ローカル、インター、日系、それぞれの幼稚園の特徴とメリットについて、シンガポールの教育事情を徹底解説
シンガポールに未就学児を連れて引越した場合、幼稚園に通わせるために準備をする家庭も多いでしょう。シンガポールには大きくわけて日系、インターナショナル、ローカルと3タイプの幼稚園があり、教育方法や価格帯、一緒に過ごす園児など、タイプによって様々な部分で違いがあります。
選択肢があると悩んでしまうのが親の性。幼稚園選びで抑えておきたいポイントや違いを把握して子どもに合ったよい幼稚園教育を選ぶ手助けになるよう、この記事ではそれぞれの幼稚園の特徴を紹介していきます。
日系幼稚園
日本国内の幼稚園と同じ幼児教育を日本語で行う幼稚園のこと。日本にいずれ帰国することを想定しているため、帰国後に日本の幼稚園に通う予定がある方、日本の小学校に進むことが分かっている場合には子どもの負担が少ないからと選択する家庭も多いのが特徴です。
中には、日系インターと呼ばれる日本式の幼児教育を取り入れながら、英語教育をもカリキュラムの中に取り入れている幼稚園もあります。
特徴とメリット
・4月が年度始まり
・日本式の入園式、卒園式あり
・基本的に9時〜15時の保育時間
・日本のカレンダーに合わせた春、夏、冬の長期休暇
・3時以降は課外活動(別途料金)を設けているところが多い
・日本語・日本文化を学べる
・日本式の給食
※園によってローカル給食の場合あり
・園児は7〜9割日本人、もしくはどちらかが日本人親のお子さん
・本帰国や日本人小学校入学が決定している場合、子どもの環境的変化の負担が少ない
・インター校、ローカル小学校への入学を希望している場合でも、幼少期には日本式を知ってほしいという希望で行かせている家庭も
・遊びを通したカリキュラム、工作、体を動かすプログラム、お歌遊び、絵本などがメイン。
・学費(月)※入園料別
1200S$〜1500S$
年少(4歳になる年)〜年長 ※3歳になる年から受け入れ可能な園もあり
通わせている方の声・・・ 日系の幼稚園を選んだ理由は、長く続く海外生活の中で日本の行事にも触れてほしいと思ったのと、日本人学校に進学することを考えていたのでストレスの少ない環境をと思ったからです。英語に触れる機会がローカルやインター幼稚園より少ないのは残念ですが、昔自分が通ってきた行事を同じように子どもがするのを見て、嬉しい気持ちにもなり、通わせて良かったと思いました。 |
ローカル幼稚園
シンガポールのローカルの子ども達が多くを占めるのがローカル幼稚園。働く親が預けるタイプのいわゆる保育園、チャイルドケアセンターもあります。
幼稚園でもシンガポール政府教育省による公立幼稚園、それ以外の私立幼稚園の中でもモンテッソーリ、イタリア系のレッジョ・エミリア、シュタイナーなどがあり、かなり数多く至る所にあります。政府管轄の幼稚園はMOEのWebサイトから検索できます。
特徴とメリット
・1月が年度始まり
・入園式は基本なし、卒園式兼お遊戯会は年に一度あり
・保育時間が7時〜19時等と長い
・長期休みも無いところが多い
・英語と中国語を学べる。マレー語、タミール語選択可能な園も
・平日の父母参加行事が少ない
・ワンボールのローカル式給食・朝食や軽食付き
・園児は8割がシンガポリアン。ただし立地や私立幼稚園の内容により外国人園児が多いところも
・英語は年少からアルファベット、単語、中国語も書き取り、発音からスタート
・学費(月)※入園料別
1000S$〜
1歳6ヶ月〜対象が多い ※0歳児受け入れ可能な園はさらに保育料が高額に
通わせている方の声・・・ 娘が1歳からローカル保育園にインファントケアとして通っています。朝7時〜夜7時まで預かってくれるので、共働き家庭には助かります。決め手はやはり時間と価格で、うちの園は月額1700ドルほど。こじんまりしているからか、とてもアットホームな雰囲気。先生の国籍も様々で、日本にないローカルな行事も体験出来て親も楽しいです。家庭では難しいアクティビティも多く、毎日保育園に着くとテンションが上がっている我が子を見て親としても嬉しいです。(1歳お子様を持つ親御さん) |
通わせている方の声・・・ 英語、中国語を学べるのはもちろんのこと、日本語担当の日本人の先生がいて、日本語を学ぶ時間もあること、また、保育時間が長く、休みがほとんどないこともローカル幼稚園に通わせる決め手になりました。シンガポールやその他諸外国のお友達もできて、楽しく通っております。語学だけではなく、シンガポールの文化や行事に触れ、日本語クラスでは日本の四季と行事を学び充実しています。(5歳お子様を持つ親御さん) |
インター校併設幼稚園
シンガポールに数あるインターナショナルスクールに併設する幼稚園。小学校から高校までのインター校に併設していて、敷地は分かれているケースがほとんどですが、大規模なスクールも多いのが特徴です。
小学校から行かせたいインター校が決まっている場合は、入学しやすさや未就学時から環境に慣れさせるといった理由で入園を決めるパターンも多く見受けられます。
特徴とメリット
・8月、9月が年度始まり
・入園式、卒園式
・保育時間は9時〜14時、15時等。日系より早いところも多い
・長期休みあり、7、8月の夏休み、12月のクリスマス休暇、4月のイースター、10月に一週間程の休暇
・主に英語のみ、中国語、日本語クラスを提供している園も
・アメリカ系、イギリス系、オーストラリア系等その国の文化や欧米文化に特化した行事を体験できる
・園児は欧米系出身が多数、一部ローカルなど
・そのままそのスクール小学部に進学希望の場合には幼稚園からのスタートがベスト
・学費(月)※入園料別
2000S$〜
年少(4歳になる年)〜年長
通わせている方の声・・・ 我が家はインターの幼稚園を選びました。他文化や英語に触れる機会を作ってあげたいと思ったからです。私自身、幼少期に外国の留学生を家に受け入れる活動を両親がしており、大人になってからその経験が役立つ場面が多かったので、娘の将来の選択肢を広げてあげる意味でも今の選択に至りました。また、娘の幼稚園では、毎日1コマ母国語の授業が選択でき、日本の文化や日本語のお勉強もしてくれているので、母国語の発達も心配なく、大好きなお友達と毎日楽しく過ごしてくれています。 |
まとめ
今回は、ローカル、インター、日系の幼稚園について、それぞれ親御さんの感想を交えながら紹介しました。それぞれの良さや特徴に加え、価格やスクールバスの路線などを踏まえた上で、子どもに合った園を見つけたいですね。色々見学したり体験入学する前に知っておきたい情報として、参考にしてみてください。
この記事を書いた人
SingaLife編集部
シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!