シンガポールの首都や面積、人口などの基本情報とその裏話を解説!

短期間の滞在でも長期の滞在でもシンガポールについて詳しく知りたくなるものです。シンガポールはバラエティ豊かな文化が入り混じったことで成長してきたユニークな国です。シンガポールの歴史、首都、気候、文化といった基礎知識に加えて観光スポットや代表料理も紹介します。



シンガポール建国の歴史

シンガポールが歴史において言及されたのは、3世紀の中国の文献にて、Pu-luo-chung(プ・ルオ・チャン)=「半島の先端にある島」と記述されたのが初とされてます。

後に、14世紀にパレンバンという国の王子が、狩猟の最中に獅子のような動物を見かけたとのことで、サンスクリット語で「ライオンの都市」を意味する「Singapura」(シンガプーラ)と名付けられました。そして、シンガプーラはさまざまな国や地方の船舶が行き来する交易拠点として栄えます。

1819年に東インド会社が、シンガポールをインドから中国に向かう上での貿易船の寄港地に適していると考え、シンガポールに商館を建設しました。それから植民地建設を進め、シンガポールはイギリスの植民地となりました

そして、植民地となったシンガポールに世界中から人が集まり、人種ごとの住み分けによる統治が行われました。19世紀になると、シンガポールは貿易と貿易の中継をする中継貿易で栄えます

第二次世界大戦時には日本に支配され、昭南島と改名されましたが、日本が撤退した後に再びイギリスに支配されました。しかし、1958年にイギリスの自治州となり、63年にマレーシアと併合する形でイギリスから独立することになります。

シンガポールは首相リー・クアン・ユーの下で経済成長を果たすとともに、外国資本の工場を誘致して、労働力を育てていきました。国家主導型の開発を進めたシンガポールは、報道規制や選挙制度の工夫も巧みに行うことで工業化を進め、今のシンガポールの形が出来上がったのです。




意外と知らないシンガポールの首都はどこ?

日本に住む親戚や友達から「そういえば、シンガポールの首都ってどこなの?」と聞かれ、答えに窮する…という方も多いのではないでしょうか?

その回答としては「シンガポールの首都は、シンガポール」です。

シンガポールは日本のように「東京都」や「大阪市」といった地方自治体がなく、シンガポール全体が一つの行政区分となるため、「シンガポールの首都は?」と聞かれたら「シンガポール」ということになるのです。

シンガポールのように国全体が首都となる国は都市国家と呼ばれ、モナコなども都市国家の例としてよく挙げられます。


面積は東京23区と同じくらいで観光もしやすい!

シンガポールはメインのシンガポール島のほか、大小およそ60個の島からなる島国です。合計した国土面積は約720㎢で、東京23区の面積627.5㎢と同じくらいです。

端から端まで車で移動すると1時間足らずで移動できてしまうので、どの観光スポットにも短時間で行くことができてとても便利です。実際、先日日本への一時帰国の際にシンガポールの南側にある筆者の自宅から東側のチャンギ国際空港までタクシーで移動したところ、20分ほどで到着しました。

また、東京に住んでいると大阪のおいしいお店を紹介されてもなかなか行くことはできないものですが、シンガポールの場合、友人からおいしいお店やおすすめの観光スポットを聞いたときに距離が近いためすぐに行くことができるのがメリットだと感じます。

ただシンガポールの国土面積は少しずつ拡大しており、1960年以来、輸入した砂で海岸を埋め立て続けて約24%も拡張したそうです。かの有名なマリーナ・ベイ・サンズも埋立地に建てられました。




シンガポールの主な観光スポットは?

