シンガポール・アート・ウィーク(1月30日まで)オンラインとエキシビションで開催!

2021年に9回目を迎えたシンガポール・アート・ウィーク(SAW)。国内外から多くの『アート』を一堂に会し、美術やフィルム、パフォーマンスで観客を楽しませてきたイベントです。2021年は新型コロナ対策で、エキシビションとオンラインのハイブリッドでの開催となりました。

最近思うのですが、このオンライン開催が増えてから、その場の熱い雰囲気を感じられる機会は減りました。反面、いつでも、もしくはその時にオンラインに参加すれば安全に通常より多く、また世界からアクセスができるようになりました。決して悪いことばかりじゃないと思うことがあります。無料のイベントがほとんどなので、どうぞ気軽に試してみてください!

参加するのは、300人余りのアーティストたち

シンガポールのアーティストはもちろん、カナダやオランダ、香港などから総勢300人あまりのアーティストたちが勢揃い。シンガポールのアーティストによる40あまりのプログラムやイベントを含め、100以上のさまざまなイベントは目白押しです。

アジア初のドライブ・スルー、ウォーク・スルーのイベント、MooMooPark!

シンガポール・チャイニーズ・カルチュラル・センター(SCCC)では、インタラクティブ・テクノロジーと電気自動車を使用して、デジタルドローイングを3Dインスタレーションアートに変貌させるイベントが開催されます。The MeshMindsFoundationと地元の8人のアーティストのコラボです。ドライブ・スルーでもウォーク・スルーでも楽しめます。こちらは有料イベントです。なお、入場者には「トーキング・レッドパケット」をプレゼント。北京語、プラス5つの方言が入っているとか。チャイニーズ・ニューイヤーにローカル宅を訪問したときに使えるかも!?

場所:SCCC 6F駐車場 
期間:1月22日から3月28日まで 
ウォーク・イン: 12:00〜17:00(月〜金) 12:00〜22:00(日)※土曜日はウォーク・インなし
入場料:$5/人

ドライブ・スルー:18:00〜22:00(月〜金)12:00〜22:00(土) ※日曜はドライブ・インなし
入場料:$10/人(1台2人まで乗車可能)
チケットはこちら

バス175番のバス停にもアートが!Bus.Stop.Art.

クレメンティからロロン・ゲイランまで走るバス175番。このルートのバス停がアートスペースになりました。ルート内の全てかはわかりませんが、乗車する機会があったら見てみてください。二人の女性キュレーターが選んだローカルアーティストの作品でバス停がアートスペースへと変わっています。テーマはシンガポールでの生活、仕事、どこかで見かけたような風景が映し出されています。疲れて帰った時にこんなバス停が迎えてくれたら、心がほっこりしそうです。

SAW期間以外でも楽しめるものも。

例えばHistoric & Contemporary Methods in Ink Painting。水墨画について習えるビデオプログラムです。4つのパートから成り、必要な道具から線の引き方、筆づかいまで水墨画に必要なことを教えてくれます。これを見ながら、セルフ・スタディしてみるとか、やってみたいですね。

『Light to Night: _-in-Progress 』夜を照らす、アート

Light to Nightは、毎年人気を集めるイベントです。ナショナル・ミュージアムやナショナル・ギャラリーのプロジェクション・マッピングは、鮮やかな色彩で人々を魅了します。SMRTの電車内も色々なテーマで展示会場に早替わりと多彩なラインナップで楽しませてくれるシリーズです。

ザ・アート・ハウス『open books: I Want to Go Home』

The Art House

そんな中でも特に注目したいのは、ザ・アート・ハウスの『open books: I Want to Go Home』です。open booksは、さまざまなアートワークでテーマとなった本の世界を立体的に見せてくれるシリーズです。昨年は「The Worlds of Haruki Murakami」と題し、「海辺のカフカ」などに新しい光を当てました

2021年は、シンガポール人の作家・映画監督であるウエイスリー・レオン・アルーズーが上梓した本「I Want to Go Home」。同名タイトルの映画を元にして制作されます。概要は、2011年に起きた東日本大震災。宮城県女川町に住む高松康雄さんは奥様の祐子さんが津波で行方不明に。

津波でさらわれる直前に奥様の祐子さんから高松さんの携帯に届いたメールに書かれてあったのは「帰りたい」でした。その言葉に応えるために、きっと祐子さんがいるであろう海中を探すために、潜水士の免許を取り、毎週末海に潜る高松さん。

そんな彼のことを知り、長い時間をかけて心を通わせたのが、ウエイスリー監督でした。今回のイベント開催に合わせて、ウエイスリー監督にお話を聞きました。

ウエイスリー監督提供 (左から)日本語翻訳者ミキさん、高松さん、ウエイスリー監督、カメラマン・ジョンさん

2013年に高松さんに連絡を取った時、彼のことを作品にしたいという思いはありませんでした。彼の素晴らしい勇気に心打たれ、ただ話をしたかっただけです。1年かけて高松さんと相互理解を深めた時に、この話を人々に伝えたいと思いました。

本の執筆が決まり、Tokyo Filmixなどから基金をえて、映画化も決まり、まるで車の両輪のようにプロジェクトが始まりました。2017年には、本も映画も完成し、映画は釜山映画祭でプレミア上映され好評を得ました。

高松さんのストーリーを通して送りたいメッセージは、例え全ての人に信じてもらえなくても、自分を信じてやり遂げるという強い思いです。自分自身、大変なことがあると、高松さんのことを考えます。

2011年に妻が行方不明になり、2012年に苦労しながら潜水士の免許を取り、毎週末潜り続けている彼のことを思うと力が出ます。高松さんは、奥様に関わるものは見つけられなくても、他の人の遺品を持ち帰り、遺族の元に返してあげています。全ての人が彼のストーリーから何かを感じてほしい。

今回は、多くの人に改めて知ってもらえる3回目の機会となります。奇しくも東日本大震災発生から10年目を迎える、節目の年に機会をくれたThe Art House、壁画を描いてくれたMural Lingoに感謝しています。

映画のシーンと壁画インストレーションがおりなす美しいアートは、この愛の物語に命を吹き込みます。忘れられない、忘れてはいけない思いをつなぎます。
ぜひ会場でご覧ください。シンガポールにいる皆さんに知ってもらえる機会が来た事は、偶然ではないかもしれません。


open books: I Want to Go Home
期間:1月22日〜2月8日 10:00〜22:00
場所: The Arts House 前庭

In Conversation with Wesley Leon Aroozoo and Miki Hawkinson
日時:1月30日 15:00〜 Open book

他にも興味深いイベントが、オンライン、エキシビジョンで開催されます。命や共生、つながりなどを盛り込んだものもあります。暗くなりがちな昨今、アートは正に心を照らしてくれます。
どうぞウエブサイトで見て、お好きなものがないか、興味ひかれるものがないかチェックしてください!
Singapore Art Week


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この記事を書いた人

林じゅん子

長崎県出身。バブル期の東京で浮かれて過ごし、そのままシンガポールへ。気がつけば20数年!香港映画がきっかけでアジア芸能にはまり、シンガポール初日本人芸能記者(自称)に。ラジオ、雑誌ともに芸能一筋、出会った芸能人は数知れず。 現在はエンタメ以外の3大好物、イケメン、おいしいもの、アニマルネタ目を光らせる。期間限定&新製品にも目がない、ローカルどっぷりジャパニーズ