駐在夫、子を育てる-14- 環境

これはシンガポールに駐在する妻に帯同し、“駐在夫”として家事や育児に奮闘する日々を綴ったコラムです。シンガポールのフリーマガジン「シンガライフ」誌上で連載しているものに一部加筆して、ウェブでも公開しています。


環境というワードを聞くと半ば条件反射的に頭に浮かぶフレーズがある。「育ってきた環境が違うから、好き嫌いはイナメナイ」。今回は、赤ちゃんを環境に慣れさせることが子育てを結構楽ちんにするぞ、きっと、ということについて。

子育て中の友人(たいていは女性になるのだが)との会話でトピックになるのが「うちの子は少しでも音がすると起きちゃうの」問題だ。

生後5ヶ月となったモモタ(仮名)の場合は、騒がしい環境でも寝付くし、寝続ける。テレビの音はもちろん、ドライヤーをかけても、夜間飛行しているヘリコプターの爆音(シンガポールでは、たまにある謎の飛行訓練?)でも起きない。寝続ける。たくましいのだ。

はじめからモモタがこの環境に順応していたわけではなく、生まれて数日後に病院から家に戻ってきた時は、音には気を遣っていた。けれど、子どもが寝たからといって、生活音ボリュームを低いままにしていては、大人たちの生活がままならない。

「がんばってみるよ、やれるだけ。がんばってみてよ、少しだけ」という心境だ。なので、振り返ってみると、モモタが昼寝する時は、掃除機を遠慮なくかけるというところからスタートして、慣らしていった気がする

家族や友人の話を聞くと「一切の音のしない静寂の空間でないと寝付かない」「家のベッドじゃないとぐずって全然だめ」という赤ちゃんもいる。個性なので善し悪しなんてもちろんない。「夏がだめだったり、セロリが好きだったりするのね」と同じことだろう、きっと。ただ思うのは、それだと親も本当に大変だよなー、だ。

モモタは騒音だけでなく、生後2カ月にして飛行機に乗せられたり、いろいろと連れ回されたりした。

「子どもを優先しないなんて、なんてひどい親だ!」との非難を受けるかもしれないけれど、親には親の事情があるのだ。ただ、騒音の環境下で寝させたり、連れ回したりしたとしても常に思っているのは「なんだかんだ言っても つまりは単純に君のこと好きなのさ」ということなのだ



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この記事を書いた人

SingaLife編集部

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