シンガポールの気候は?自然災害のリスクは?シンガポールの持続可能な環境への取り組みについてもご紹介!

シンガポールは自然災害のリスクの低い、常夏の国です。近年では大気汚染や気候変動などの問題があり、持続可能な環境維持に向けてさまざまな目標が掲げられています。シンガポールの取り組みや現状についてお伝えします。




シンガポールの気候

シンガポールは熱帯モンスーン気候に属しているため、年中高温多湿です。年間を通して最高気温は30℃前後、最低気温は25℃前後になります。年間の平均気温は26~28℃です。1年中、東京の夏くらいの気温ですが、湿度が高いのでより暑く感じるでしょう。年間の平均湿度は84%、東京の年間平均湿度が70%、梅雨の時期でも80%ほどなので、シンガポールの湿度がいかに高いかわかります。

11月から2月の雨季、3月から10月の乾季に分かれています。乾季は雨が少ないですが、突然のスコールが頻繁に発生します。




シンガポールに自然災害が少ない理由

シンガポールは、地震、津波、台風、火山などの自然災害を受けるリスクがほとんどないと言われています。

まず、シンガポールは国土がユーラシア プレートに乗っており、地震が発生するリスクは非常に低いです。プレート内で発生する内陸型地震もありますが、シンガポールで見つかった断層は活断層ではありません。さらに、陸塊で囲まれた地形上、津波が到達することはほとんどない、と言われています。

また、国土が赤道直下に位置しており、台風が発生するのに必要な「コリオリの力」が赤道上では働かないため、シンガポールは台風の影響をほとんど受けません。火山についても、東南アジアではインドネシア、フィリピンなどに多くの火山があり、噴火の被害を受けますが、シンガポールでは被害を免れています。


シンガポールの大気汚染

シンガポールでは、4月から10月くらいの間に、ヘイズ (Haze) =煙霧 と呼ばれる大気汚染が発生します。毎年、インドネシアのスマトラ島やカリマンタン島で伝統的に行われている焼き畑農業、プランテーション農業用開発のための野焼き、森林火災などによって発生した煙は、風向きによって近隣の東南アジア諸国に流れ込みます。シンガポールでも、島全体に霧がかかったようになり、煙の微粒子によって大気汚染となってしまうのです。

シンガポール国家環境庁 (NEA) は、大気汚染の指数であるPSI (Pollutant Standards Index) の数値と健康被害を5段階に定めており、それによって屋外活動を控える、マスクを着用するなどの対策が推奨されています。


気候変動がもたらす影響

自然災害の影響を受けることの少ないシンガポールですが、近年は、年間平均気温が上昇したり、降雨が少ない年があったりと、気候変動の影響が感じられます。島国であることから特に、海水面の上昇が脅威とされています。

また、気候変動による気温上昇が続けば、デング熱などの熱帯病の感染拡大や、農産物生産への影響など、シンガポール経済に影響する可能性も示唆されています。


シンガポールの環境政策の歴史

大気汚染や気候変動といった環境問題を抱えるシンガポールですが、緑豊かで美しい国というイメージをお持ちの方も多いことでしょう。これは、1967年に当時の首相、リー・クワンユーが、清潔で緑豊かな国である必要性を唱え、「ガーデン シティ」のビジョンを導入して以来、シンガポール政府が続けてきた緑化政策の成果です。

1970年代になり、シンガポールが急速な経済発展を遂げると、工業化や都市化の影響で環境汚染が深刻化しました。これを受けて、シンガポール政府は、大気汚染や水質汚染への対応も実施し、以来、環境都市を目指す取り組みが進められています。2012年にオープンした「ガーデンズ バイ ザ ベイ」も、シンガポール政府が力を入れている国土緑化政策の象徴的な存在です。





シンガポール グリーン プラン 2030

近年、環境問題や気候変動への関心が高まる中、シンガポール政府は、2021年に、環境行動計画である「シンガポール グリーン プラン 2030」を発表しました。取り組むべき課題として、「太陽光発電など環境に優しいエネルギー利用」「環境に関連した新たな産業(グリーン エコノミー)、雇用の創出」「街路樹の植樹拡大など都市の自然環境の改善」「二酸化炭素 (CO2) の排出削減など持続可能な生活環境の整備」「未来の気候変動への対応」の5つが挙げられています。

環境問題への具体的な目標として、

・2030年までに公団住宅地区のエネルギー消費を15%削減
・ガソリンやディーゼル燃料の内燃機関車を2040年までに段階的に廃止
・年間の植樹本数を2倍とし、100万本を植樹、自然公園の面積を2020年比で50%以上拡大へ
・2030年までにピーク時の通勤客の75%が公共交通機関を利用するようにする
・2026年までに埋め立て地に送るごみを1日1人当たり20%削減、2030年までに同30%削減

などが掲げられ、さらに、気候変動への対策として、

・2030年までに食料自給率を栄養ベースで30%に引き上げる
・海面上昇への対応で海岸線を保護へ

といった内容も盛り込まれています。

国内での持続可能な環境維持を目指すと同時に、シンガポールが環境プロジェクトに特化した資金提供を行う、グリーン ファイナンスの東南アジアの一大拠点となることを目指しています。


持続可能性への取り組みをさらに強化。今後のシンガポールに注目

今までも多くの環境政策が実施されてきたシンガポールですが、「シンガポール グリーン プラン 2030」にあるように、今後もさらに持続可能な国づくりに力を入れ、美しい都市国家として成長を続けていくことでしょう。これからもぜひ注目したいところです。

●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。



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この記事を書いた人

SingaLife知りつくし隊

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