stray gods(ストレイ ゴッズ)
■Sota Drama Theatre
住所:1 Zubir Said Dr S227968
最寄り駅:Bencoolen駅
開催期間:5月30日 20:00~、5月31日 20:00~、6月1日 20:00~
開催時間:1時間
WEBサイト

 

無料で楽しめる!市民参加型イベントも多数

SIFA(シンガポール国際芸術祭)の魅力は、有料公演だけにとどまりません。無料のアート体験も豊富に提供されており、シンガポール市内のさまざまな場所で誰でも気軽に参加できるイベントが開催されます。

これらの無料プログラムは、芸術をもっと身近に感じられる機会を提供し、地元の住民や観光客が自由に参加できる点が大きな魅力です。例えば、街頭パフォーマンスやインスタレーション、オープンエアの音楽演奏など、誰でもアクセスできるアートが日常の中で楽しめます。シンガポールの多様な文化を反映したイベントが、都市のあちこちで展開され、観客はその場に立ち止まり、自然にアートと触れ合うことができます。

また、SIFAでは地域コミュニティとのつながりを大切にし、市民参加型のワークショップや無料のパフォーマンスも盛り込まれており、芸術が日常の中に浸透するチャンスを提供しています。これにより、アートがより多くの人々に届けられ、芸術の普及と共に地域社会の活性化にもつながるのです。

芸術祭の魅力を存分に楽しむために、SIFAは単なる鑑賞の枠を超えて、参加する楽しさを提供しています。

SIFA Pavilion(シファ パビリオン)

出典:SIFA

SIFAの中核を担う交流スペースでは、インスタレーション展示、ワークショップ、トークセッションなど、多彩なアート活動が繰り広げられます。

このエリアは、訪れる人々がアートと触れ合い、参加することでより深い体験を得られる場所となっています。特に、インスタレーション展示では、視覚芸術と空間の融合を楽しみながら、アーティストの独創的な表現を体感することができます。また、ワークショップでは、アートの制作過程やテクニックを学びながら、参加者自身がアーティストとなり、創造的な活動に没頭できる貴重な機会です。

さらに、トークセッションでは、国内外のアーティストや専門家と直接対話をし、アートの背景や制作過程について深く掘り下げることができます。これにより、観客は作品をただ見るだけでなく、その思想や意図をより理解することができます。

夕方になると、音楽ライブが始まり、地元のアーティストたちが舞台を盛り上げます。ライブパフォーマンスは、フェスティバルの活気を感じさせ、観客が音楽を通じて地元の文化と交流できる素晴らしい機会です。音楽を楽しみながら、アーティストや他の参加者とのネットワーキングもできるため、フェスティバルの交流の場として非常に活気に満ちています。

このように、SIFAの交流スペースは、アートに対する深い理解を促進し、観客とアーティストが共に楽しみ、学び、交流できる特別な場所となっています。

SIFA Pavilion(シファ パビリオン)
■Bedok Town Square
住所:11 Bedok North Street 1, #02-03 & #03-04, Heartbeat@Bedok, S469662
最寄り駅:Bedok North 駅
開催期間:5月16日~6月1日
WEBサイト

 

The Sea And The Neighbourhood(ザ シー アンド ザ ネイバーフッド)

出典:SIFA

海辺の暮らしと地域コミュニティをテーマにしたこの野外展示は、旧港湾施設という独特な場所を舞台に、海にまつわる民話や記憶がアートとして蘇ります。この展示では、地域の歴史や文化が強く反映され、海とその周囲の環境に対する深い愛情と敬意を感じさせる作品が並びます。

会場では、地元住民の写真や音声を使用したインスタレーションが展示されており、観客は地域の人々の日常や思い出を通じて、海辺での暮らしに対する理解を深めることができます。

これらのインスタレーションは、単なる視覚的なアート作品に留まらず、地域コミュニティの声を伝える重要な要素となっています。展示の中には、地元の伝説や昔話を取り入れたアート作品もあり、海にまつわる民話が現代のアーティストの視点で再解釈されています。これにより、観客は過去と現在が交差する瞬間を体験し、海に対する感謝や畏敬の念が新たな形で表現されています。

この展示は、海辺の生活と地域の結びつきをテーマにしながら、地元住民の歴史と文化を次世代へと伝える大切な役割を果たしていると同時に、訪れる人々に地域との深いつながりを感じさせる場所となっています。

The Sea And The Neighbourhood(ザ シー アンド ザ ネイバーフッド)
■Bedok Town Square
住所:11 Bedok North Street 1, #02-03 & #03-04, Heartbeat@Bedok, S469662
最寄り駅:Bedok North 駅
開催期間:5月16日 19:30~、5月17日 19:30~、5月18日 19:30~
開催時間:45分
WEBサイト

 

Little SIFA(リトル シファ)

出典:SIFA

子どもや家族向けのアートイベントは、家族全員が楽しめるさまざまなインタラクティブなアート体験を提供します。特に親子連れにおすすめのこのイベントでは、無料で参加できる多彩なプログラムが揃っています。

まず、工作ワークショップでは、子どもたちが自分の手で創造的な作品を作ることができ、アートに対する興味や想像力を育む素晴らしい機会となります。手を動かしながら学ぶ楽しさを体験できるため、家族全員で参加することができます。

また、絵本の読み聞かせのセッションでは、物語の世界にどっぷり浸かることができ、子どもたちの読書に対する興味を引き出す絶好の機会です。語り手の声や表現を通じて、絵本の魅力が深く伝わります。

