「つなぐ80」高校生が平和をつなぐプロジェクトに迫ります。【学習塾KOMABAの総合学習】 PR

戦後80年の今年、高校生が立ち上げた平和プロジェクト「つなぐ80」から、平和教育のためのワークショップが学習塾KOMABAで開催されました。戦争を知らない世代の子どもたちの心にどのように響いたのでしょうか。折り鶴が世界を、平和をつないでいきます。
シンガポールの高校生が立ち上げた平和プロジェクト

皆さんは「平和」について考えるとき、どんなことを思い浮かべますか?今、世界で起こっている戦争や紛争が一つもない世界でしょうか?
平和という言葉への想い。一人の高校生が、「平和」という言葉を通して伝えたい想いを届けるべく、「つなぐ80」という平和プロジェクトを立ち上げました。その活動の一環として学習塾でのワークショップを開催し、日本の伝統文化である折り紙の折り鶴を通じて、学習塾の生徒たちに平和を問いました。
平和プロジェクト「つなぐ80」を立ち上げ、学習塾KOMABAにてワークショップを行ったのは現在シンガポールのインターナショナルスクールに在学中の池田虹帆さん。来星した中学2年生の3学期までは、長崎県で暮らしていました。
幼少期から当たり前のように受けてきた平和教育では、さまざまな気づきを得ました。原爆が落とされた長崎と広島では、原爆の投下日は夏休み中であっても必ず登校日となり、原爆投下時刻に学校で黙祷を捧げます。
広島県では8月6日を「平和記念日」として、長崎県では8月9日を「県民祈りの日」と定め、平和を願い祈る大切な日です。池田さんが育った長崎県では、平和という言葉が常に手の届くところにあり、平和とは何かを考える時間や機会が多くありました。時には目を伏せたくなるような残酷な資料を目にすることもあったと言います。
そんな池田さんが来星して1年、日本の戦後80年の年に、この平和プロジェクトを立ち上げ、ワークショップを行ったきっかけを探っていきます。
フィンランドでの経験がくれた気づき

平和というものを常に考える環境で育った池田さん。日本で通っていた塾から声をかけてもらったことがきっかけで、中学1年生の夏休みに「平和の大切さ」を伝えるべくフィンランドへ向かいます。
フィンランドでは、ワークショップの一環として現地の小中高を見学することになったそうです。昼休みの時間、日本から山ほど折って持参した折り鶴を一人ひとりに手渡していきました。英語では「Paper Crane」と呼ぶ折り鶴を見て、「これ知ってるよ!」という反応をくれる学生の多さに驚いたそうです。
フィンランド語が話せなくても、折り鶴がコミュニケーションのツールとなったことに衝撃を受けた池田さんは、この時から折り鶴が交流や平和を伝える1つのカギになるのではないかと考え始めました。
折り鶴に込められた「平和の願い」

シンガポールで通い始めた学習塾、KOMABAで出会った「総合学習」という授業。KOMABAでは、子どもたちが「主体性」を持ち「多様性」を受け入れ「協働性」の中で問題解決を図る授業をいち早く取り入れています。数年後の入試のみならず、未来を生き抜くために必要な確かな力を育てるべく、その種をまいています。
さまざまな学習テーマに沿って学年合同で実施する総合授業は、単に知識を身につけるだけでなく、自らが考え、試行し、そして互いに協力し合いながら「学び」を主体的に進める力を育みます。
総合授業では、普段学校では触れることのできない分野に触れたり感想を抱くことができたという池田さん。KOMABAで行った「平和の授業」=ワークショップのきっかけは、池田さんの熱い提案からでした。高校進学の進路相談時から、池田さんは先生に自身の平和への熱い想いや、それを行動に移して伝えていきたいことを話していました。
そんな中で今年4月、池田さんは大胆なプレゼンに出ます。「KOMABAの総合学習で、私に”平和”についてのワークショップをさせてほしいです!」と、先生に提案したのです。
先生と話し合い、OKは出たものの、授業の構成やスライドは池田さんの仕事です。筆者も実際に池田さんのワークショップを傍聴しましたが、その完成度の高さと力量には感嘆しました。小学生に向けたスライドの完成度や、巻き込み盛り上げていく力、リズムの良い進行、生徒は疑問や興味を抱き、質問の度にたくさんの手が上がっていました。
フィンランドでの経験から折り鶴のことを調べ進める中で、折り鶴が平和や長寿、願い事の成就などを願う象徴として広く世界に知られるきっかけとなった佐々木禎子さんのエピソードにも出会いました。
全4回となったKOMABAでの池田さんのワークショップでは、毎回、生徒さんたち一人ひとりに折り鶴を折ってもらい、折り鶴の羽の部分に「平和への思い」を書き込んでもらう時間がありました。そしてその折り鶴は、この夏、約2,000羽の仲間とともに平和の願いを強く束ねたアート作品となって羽ばたきます。
「つなぐ80」2,000羽に込める一人ひとりの想い