シンガポールでまず訪れたい場所といえば、ビジュアル的にとても象徴的なマーライオンパークは外せません。シンガポールというと、まずこの巨大なマーライオンの像を思い浮かべるという方も多いです。

他にも、ホテル マリーナベイ サンズにある世界最大のインフィニティプールは、超高層ビルを3つ連結させることで実現した地上57階という目を瞠る高さにあることで知られています。宿泊者だけが利用できるので、思い出づくりやインスタ映えにもおすすめです。



世界初の夜行性野生動物園であるナイトサファリでは、約100種類、900頭以上の動物を見ることができます。41%が絶滅危惧種というナイトサファリの動物は、保護活動も熱心に行われている世界的に高い評価を得ている動物園です。



それ以外にもセントーサ島にはユニバーサルスタジオシンガポールなどがあるリゾートアイランドのセントーサ島や、101ha超の巨大植物園であるガーデンズ バイ ザ ベイなど、シンガポールには多くの観光名所があります。




シンガポールの人口を東京と比較するとどれくらい?

シンガポールの人口は2023年時点で約592万人(うちシンガポール人・永住者は415万人)です。2020年~2021年までコロナ禍の影響により外国人が減り、全体的に減少傾向にありましたが、2022年は渡航規制が緩和したためか、増加傾向になりました。

しかし、依然としてコロナ禍前の人口を下回っています。対して東京23区の人口は約979万人(2023年12月)なので、シンガポールの人口は東京23区の約半分ほどとなります。

実際にシンガポールでは東京都心のような満員電車を経験することはありませんし、駅などを歩いていても人混みを感じることはほとんどありません。(クリスマスシーズンのオーチャード駅など、時期によっては人が多い!と感じることもあります)

また日本の外務省の統計によると、2022年10月時点でシンガポールに住んでいる日本人は3万2,743人と言われています。この数字はシンガポール総人口の1%にも満たないですが、肌感として街で日本人とすれ違う頻度は多く感じます。


シンガポールと日本の時差はどれくらい?

日本とは1時間の時差があり、日本の方が1時間進んでいます。でも、経度がほぼ同じタイのバンコクやインドネシアのジャカルタは時差が2時間なので、少し違和感を感じます。

理由はいろいろありますが経済的競争力を保つため、香港や上海の株式市場と開始時間を合わせる、とシンガポールが独立したときに決めたという説があるそうです。

だからシンガポールは、太陽の位置と時計の表示とのギャップが大きく感じ、朝は7時まで暗いなんてこともあります!




シンガポールの気候は?

熱帯モンスーン気候に属しているシンガポールは、一年を通して高温多湿です。年間平均気温が26〜28℃、年間平均湿度が84%ですので、東京の年間平均湿度70%をさらに高湿度にしたような気候と言えるでしょう。

また、11月から2月までが雨季、3月から10月までが乾季にわかれ、雨が少ない乾季でも突然のスコールが頻繁に発生するので、注意が必要です。




シンガポールの公用語は?

公用語は英語、中国語、マレー語、タミール語の4言語で、第1言語は英語です。

国語はマレー語なので、国歌はマレー語で歌われます。ナショナルデーパレードのときに気づかれた方もいらっしゃると思いますが、兵隊さんの号令もマレー語ですね。

そうなるとマレー人が多いのかな、と思いますが、民族の比率では、中華系76%、マレー系15%、インド系7.5%(2019年6月)で、中華系が大半を占めています。マレー語が国語なのは、歴史的な理由からだそうです。実際にシンガポールの街を歩いていると、人々の会話やアナウンスなど中国語を耳にする機会はとても多いです。

一部中華系のレストランでは、中国語しか話せない中高年の店員さんがいることもあります。また、マーケットやマッサージ店などで中国語で話しかけられることもしばしばありますが、英語で聞き返すと英語で話してくれるケースがほとんどです。




シンガポールの宗教は?

多民族国家のシンガポールでは様々な宗教を持つ人が共存しています。具体的には仏教、イスラム教、キリスト教、ヒンドゥー教、道教など多岐にわたり、寺院やモスク、教会なども街の至るところに点在しています。中国式寺院のすぐとなりに、ヒンドゥー系寺院が軒を連ねるというのもシンガポールらしい光景の一つです。

