レストランでおしゃべり→ビザ取り消し、彼氏宅訪問→罰金$5,000【シンガポールの外出制限期間の摘発事例まとめ】
屋外飲食で労働ビザ取り消し、彼氏宅を訪れた女性に$5000の罰金などなど
シンガポールで4月7日から6月1日まで実施された外出制限措置期間「サーキットブレーカー(CB)」。マスクの着用も義務となったこの期間中、外出制限を破ったとして、多くの人がシンガポール当局に摘発されました。
そんなケースをまとめた記事です。
「こんなことで摘発されるのか」と思えるかもしれませんが、規律を重んじるシンガポール政府の本気度の高さがうかがえます。
6人が労働ビザの取り消し
シンガポール有数の飲み屋街であるロバートソンキー。シンガポール川の河畔には、お洒落な飲食店が立ち並び、欧米人に人気のエリアです。
そんなロバートソンキーで、サーキットブレーカー期間中の5月中旬に、禁止されている屋外での飲食をしたとして、イギリスやアメリカ、オーストラリア国籍の男女計7人が、シンガポール政府に摘発されました。
シンガポール人材開発省は6月25日、7人のうち6人の労働ビザを取り消した上で、シンガポールで今後働くことを禁止する処分を科したと発表しました。
性別や国籍は明かにされていません。ただ、摘発された当時のストレートタイムズ紙は以下のように伝えています。
イギリス国籍の男性4人は、5月16日の午後6時19分から午後6時44分まで、ロバートソンキーにあるイタリアンレストランに集まったとして、オーストラリアとアメリカ国籍の男女3人は同日午後6時8分から午後6時40分まで、同じくロバートソンキーのビアパブに集まったとして、それぞれ摘発されました。いずれもEPやPRのビザ所持者で、マスクをしていなかったことも監視カメラの映像にとらえられていたということです。
摘発したシンガポール人材開発省は「ビザの種類や国籍に関係なく、外出制限の違反に対しては厳しく処罰する」との声明を出していました。
実際に労働ビザを剥奪された上に、二度とシンガポールで働けないという非常に厳しいものになりました。
ストレートタイムズ紙には、今回摘発された男女が裁判で有罪となり、罰金や懲役刑が科せられたかどうかは明かにされていません。
外出制限違反で有罪となれば、6カ月以下の懲役または1万ドル以下の罰金、またはその両方が科せられる可能性があります。
ロバートソンキーでは、欧米人を中心に、ステイホームの気の緩みが顕著だったため、シンガポール当局が監視カメラを調べるなどの捜査をしていました。
シンガポール人材開発省は、今回のケースも含めてサーキットブレーカーの期間中におよそ140人の労働ビザを剥奪する処分を科したと発表しています。
労働ビザを剥奪されてしまった場合、シンガポール国外に退去しなければなりませんが、引越し手続きやその後の生活をどうするのか、とても気になります。
彼氏宅を訪れた女性に罰金$5,000
離れて暮らす彼氏の家をマスクを付けずに訪れた30代のシンガポーリアンの女性が、外出禁止措置に違反したとして摘発され、5,000ドルの罰金が科されました。
女性の摘発容疑は以下のようなものです。
女性は4月12日午前3時ごろ、ジュロンウエストの自宅からクレメンティウエストにある彼氏の自宅を、5日後の4月17日午後12時半ごろにも彼氏の自宅を訪れていました。
当局は彼氏の自宅近く近くの駐車場を通る女性が、マスクをしていないことも確認したということです。
CNA(チャンネル・ニュース・アジア)によれば、女性は家族と喧嘩して、彼氏に電話したものの彼氏が出なかったため、彼氏の自宅があるHDBを訪れたということです。
彼氏は女性が外出制限違反であることを認識していたため、家には入れずにHDBの駐車場で話し込んでいるところを、近所の人が警察に通報して発覚したとのことです。
女性は彼氏宅を訪れる際に、マスクを身に付けていなかったことも摘発の容疑になっています。監視カメラにバッチリとらえられていたのでしょう。
こちらのケースも、有罪となれば6カ月以下の懲役または1万ドル以下の罰金、またはその両方が科せられる可能性がありましたが、5,000ドルの罰金処分となりました。
待機終了30分前に自宅離れて罰金
自宅待機を終えるわずか30分前に、近所のフードコートに遅めの朝食を買いに行ったとして、1,500ドルの罰金処分となりました。
22歳のシンガポール人の男性は、3月22日の正午に自宅待機措置が解除されることになっていましたが、そのおよそ30分前の午前11時半ごろ、自宅から徒歩7分の距離にあるフードコートで遅めの朝食を購入。
それを食べていた午前11時40分ごろ、役人から携帯電話にビデオ通話の着信が。どこにいるのか所在を確認するためのビデオコールでした。
急いで帰ったものの、自宅を離れたとして起訴されて裁判に。その結果、罰金5,000ドルとなりました。
海外渡航歴を虚偽報告
こちらはこれまでの2つのケースとは異なり、外出制限を破ったケースではありませんが、こちらも非常に厳しい罰則が科せられました。
60代の英国人男性が家庭裁判所を訪れた際に「過去14日間に海外に渡航したことはないか」という質問に対して、実際は14日以内に香港から入国していたにも関わらず、「ない」と虚偽の申告をしたということです。
シンガポール当局はこれを悪質と見て、国外退去とすると共に、再入国も禁止にしました。
男性にはPR保持者の妻がいるそうで、国外退去とされてしまって、どうなったのか気になります。
このケースは外出制限措置(CB)の違反ではなく、虚偽申告を禁じた感染症法の違反だったため厳しい処分が科されました。
このほかにも、14日間の自宅待機期間中にバクテーを食べに行ったり、数カ月前に企画した友人宅での飲み会をCB期間中に実行したりしたとして、摘発されました。いずれもその様子をSNSにアップしたために発覚したそうです。
治安の良さは厳しい処分があるからこそ?
日本と同じぐらい、いや日本以上に治安がいいと感じることがあるシンガポールですが、それも当局の徹底した捜査と厳しい罰則の運用があるからなのかもしれません。
30分間飲み会をしただけ、彼氏の自宅を訪れただけなのに、と思う人もいると思います。むしろその感覚に人の方が多いだろうと推測しますが、それでもシンガポールの当局は徹底的に処罰をします。
サーキットブレーカーは6月1日で終了しましたが、外出時のマスク着用やスーパーマーケットに入る時は、アプリでの手続きが必要です。
「少しぐらいの嘘はバレないでしょう」と思うかもしれませんが、発覚した時の罰則が非常に厳しいので、気をつけましょう。
この記事を書いた人
SingaLife編集部
シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!