さらに、ミニ演劇では、子どもたちと大人が一緒に楽しめるショートパフォーマンスが行われ、演劇の楽しさを間近で体験することができます。観客が一体となって参加できるような演出が施されており、家族で笑いながら一緒に楽しむことができます。

これらのアクティビティはすべて無料で提供されており、家族全員がアートの魅力を感じながら過ごせるイベントとして、シンガポールでの素晴らしい家族の思い出を作ることができるでしょう。

Little SIFA(リトル シファ)
■Empress Lawn
住所:10 Empress Pl S179555
最寄り駅:Bedok North 駅
開催期間:5月19日~6月1日
開催時間:4時間
WEBサイト

 

LATTICE(ラティス)

出典:SIFA

最新の照明アートによる光のインスタレーションは、夜の街に幻想的な光の世界を創り出し、訪れる人々に忘れられない体験を提供します。

このインスタレーションでは、照明が巧妙に配置され、色と形が絶妙に調和しながら、視覚的な美しさを引き出します。夜空を背景に、街の一角が一変し、まるで夢の中にいるかのような非日常的な空間が広がります。

特にSNS映えを狙った写真スポットとしても大変人気があり、多くの人々が写真を撮りながら、光の芸術と一緒にその瞬間を楽しんでいます。インスタグラムやTwitterなどでシェアされることで、訪れた証を残すことができ、光のインスタレーションの魅力がさらに広がります。

そのため、観光客だけでなく地元の人々にとっても、光とアートを楽しむための新たな交流の場として重要な役割を果たしています。心を奪われるような光の世界で、訪れる人々が一体となって芸術の力を体感できるこのイベントは、シンガポールの夜をさらに特別なものにするでしょう。

LATTICE(ラティス)
■Funan B2 Underground Pedestrian Link
住所:107 North Bridge Road, #02-04 S179105
最寄り駅:City Hall駅
開催期間:5月1日~6月1日
WEBサイト

 

PRISM 48(プリズム フォーティエイト)

出典:SIFA

48時間限定の即興パフォーマンスと映像のコラボイベントは、まさにその瞬間にしか体験できないユニークなアートの祭典です。

観客は、アーティストたちが即興で織り成すパフォーマンスとリアルタイムで展開される映像のコラボレーションを目撃します。このイベントは、通常の公演とは異なり、その場で生まれるアートの過程を間近で観察できる貴重な機会です。アートの生まれる瞬間を共有することができるため、観客も一種の創造的な体験に参加しているような感覚を覚えます。

パフォーマンスと映像は、互いに影響し合いながら進行し、予測不能な展開が続きます。アーティストと観客が一体となって、即興的なアートの生成に立ち会うことができる、この短期間の特別な体験は、他では味わえない刺激的な時間となることでしょう。

このようなイベントは、アートが常に進化し続ける生きた存在であることを実感させてくれます。時間の制限があることで、より一層、アートに対する期待感や興奮が高まります。

PRISM 48(プリズム フォーティエイト)
■The Art House
住所:1 Old Parliament Lane S179429
最寄り駅:City Hall駅
開催期間:5月31日 14:00~
WEBサイト

 

Creative Responses(クリエイティブ レスポンシズ)

出典:SIFA

市民や学生が自らの手で創り上げた作品を発表するこのプログラムは、SIFAの包容力と創造性を象徴する取り組みのひとつです。フェスティバルのテーマや作品にインスパイアされた参加者たちが、詩・写真・映像・演劇などジャンルの垣根を越え、自らの視点で表現したアートの声を披露します。

プロのアーティストだけでなく、地域に暮らす人々や学生たちが表現者として舞台に立つことで、SIFAはより開かれたプラットフォームへと昇華します。作品にはそれぞれの生活、記憶、感情が込められ、観る人にとっても共感や発見に満ちた体験となるでしょう。

またこのプログラムは、次世代のアーティストやクリエイターを育む場としての役割も担っています。年齢や背景を問わず、誰もが「自分の声」を芸術として届けることができる環境が整えられており、シンガポールのアートシーンの未来を担う原石が、ここから生まれるかもしれません。

Creative Responses(クリエイティブ レスポンシズ)
■Online開催
開催期間:5月16日~6月1日
WEBサイト

 

芸術を通じて世界とつながる特別な時間

出典:SIFA

SIFA2025は、観る者、体験する者、そして創る者すべてに開かれた芸術の祝祭です。演劇、音楽、ダンス、インスタレーション、ワークショップ、トークイベント…あらゆるジャンルの表現が交差し、シンガポールという都市そのものがひとつの巨大なステージへと変貌します。

今年も、アジアと世界の架け橋として、SIFAは国境や文化の壁を超えた創造的な出会いの場を提供しています。異なる背景を持つ人々が、アートを通じてつながり、新たな視点や共感を育む時間が流れます。旅行で訪れる観光客にとっては、シンガポールの文化と最先端の芸術に出会える絶好のチャンス。一方で、現地に暮らす人々にとっても、いつもの街が非日常に染まり、自分の暮らす場所を新たな目で再発見できる機会となるでしょう。

「アートなんて難しそう」と感じている人も、SIFAならきっと楽しめるはず。気軽に参加できる無料イベントやインタラクティブな体験も豊富に用意されています。日常の延長線上にある“ちょっとした好奇心”が、新しい感性を刺激し、あなた自身の世界を広げてくれることでしょう。

この春、あなたもSIFAの世界に足を踏み入れてみませんか?アートは、もっと身近で自由で、あなたの生活をちょっと豊かにしてくれるものかもしれません。

⚫︎記事内容は執筆時点の情報に基づきます。


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この記事を書いた人

SingaLife編集部

シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!

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