このようにたくさんの宗教があるシンガポールですが、それぞれの宗教の祭日が国の祝日として制定されており、同じシンガポール人として共に祝おうとする文化があります。

5月のべサックデーではお釈迦様の誕生日やハリラヤハジという「犠牲祭」とも呼ばれるイスラム教の祭日を祝ったり、また10月はヒンドゥー教の光の祭典・ディパバリでリトルインディアの街並みがイルミネーションで彩られます。12月のクリスマスも多くの場所でイルミネーションやイベントが開催されたりと、一年を通じてさまざまな宗教のお祝いを経験することができます。

生活をしているだけでそれぞれの文化を体感できるのは、シンガポールならではの魅力的な点です。


シンガポールの国旗

1959年に制定されたシンガポール国旗は、上下を二分して、上が赤、下が白になっています。赤は「普遍的な親愛」と「人類の平等」を、白は「澄みわたり、永遠に続く純潔と美徳」を意味しています

また国旗の赤いところの左上には白い三日月があり、その隣には五つの星が円形に配置されています。この三日月は「勢いのある若い国家」、五つの星は「民主、平和、進歩、正義、平等」を表しています。

このようにシンガポールの建国の想いが詰まった国旗は、国家のアイデンティティを示す大切な象徴です。こうした経緯からシンガポールでは国旗の取り扱いルールが細かく決められており、ルールに違反してしまうと罰金も課せられるので注意が必要です!


ただし毎年7月1日から9月30日までの建国を祝う期間においては、そのルールが緩和されます!これは8月9日のナショナルデー(建国記念日)を盛大に祝うためです。

実際にこの時期にはHDBやコンドミニアムのベランダに住民が国旗を飾ったり、スーパーではミニフラッグやタトゥーシールなど国旗デザインのグッズがたくさん売られるなど、国旗をグッと身近に感じることができます。

 

シンガポールの代表料理は?

シンガポールはマレー・インド・イスラム・中国南部と多様な地域の影響を受けていることから、料理もバリエーション豊かです。海南チキンライス・バクテー・鴨飯などがシンガポールの料理として人気で、それだけではなくシンガポール独自の代表料理もあります。

<チリクラブ>

シーフードはシンガポールにおいてとてもポピュラーな料理であり、中でもチリクラブはシンガポールならではの人気料理です。

チリクラブはエビチリのエビをカニに変えたような料理です。ソースに溶き卵やトマトソースを入れたり、チリソースではなくブラックペッパーソースで炒めたりと店ごとのアレンジを楽しむことができます。



<ロティ プラタ>

シンガポールの代表料理として人気なのが、ロティ プラタです。インド南部の移民がシンガポールに持ち込んだのが由来とされるロティ プラタは外がカリカリ、中はバター風味で朝食に人気のメニューです。こちらもプレーン以外にも、卵やにんにく、チーズが入ったものと店によるアレンジが豊富です。


<プラナカン料理>

中国料理とマレー料理が融合したプラナカン料理から発展したニョニャラクサは、ココナッツミルクと乾燥エビで味付けしたスープにビーフン、エビ、ハイガイなどが入った麺料理です。



<モッド シン>

モッド・シンはモダン シンガポールの省略。その名前の通り、モッド シンはシンガポールの屋台料理や伝統料理を現代的に再構築したものです。

モッド シンの有名なレストランには、日本のラーメンとワンタンを融合させたア ヌードル ストーリーなどがあり、日本伝来の料理も興味深いアレンジが加わっています。


シンガポールをもっとよく知って、生活を楽しもう!

今回は、住んでいても知らないかもしれない、シンガポールの基本情報を紹介しました。

あと一つ、追加すると、シンガポール中心部を東西に走る道路「ビーチロード」は、以前は海岸線だったからビーチロードと呼ばれているそうです。

東部「マリンパレードロード」から東もビーチだったので、その道路脇にはそれを示す杭が打たれているんですが、現在はMRTなどの工事中で確認できません。工事が終わった頃に散策する機会があったら、探してみてくださいね。

基本情報を紐解いていくと、シンガポールの歴史が伺えて興味深いものです。この記事を参考にご自身でもっと深掘りしてみませんか?シンガポール生活がより楽しくなること間違いなし!です。

●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。



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この記事を書いた人

SingaLife知りつくし隊

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