シンガポールの歴史と文化が学べる国立博物館 teamLab制作のアートや期間限定の企画展も開催

シンガポールの歴史と文化を学べるシンガポール国立博物館は、1887年に設立されたシンガポール最古の博物館です。シンガポールを象徴する建築物の1つでもあり、シンガポールの過去と現在を伝える常設展では、シンガポールの歴史を深く知ることができます。
国立博物館について

シンガポール国立博物館は、1849年にラッフルズ教育機関の図書館の一部として建てられ、何度か移転した後にフォートカニングパークにも近い、いまのスタンフォードロードに建てられました。1993年から2006年まではシンガポール歴史博物館として、2006年12月には3年半続いた改築工事の後、シンガポール国立博物館としてオープンしました。

シンガポール国立博物館は旧館と新館が並んでおり、ネオクラシカル様式の旧館は1849年に建てられたナショナルモニュメントに指定されている建物です。一階にチケット売り場があり、天井を見上げるとドームの内側にステンドグラスを見ることができます。

国立博物館でシンガポールの歴史や文化を学ぼう
かつて歴史博物館と呼ばれたシンガポール国立博物館では、シンガポールの700年の歴史を伝える様々な展示から、シンガポールの成り立ち、日本占領下の戦時中、そして現在の発展に至るまでを紹介しています。
Singapore History Gallery






2800㎡のガラス張りスペースに常設している展示がシンガポール ヒストリー ギャラリー。1700年代に西洋の旅行者が作成した地図のデジタル映像、展示から始まり、14世紀からの成り立ち、大航海時代、ラッフルズ卿、植民地時代、第二次世界大戦、日本軍占領時代、戦後の独立、現代の発展まで、シンガポールの歴史をストーリーテリング方式で様々なアプローチを用いながら展示、解説しています。
中でも、現首相の父親、リー・クアンユーの追悼コーナーでは、リー・クアンユーがシンガポールに対して行った政策、いかに国を発展に導いたかについて詳細に説明されています。
History of the National Museum of Singapore

チケット売り場からヒストリーギャラリーの間にあるデジタルスクリーンにて、シンガポール国内で多数の壁画を描いている人気の壁画師、イップ・ユーチョン氏(Yip Yew Chong)の壁画を動画にした作品7つを展示しています。昔懐かしいシンガポールの様子を床屋、コーヒー(コピ)作り、サテーの食事風景などの絵画から見ることができます。
また1階にある大階段の裏面に描かれた壁画は、Yip氏が4日間にわたって描いたもの。国立博物館の歴史とコレクション内容を19世紀の風景画をベースにして紹介しています。
Yip Yew Chongさんの公式サイト
国立博物館でアートを楽しもう
Story of the Forest



新館2階には日本のチームラボ(teamLab)による「Story of the Forest」があります。シンガポールの自然と動物に焦点を当て、ラッフルズ卿の下で実務を担当していたという、ウィリアム・ファークアー氏の69もの絵をデジタルアートに変貌させた作品をみることができます。
高さ約15mのドームと空中にかかる橋と回廊で構成される大規模な空間は、作品入口から出口まで全長170mを超え、シンガポールの動植物が生息する森を時間、季節の経過に合わせて変化する様子を表現しています。
チームラボの公式サイト
Singapore, Very Old Trees

シンガポールの写真家、ロバート・ジャオ・レンフイ氏によるシンガポールの古い樹木17枚を紹介する展示会。Story of the Forestの展示に続いて展示されており、続けて鑑賞することができます。
この展示はシンガポール国立公文書館で見つかった古いポストカードからインスピレーションを受けています。ポストカードには100年以上も遡る1904年の樹木が描かれています。
ロバート・ジャオ・レンフイ氏は、彼が撮影した17枚の作品を展示し、それぞれの木にまつわるユニークなストーリーを紹介することで、その木々から見るシンガポール人と歴史と地元の木とのつながりを別の角度から見ることができるようにしています。
なお、この展示会は、SG50の記念会でも展示されました。
期間限定の展示
「Semangat yang Baru:Forging a New Singapore Spirit セガマット ヤン バル:新たなシンガポール精神の形成」2023年4月21日〜11月12日
場所:エキシビションギャラリー B1

