シンガポール、2022年から2025年までに消費税を9%に引き上げへ

2月26日、シンガポールのヘン・スイキャット副首相兼財務相は、消費税に相当する物品サービス税(GST)の税率を、2022から2025年の間に2%引き上げて7%から9%とする方針を明らかにしました。GSTの税率引き上げは、2007年に5%から7%に上げて以来となります。

主な理由はシンガポールの経常支出の構造的な増加だとし、ヘルスケアなど主要分野へ資金調達をすることでより多くの社会的セーフティネットを提供するためだと主張しています。

たとえば、年間の医療費は、2011会計年度の39億ドルから2019年には113億ドルにほぼ3倍に拡大していると言います。また、ヘン氏によると、2030年までに、シンガポール人の4人に1人が65歳以上となると予測されています。現在は、シンガポール人の6人に1人が65歳以上。高齢化が進むことにより医療費は、2030年までにシンガポールの国内総生産(GDP)の3%を占めるまでに上昇すると推定されています。

さらに、支出が増えるのはヘルスケアだけではありません。
サイバーテロなどの新たな脅威に対応する国防省と内務省の増強、シンガポールの競争力を高めるためのインフラ整備、教育サービスの拡充などの項目が挙げられています。

消費税の増税に合わせて、低所得のシンガポール国民向けの負担軽減策として60億シンガポールドルの「GSTアシュアランス・パッケージ」を予算に計上しています。

経済がまだ新型コロナのパンデミックから回復していないことを考えると、GSTを今すぐには引き上げられません。しかしながら、シンガポールでも高齢化などの課題に直面しており、将来の世代に負担をかけないために、GSTの引き上げは先延ばしにも、引き下げることもできないと述べています。


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この記事を書いた人

SingaLife編集部

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