池田さんが進めている平和プロジェクト、「つなぐ80」の発案や立ち上げは、池田さんご本人です。長崎にいる友人や知人と連絡を取り合い、今年で戦後80年を迎える日本、長崎で、自身の平和への想いを形にしたいこと、協力を得たいことを伝えました。そして、その想いは折り鶴を使ったアート作品として形になることに。
池田さんは、120cmの正方形の板の上に、約1,500羽の色とりどりの折り鶴を乗せていき、モチーフとなる大きな絵を完成させていくプロジェクトを立ち上げました。その数千の折り鶴は、プロジェクト発案後、池田さんをきっかけに世界中から寄せ集められたものです。
折り鶴の羽には、たくさんの人たちからの平和への想いが一つひとつ大切にしたためられています。シンガポール以外の国々から届いた「平和」へのメッセージを、池田さんが代筆したものも多くあります。プロジェクトには約2,000人もの人達が参加し、たくさんの人々の想いを乗せた壮大なアート作品が出来上がっていきました。
アートのフレームには、日本各地で活躍されている流木家アーティストである小野さんとのコラボレーションが形となり、長崎が原爆投下を受けた8月9日を完成日としました。
完成したアート作品がこちらです。

完成した作品は、今後、長崎の原爆資料館に寄贈が決まっています。
幼少期から池田さんの受けてきた平和教育は「戦争」や「平和」について考えることを日常的にし、池田さんの一部となってこれまで育まれてきました。そして今、このように多くの声を集め、「平和」という言葉に向き合い、想いを寄せることの大切さを伝えています。
「つなぐ80」の平和プロジェクトでは、さまざまな経験を経て育まれた池田さんの想いや周囲の人々の願いが、アート作品となって強く刻まれました。
原点は広島の少女・佐々木 禎子さんの物語

折り鶴を調べる中で出会った、一人の少女の物語があります。折り鶴が平和を願うシンボルの一つとして世界的に認知されているのは、平和記念公園内にある「原爆の子の像」のモデルともなった、佐々木禎子さんのエピソードをなくして語れないでしょう。
1945年8月6日に広島へ投下された原子爆弾で2歳の頃に被爆し、その代償として彼女は10年後に白血病を発症します。入院中、千羽鶴がお見舞いに贈られたことをきっかけに、「生きたい」という願いを込めて禎子さん自身も折り鶴を折り始めました。
禎子さんが回復を願って最後まで折り鶴を折り続けたという話は世界へ発信され、そのことが折り鶴=平和を祈る、という認識の広まりに大きく影響しています。
ワークショップでの学びと気づき

全4回となった「平和」についてのワークショップを終えた感想を、池田さんに伺ってみました。授業は緊張の連続だったそうですが、できるだけ楽しいものにしよう、と心がけました。そこには、池田さんが幼少期から幾度となく受けてきた平和についての講演会の存在があったそうです。
長崎では、さまざまな年代のたくさんの方の経験談や平和への問いかけを見て、聴いて、噛み砕く機会が多くあったといいます。そのような記憶や経験が、意識的にも潜在的にも力を発揮することとなったのでしょう。池田さんの堂々とした発表は、とても緊張しているとは思えない軽やかさとリズミカルな進行で、前向きな姿勢で活き活きと取り組む生徒さんたちの様子が印象的でした。

