スーパー「レジ袋3袋以上は有料化」ごみ削減で国へ提言、コロナでテイクアウトのごみ増懸念
レジ袋有料化の提言
シンガポールのスーパーを利用する際、プラスチック製のレジ袋を3袋以上もらう場合は客が袋代を負担するようにすべきだ。―こんな案を市民のワーキンググループが1月16日、ごみ削減案として国に提出しました。このグループは各分野の55人から成ります。
店側に対しては、客にマイバッグ利用を促すよう、週に1日は袋を全く渡さない日を設けることも提案に含まれています。
シンガポール国家環境庁と環境水資源省は、この案の検討を進めます。提案には14の内容があります。このうち少なくとも3案が2月27日に選ばれ、追って試行に移ります。
環境水資源省幹部のエイミー・コー氏は「低所得層への影響も考慮し、有料化の悪影響を少なくするようにしっかりと検討していく」と話しています。この一方で「使い捨てのビニール袋はごみ持ち帰りなど、シンガポールの衛生の維持にとって必要だ」とも指摘します。
注意喚起のため、事業者に対しては包装の方法や量などの報告を義務付けました。生産者やスーパーなどの小売りを対象にしたこの施策は2017年に発表されており、今年から実施されます。対象の事業者は今年の包装について記録し、来年にも報告しなければなりません。
コロナ拡大→テイクアウトのごみ増
新型コロナウイルスの感染拡大にともなって、食べ物のテイクアウトのためのごみが増えていることもあり、ごみ削減の動きは重要です。
コー氏は「昨年2020年の1〜10月は、コロナ感染拡大にともなう外出制限措置『サーキットブレーカー』の影響で増えたごみがある。しかし全体でみると、2019年との比較でトータルのごみの量は減っている。経済活動が停滞したためだ」と話しています。
ワーキングルグループの1人ナンジータ・ニアさん(46歳、女性)は「レジ袋の他に、使い捨ての物のごみの量が増えている。テイクアウトの増加と衛生意識の高まりが影響している。新型コロナの感染拡大によって問題が顕在化した」と話します。
シンガポールのごみの総量は2018年から2019年にかけては6%低下しています。しかし、前出のコー氏は「ごみをより減らすための努力が足りない。シンガポールの中で、プラスチックがごみに占める割合は全体の13%で4番目に高い。そのうちリサイクルされているのはわずか4%だ」と話します。
使い捨て「完全廃止案」も
ワーキングループの提案では、使い捨ての食器やカトラリー、包装にも言及があります。例えば、再利用可能な食器一式を国全体に提供しホーカーなどで利用した後、施設に集めて一括して洗浄することを提案しています。
さらに、使い捨てのストロー、くし、カップホルダー、食器を完全に禁止すべきという声もあります。
同時に、使い捨て用品を減量した事業者、特に飲食分野の事業者に対しては、税金面で優遇することも検討されています。
日本では2020年7月からレジ袋が有料化されました。コンビニやスーパーにマイバッグを持参する人が増えました。袋がほしい人は大きさなどに応じて3円、5円などを支払うのが日常の光景になっています。ホーカーなどテイクアウトも一般的なシンガポールでは、どうなっていくのでしょうか。
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この記事を書いた人
SingaLife編集部
シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!