ヘン副首相 80億Sドル(約6200億円)の追加経済対策を発表。企業への給与補助は来年3月まで延長、観光クーポン配布

ヘン・スイキャット副首相兼財務相は8月17日、生放送の演説で80億Sドル(約6200億円)の追加経済対策を発表しました。前回までに発表していた雇用支援スキーム(企業への給与補助)がもうすぐ終了しますが、世界経済は依然として低迷しているため、スキームの規模を縮小して2021年3月まで延長するとのことです。

企業への補助金率は、受けた悪影響の度合いにより、業界間で差がつけられています。今回は、最も大きな打撃を受けた部門への補助期間を7ヶ月間、来年3月まで延長し、航空宇宙、航空、および観光の3部門は50%、建設環境部門は30%、そのほかの業界は10%支援すると発表しています。

一方、政府の財政負担を抑えるため、業績が堅調な生物医学、金融サービス、情報通信、テクノロジー企業への補助率は10%に抑え、今年末に打ち切るとのことです。

政府はまた、地元労働者の雇用を増やすための支援策(Jobs Growth Incentive)として、新規雇用者の給与の最大25%を1年間、年齢が40歳以上の場合は最大50%を助成金として支給するプログラムを開始します。詳細は人材開発省(MOM)が今月後半に発表するそうです。

さらに政府は、先月7月に国内観光の振興を目的とした「シンガポール再発見」キャンペーンを始めましたが、この名にちなんだ「シンガポール再発見バウチャー」(SingapoRediscovers Vouchers)3億2000万ドル分を配布すると発表しました。詳細は来月に発表されるそうです。PRや在住日本人が対象になるかどうかはまだわかりませんが、今年は海外旅行が難しいので、お得なシンガポール観光に期待したいところです。

シンガポール第2四半期のGDP成長率は、前年同期比13.2%減と大きく縮小しました。また失業に関しては、第2四半期に6,700人が解雇され、その数は前期の3,220人から2倍以上に増えました。

これに対しシンガポール政府は、新型コロナ対策としてこれまでに4回、総額1000億Sドルの支援策を打ち出してきました。今回の発表はさらなる追加策です。その効果に期待したいですね。

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SingaLife編集部

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