21歳シンガポール人留学生、ロンドンで人種を理由に暴行を受ける。ライブ配信中の男性が助けに入る

英ロンドンで4月10日夜、21歳のシンガポール人男子学生が、アジア系住民へのヘイトクライム(憎悪犯罪)とみられる被害に遭いました。学生はナイフを持った男に襲われ、顔に切り傷を負いました。ライブ配信中の男性が学生の叫び声を聞きつけ、学生を容疑者から救助する映像が拡散しています。

新型コロナウイルス感染症が拡大するなかで、アジア系住民に対するヘイトクライムが急増しています。2020年の2月にも、英ロンドンに留学する中国系シンガポール人の男性が、人種を理由に複数の男らに殴られる事件が起こりました。

男子学生を助けたシャーウィンさんは事件当時、ロンドン中心部の街を歩きながらライブ配信していました。

シャーウィンさんが公開した映像には、容疑者から殴る蹴るの暴行を受け、道路に倒れる男子学生レイモンド・ヒンさんの姿が映っています。シャーウィンさんがヒンさんの元に駆けつけるも、容疑者は再びヒンさんに近寄り襲い掛かろうとします。周りにいた人々が駆けつけると、容疑者は逃走。その後シャーウィンさんは、緊急通報サービスに連絡します。

一連の流れがライブ配信され、動画はこれまでに15万6000回再生されています。

ロンドン警視庁は0時49分に「ウィットカムストリートで強盗未遂」との通報を受けました。警察によると、頬に切り傷を負ったヒンさんは事件後、病院に運ばれたとのことです。

事件の映像は、複数のオンラインプラットフォームで拡散されました。動画をみた人のなかには事件に懐疑的な見方を示す人もいる一方で、アジア系に対するヘイトクライムではないかという声もあがっています

事件当時のことをシャーウィンさんは、「自分の安全については考えていなかった。とにかく暴行を止めたかったため動いた。この動画をみた人が、何の迷いもなく犯罪の悪化を阻止するために、行動できるようになるのを望んでいる」と述べています。

事件の一部始終はこちらの動画からご覧いただけます。(6:10:00から) 

人種差別は遠い世界の話ではないのだと改めて感じさせられます。差別根絶に向け、当事者としての思考と対話を続けることが求められます。

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SingaLife編集部

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