駐在夫、子を育てる-最終回- パパたちへ

これはシンガポールに駐在する妻に帯同し、“駐在夫”として家事や育児に奮闘する日々を綴ったコラムです。シンガポールのフリーマガジン「シンガライフ」誌上で連載しているものに一部加筆して、ウェブでも公開しています。

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突然ですが、この育児日記も今回が最終回になりました。およそ1年半の連載で、その多くの内容が取るに足らない内容でしたが、シンガポールで駐在夫として暮らしながら子育てに奮闘している心情を少しでも察してくれたのならば嬉しいです。さて、最終回は「すべてのパパたちへ」というタイトルです。


我が家に第一子で、長男のモモタ(仮名)が生まれたのは2020年9月。そこから駐在夫の子育てが始まりました。生まれて間もない儚い状態のときから、もうすぐ18カ月になるまで、モモタと実に多くの時間を過ごしてきました。ほかのどのパパよりも多く過ごしたと胸を張って言えます。

そこで、パパたちへのメッセージ。育児休暇を取得する男性が増えているといいます。それは歓迎すべきことです。が、子育てに手がかかり始めるのは生まれてからすぐ、ではなくてある程度成長してから。乳児のときも数時間ごとのミルクやおむつ交換、夜泣きへの対応などありますが、基本的に寝ていて動かず、神経をとがらせる必要はそれほどありません。

それよりも離乳食が始まり、歩きはじめ、自分の意思を持ち始めるころの大変さは幼少期のそれをはるかに上回ります。育休を取得するのであれば、この時期に取って欲しい、そう願うママは多いはず。

そして、働くパパであっても平日も子育てをして欲しいです。「参加」や「手伝う」という形ではなく「主体的に」。「週末に子どもと遊びに行って、妻に1人の時間をあげているから役割は果たしている」と思っていたら大きな勘違い。子育てや家事は平日も週末も昼間も夜間も関係なしですから。

きっとシンガポールにいる多くの駐在員が有給休暇を持て余しているでしょう。であれば、平日5日間のすべてで有給を取得して、子育てに専念する時間に充てるのはいかがでしょう。子どもの世話だけではなく、洗濯に食事作りに皿洗いなどなど。おそらく配偶者がしているであろう役割のそのすべてを担う期間とするときっといろいろなことが分かるはず。

「俺が食事を作るぐらいならデリバリーを取ればいいじゃん」では解決しません。この先ずっと、デリバリーでやり過ごすことは金額的にも必要な栄養素の面でもほぼ無理。おおよその栄養バランスや味付け、食材を考えながら食事を用意することの気苦労や大変さはやってはじめて実感できます。

ステイケーションも嬉しいけれど、平日の家事育児を担ってくれることはもっと嬉しい!はずです。

シンガライフ誌面での連載は終了しますが、今後は「note」で続けていきます。

リンクはこちら「シンガポールに駐在する妻に帯同した夫の海外子育て記」

モモタの今後や駐在夫の育児奮闘に興味・関心があるという奇特な方は、訪れていただけると嬉しいです。ありがとうございました。



この記事を書いた人

SingaLife編集部

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