授業中のグループワークでは、生徒さんからの質問や答えに驚く場面も。「あなたが思う平和な世界は?」の問いに、”明日がある世界”という回答があったそうです。「明日が保証されている世界」が当たり前ではない人たちが多くいること、そして平穏な明日が来ますように、自分に明日がありますように、と心から願ったことがあっただろうかと考えさせられました。
また、「佐々木禎子さんのおかげで折り鶴の文化が継承されたのではないか?」という意見もありました。折り鶴の文化をそのような視点で捉えてくれたことは、とても興味深かったそうです。
授業の終わりに配布したアンケートには、授業への前向きな感想がたくさん集まり素直に嬉しかったそうです。しかし、もともと授業のきっかけとなったのは、「シンガポールにいる日本人として、平和を考える機会を持ってほしい」という池田さんの強い思いから。
生まれ育った土地が違うだけで、平和教育への時間や機会に差があることを知った池田さんだからこそ、シンガポールで暮らしている日本の子どもたちに少しでも平和について考える時間をもってほしいと思っていました。
授業テーマが戦争のことである以上、ただ怖がらせて終わってはいけないという不安があった池田さんでしたが、さまざまな意見の飛び交う積極的な生徒たちの姿や意欲を見ることができたことを嬉しく思ったそうです。今回、このような機会を持つことができ、自分の平和への想いが伝えられたことを何よりも喜ばしく思ったことでしょう。

池田さんは言います。
「平和な世界を作るために大切なことは?と質問を受けたら、”相手の立場になって考えることが大切”だと思います。それは思いやりの一つでもあります。相手の辛さや立場も理解した上で、対応していけたら争いは起こらないのではないかなと思いたい。”こんな世界になってほしい”という理想ですか?私なら、”平和を願わなくていい世界”を望みます。難しいことですが、父が教えてくれたこの言葉は、私の平和への思いの軸となっています。」
最後に投げかけた、「池田さんの世界は今、平和ですか?」という問いへの答えが印象的でした。
「平和ではないです。」
平和が当たり前で、平和な環境に慣れてしまっている現状を池田さんは厳しく見つめます。それは、平和ボケであって、本当の平和ではない。心から平和について考え、たくさんの想いを束ねて形にしようと努める池田さん。その強い眼差しの向こうに、想いが繋がる未来があることを信じて、一歩ずつ進んでいく彼女の姿を応援せずにはいられません。
学習塾KOMABAシンガポールとは?

指導方針を2つの「ジリツ」として、自律と自立を育むシンガポールの学習塾KOMABAは、海外子女に対してより豊かで、未来の可能性を広げるための指導を続けています。受験へのアプローチのみならず、その先の未来に必要な子どもたちの「確かな力の種」を蒔くべく、幼児期から高校生まで約400名のお子さんの教育に取り組んでいます。
今回の池田さんのワークショップのように、授業やテスト範囲を超えた生きた授業や学びの場を多く持つことで、受験やテストへの対応力だけではない、「人間としての力」を学び取ってほしいとKOMABAは願います。
そのため、「主体性」や「多様性」、「協働性」の中で問題解決を図る授業をいち早く取り入れて、生徒たちの「学ぶことが楽しい!」と体感できるアプローチを大切にしています。このような授業や取り組みは、生徒たちの学びの姿勢そのものを変えていきます。
また、中学受験コースが新規開講してさらにパワーアップ!個別対応や少人数限定クラスで指導をしていた中学受験対策が、2025年の春についに中学受験コースとして生まれ変わりました。
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学ぶ楽しさを体得し、お子さんの心の芯を育みたいご家庭にも、深く、広く学び人間力を育みたいご家庭にもぴったりの学習塾です。
施設情報
学習塾 KOMABA シンガポール![]() ◉オーチャード校 住所:1 Tanglin Rd #03-15 Orchard Rendezvous Hotel S247905 最寄り駅:Orchard駅 営業時間:月~金 13:00-22:30、土 9:30-19:00 定休日:日 電話番号:6736 0727 WEBサイト ◉クレメンティ校 住所:3151 Commonwealth Ave West Grantral Mall #03-02/03 S129581 電話番号:6530 3086 |
平和を願う想いがつながる未来へ
平和を願う思いは、この先もずっと続いていくものでしょう。そして、もしも平和な世界が訪れたとしても、その平和を持続していく努力が一人ひとりに必要です。
佐々木禎子さんの兄である雅弘さんは言います。”「思いやり」の心を持って身近なところから平和を作り上げてほしい”と。身近なところから、私たちにできることは多くあるように思います。
●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。
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この記事を書いた人
SingaLife編集部
シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!