シンガポール人材開発省メイドの処遇確認で就労先の家庭訪問開始
シンガポール人材開発省(MOM)は4月5日、家事労働者(メイド)の雇用先での処遇を確認する家庭訪問を開始しました。
シンガポール国内では最近、メイドへの虐待事件が続発。
2021年2月には雇用主の主婦がミャンマー人メイド(当時24)に食事を与えないなどの虐待を行い、このメイドを死亡させました。
また、2020年11月には、就労先で繰り返し虐待を受けたインドネシア人メイドが、高層住宅15階のバルコニーから地上まで下り、逃げたという事件が発生し、メイドを虐待した女に10カ月と2週間の禁錮刑が言い渡されています。
こうした事件を受けてMOMは、家庭訪問の際にメイドと雇用主双方と面会し、メイドの生活・労働状況を確かめるとともに、必要時にメイドが支援を求められる連絡先を伝える方針です。
MOMはまた、メイド支援機関の家事従事者センター(CDE)とともに、新人メイドとの個人面談の機会を設け、メイドが就労に伴い問題を抱えていないか確認する取り組みを拡充する計画も発表。
この取り組みは、CDEが2017年以降、就労開始から3~6カ月たったメイドの中から、無作為に抽出。メイドが直面している悩みごとを打ち明けやすいよう、それぞれの母国語で実施しているものです。
新型コロナウイルスの感染拡大以降は、ビデオ電話を通じて行われていましたが、5月からCDE内での対面面談を再開し、1カ月あたり2000人のメイドの面談を実施することにより、年内に国内の新人メイド全員の面談を完了する方針が示されています。
共働きが多く、家庭でメイドを雇うことが、ごく一般的なシンガポール。
メイド、雇用者が信頼し合える就労環境の確立が望まれます。
この記事を書いた人
SingaLife編集部
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