旧正月のお年玉、紅包(アンパオ)とは?シンガポールの紅包事情を徹底解説!

シンガポールでは年が明けると街中に赤色と金色の装飾が飾られ、旧正月の雰囲気に満ちあふれます。旧正月に欠かせないのが、紅包(アンパオ)。日本のお年玉と似ているようで、少し違うところも?!どんな違いがあるのかを詳しくここで紹介したいと思います。


紅包(アンパオ)とは

結婚式などのおめでたい場にお金を包むポチ袋のような封筒を指します。赤色や金色で装飾され、お札を折らずにそのまま入れられるサイズになっています。旧正月の時期には1年でもっとも目にすることが多い封筒です。「福を分け与える」という意味があり、家族や親戚だけでなく近所の親しい人や職場の後輩などにも配ります。

アンパオの由来と歴史

シンガポールでアンパオと呼ばれている「紅包」は、中国本土で北京語を用いる地域では「紅包 (hóngbāo)ホンバオ」と呼ばれています。アンパオの読み方は福建語が由来となっています。

宗、または清の時代と諸説ありますが、紅包は中国地域で最も重要な祝日である春節において家族や親戚、お世話になった人などに挨拶をするための重要な文化として、「福を渡す」という縁起のいい慣わしとして長い歴史を持っています。

その年の干支や幸福や富を表す漢字、絵柄はとても美しく、赤い色自体に幸福をもたらし邪気を払うと信じられています。

シンガポール独自のアンパオ文化

シンガポールでは福建省で呼ばれている「アンパオ」の名で親しまれる紅包文化。

シンガポールでは、家族だけでなく普段からお世話になっている人にも紅包を渡す習慣があります。旧正月明けに上司から部下へ、掃除をしてくれているコンドミニアムのクリーナーさんへ、通学バスのアンティさんなどにも渡し、日頃の感謝を表します。

金額の相場

特にはっきりとした金額は決まっていませんが、多くの場合S$20未満でOKです。中華圏の文化であるので、偶数が好まれ、特に2と8は縁起がいいとされています。4は死を連想させ、また、コインは葬式を連想させるため、避けるのが無難です。

誰に渡すのか

一般的には、結婚している人から未婚の人に紅包を渡します。

ただ、それに限らず

▪親から子ども
▪成人して働いている子どもから親に
▪既婚のきょうだいが未婚のきょうだいに
▪会社の上司からスタッフへ
▪コンドミニアムのセキュリティへ
▪通学バスのドライバー、アンティ、子どもの習い事の先生

などに渡します。

SingaLifeの編集部では次のような意見が聞かれました。

●日本人スタッフ
毎年お世話になっているローカルの習い事の先生に、紅包を渡しています。何年もお世話になっているのでS$12渡していますが、関係性によって前後するかと思います。他にバスのドライバー、アンティなどS$6〜S$18の額で渡している方が多い印象です。
 
●日本人スタッフ
昨年、コンドミニアムのセキュリティのおばちゃん(シンガポリアン)から息子にアンパオをいただきました!封筒にはメッセージまで書いてくれていて、感動!息子が大きくなった時に渡そうと思い、大事にしまっています。
 
●日本人スタッフ
私はシンガポール在住中は、毎日お世話になっている幼稚園のバスドライバーさん数人に、縁起の良い数字であるS$8をそれぞれ渡していました。

●シンガポリアンスタッフ
私は未婚ですがフルタイムの仕事をしているため、両親に紅包を渡しました。昨年の旧正月には母にS$300、父にS$300の紅包を渡しました。私がもらう場合は、1人につきS$10〜S$20が多いです。

●学校でPTAをしていた時にセキュリティ等学校で働くローカルスタッフにアンパオを渡すということも仕事の一つとしてありました。こういった形でPTAから普段の感謝を伝えられるのはいいなと思った記憶があります。


いつどんな時に渡すのか

旧正月の元日(2025年は1月29日)から14日以内に配るようにしましょう。基本的には14日以内であればいつでも大丈夫ですが、可能であれば旧正月の元日に渡すようにすると良いです。

どんな袋に入れるか、どこで購入できるか

お金を入れる封筒は、この時期にスーパーやレストランを利用するともらえる赤い封筒、紅包を使うのが一般的です。また、文房具屋さんやLAZADAでも購入することができます。

新年快楽、恭喜発財、万事如意などの縁起のいい文言がそれぞれ入った紅包が多いですが、特にどれがいいということはありません。これらの文言はどれも縁起がいいので、デザインやメッセージの好みで選んでよいでしょう。

お金を包む際に注意すること

紅包に入れるお金は古い紙幣を使うのは避け、新札を使用しましょう。旧正月前は新札を求めて人が銀行に訪れるため、行列になるところが多いです。早めに用意をしておくといいかと思います。中に入れる金額は、先に書いたように4の数字は縁起が悪いとされているので、S$4、S$14は避けます。

また、「紅包」の名前のとおり、お金は必ず赤い封筒に入れて渡しましょう。中国ではお葬式の際に白い封筒が使われますので、白い封筒を間違って使用しないように気を付けましょう。

ATMとデジタル推奨について

シンガポールの大手5銀行では、ATMで新札に交換できるサービスを行っています。DBSやPOSBでは、毎年期間限定で新札交換用のATMが旧正月の約1か月前から街中に出現しはじめます。利用回数の制限や利用可能時間については随時公式ホームページをご確認ください。

また、新札を印刷するための二酸化炭素排出を削減するため、近年シンガポール金融管理局(MAS)で呼びかけられているe-hong bao(e紅包)などのデジタル紅包が呼びかけられています。DBSでも公式ホームページから、2025年1月25日までの期間限定で申し込みができますので、気になる方は詳細をご確認ください。

【参考記事】E-Hong Baosで行列を減らし、環境をサポートする


旧正月に紅包を送って祝おう

紅包(アンパオ)は新年を祝い、その年の幸福と安全を祈願する中華系の文化です。紅包を送ることで相手に「福」を渡し、自分にも返ってくると信じられています。紅包を身近な人に渡してその人の幸せを願えば、お互い気持ちよく新年を迎えられます。ぜひお世話になっている人に渡してみてはいかがでしょうか。

●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。


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この記事を書いた人

SingaLife編集部

シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!

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