シンガポールの基盤を築いた指導者たちが直面した問題や決断など、シンガポールの歴史についての展示です。体験型展示でもあり、来場者が考えながら参加できるものです。
ファウンダース メモリアル記念館への呼びかけに対し、900以上の品物とバックストーリーが集まりました。この中から今回の試験的展示作品は選ばれました。そして来場者の評価により、どれがファウンダースメモリアル記念館で展示されるかの決め手になります。ファウンダース メモリアル記念館オープン後に行く楽しみの一つにもなりますね。
「Now Boarding: Experiencing Singapore through Travel, 1800s – 2000s」旅がテーマの新しい体験型展示:2023年5月27日 – 11月19日
過去から現在まで2世紀にわたって旅行者に人気の旅行先としてのシンガポール。
シンガポールの植民地時代から独立後から現在に至るまで、特別に選ばれた600近い絵葉書、ポスター、版画から旅行用品、食に至るまで、シンガポールが長年にわたり世界にどのように発信してきたか、また世界がどうシンガポールについて発信してきたか見ることができます。

SIA関連の工芸品に加え、昨年ナショナル・コレクションに加わったSIAの象徴的なA380型機の第一世代スイート・キャビン・シートの展示もあります。
レストラン・カフェ・ショップ
<レストラン> |
Flutes(フルート)

博物館のコロニアル調のレストランで、ヨーロピアンヒュージョンメニューを提供しています。
Flutes (フルート) 場所:1階 博物館チケットカウンター横 営業時間:詳しくは店舗にお問い合わせください。 (2023年10月8日に営業終了予定) 電話番号:6338 8770 WEBサイト |
<カフェ> |
Food for Thought(フードフォーソート)

博物館の白亜の建物内で気軽に入れるカフェテリア。
Food for Thought (フードフォーソート) 場所:1階 ヒストリーギャラリー手前 営業時間:月〜金 10:00-18:00(L.O 17:30) 土日 10:00-19:00(L.O 18:30) 定休日:無 電話番号:6338 9887 WEBサイト |
<ショップ> |
SuperMama The Museum Store

シンガポールモチーフのお土産物が揃うギャラリー兼ショップ。
SuperMama The Museum Store 場所:1階 デジタルスクリーン横 営業時間:10:00-19:00 定休日:無 電話番号:9615 7473 |
日本語ガイド
シンガポール国立博物館のFriends of Museumsに所属している日本語ガイドグループでは、ボランティアスタッフが日本語による博物館内のガイドを行っています。現在、アジア文明博物館でも実施中。シンガポールの歴史や文化、アートを学んだガイドスタッフが日本語でわかりやすく展示について紹介してくれます。
日本語ガイドツアーを希望する場合は、チケットカウンターにて申し込みを。毎月の予定はブログで説明されているので、詳細は以下ブログで確認してください。
料金
シンガポール国立博物館入場料
常設展含むすべての展示 大人 S$40、シニア/学生 S$30 子ども無料 常設展とどちらか一つの特別展 大人 S$27、シニア/学生 S$20 子ども無料 常設展のみ 大人 S$15、シニア/学生 S$10 子ども無料 特別展のみ 大人 S$18、シニア/学生 S$14 市民・永住権保持者は入場無料 チケットはこちら |
アクセス
Dhoby Ghaut駅から徒歩5分

シンガポール国立博物館で歴史探求しよう
国内最古の重要な建築物として、また、シンガポールの歴史、文化を多角的に知れる場所としてとても貴重な国立博物館。植民地化以前の時代から始まり、イギリス統治時代、日本統治時代、マレーシアからの独立、現在に至るまでのここでしか見られない歴史的展示物がたくさんあります。移りゆく時代との変化をぜひ国立博物館で体験してみてはいかがでしょうか。
National Museum of Singapore(シンガポール国立博物館) 住所: 93 Stamford Road,S178897 最寄り駅: Dhoby Ghaut駅 営業時間: 10:00~19:00 (最終入場:18:30 ※Story of the ForestとSingapore, Very Old Treesは18:15 ) 定休日:無 電話番号:6332 3659 WEBサイト |
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この記事を書いた人
Natalie
駐在4ヵ国目、2児の母。 日本で旅行情報誌の制作・編集を経て、在住国の海外邦人向け情報誌のライターへ。 お値打ちで美味しいもの、安く手に入る雑貨などを好むプチプラ・ラバー。激辛激甘に目がない。推しのKPOPを聴くこと、ドラマや映画を観ること、ゴミ拾いが趣味。