強い日差しに負けない!日焼け対策のアレコレ 皮膚科の先生に聞きました

1年中日差しの強いシンガポール。皆さんはどのように紫外線対策をされていますか?

日焼け止めの選び方や、子どもがすべき対策など、普段からの疑問に「二ホンプレミアムクリニック」 皮膚科医の菊地夕子先生がお答えくださいました。




日焼け止めの選び方

Q:紫外線対策といえば日焼け止めを思い浮かべます。お肌にとって日焼け止めを使うことは良いことですか?

はい、そうですね。ぜひ日焼け止めを使ってください。日焼けの影響で皮膚が赤くなったり、水ぶくれができたり、やけどのダメージを皮膚に与えてしまいます。そして、皮膚の老化の8、9割は日々の紫外線によるものです。

長い間シンガポールで過ごしていると、気を付けてケアしている方とケアしない方では、10年後、20年後に肌のたるみやシワの出方に差が出てくると思います。


Q:日焼け止めの種類を教えてください。

サンスクリーンは、大きく「紫外線散乱剤」と「紫外線吸収剤」の二つに分けられます。以下のように、それぞれ異なる特徴を持った2種類の日焼け止めが存在します。

【紫外線吸収剤】
紫外線吸収剤は、化学的な仕組みでエネルギーを吸収し、熱などのエネルギーに変換して紫外線が皮膚の細胞に影響を与えるのを防ぎます。

メリット
◆透明性が高く白浮きしない
◆伸びがよく使いやすい
◆汗で崩れにくい

デメリット
◆成分によっては敏感な肌の方にかぶれを起こす可能性がある。

紫外線吸収剤「オキシベンゾン」や「オクチノキサート」の成分は海洋生物やサンゴ礁に悪影響を及ぼしているという研究結果が報告され、一部の地域で使用禁止されている。

【紫外線散乱剤】
紫外線散乱剤は「ノンケミカル」とも呼ばれ、単純にお肌の上で紫外線を跳ね返して紫外線の影響を防ぎます。成分は主に酸化チタンや酸化亜鉛の2種類が使われています。ノンケミカルという表示がある場合は、吸収剤が入っていないことを意味します。

メリット
◆肌に刺激が少なく、かぶれにくい
◆海の環境へ悪影響が少ない

デメリット
◆白浮きしやすい
◆伸びが悪く使いにくい
◆汗に弱い
◆紫外線を防ぐ力が弱い

 

Q:紫外線吸収剤タイプの日焼け止めはあまり体に良くないという声も聞こえてきますが、先生はどのようにお考えですか?

A:最近の日焼け止めは、極端に肌が敏感な方でない限り「紫外線吸収剤タイプ=刺激的、一律で肌に悪い」というわけではありません

長時間の屋外レジャーの時だけは吸収剤を含むウォータープルーフタイプを使うとか、肌が刺激を感じやすくなっている日は散乱剤タイプを選ぶなど、肌と相談しながら選ぶと良いでしょう。また、散乱剤タイプで刺激が少ないとされていても、肌質に合わなければ炎症やトラブルを招くことがあるので注意しなければいけません。



Q:日焼け止めの紫外線ブロック力を表わす、「SPF」と「PA」の違いについて教えてください。

「SPF」は紫外線UVB波を防ぐ数値を指し、数値が大きいほど、防止効果が高くなります。紫外線によって起こる急性の炎症(サンバーン)の防止効果の程度を表しています。

「PA」はUVA(長波長紫外線)防止効果の程度を意味します。防止効果の程度は+、++、+++、++++の4種類で表し、+が多いほどその防止効果は高くなります。UVAはシミ、シワの原因となります。

紫外線が強い場所では、「SPF」と「PA」両方の数値が高く、UVAもUVBもしっかりブロックしてくれるものを選んだ方が良いでしょう。


Q:「SPF」が高いと肌への負担になりますか?

以前は高いSPF・PA値の日焼け止めは紫外線吸収剤を使ったものが多かったため、肌に負担がかかりやすいというイメージが浸透したのかもしれません。最近は紫外線吸収剤をコーティングして、肌に刺激を与えにくくしている商品もあります

肌への影響は肌質や体質によって違うので、いきなり顔に使ったりせず、上腕の内側でパッチテストをして、かぶれがないか確認してから使用することをオススメします。生活スタイルや肌質などを考慮して、自分に合うものを使うことが大事ですね。


Q:日差しの強いシンガポールでのおすすめSPF値を教えてください。

A:シンガポールでのちょっとした外出の場合でしたら、SPF20〜30でも大丈夫だと思います。しかし、長時間の外出だとSPF50は必要。その日のアクティビティによって使い分けることをお勧めします。

シンガポールの場合、UVインデックス(どれくらい紫外線が降っていて、皮膚や目にダメージを与えるかの数値)が年間を通じて7以上あります。日本の2〜3倍の紫外線が年間を通じてあることになるのでちょっとした外出でも日焼け止めは塗った方が良いです。

また、SPFの数値が高くても塗り方が不均等だったり、塗る量が少ないと効果は薄れます。長時間日に当たる場合は、2-3時間毎に塗り直しましょう。汗をかいた場合はなるべく汗を拭き取ってから塗り直してください。基本的には容器に指示されている正しい量をしっかりと塗りましょう。


Q:「飲む日焼け止め」は有効ですか。

A:「ファーンブロック(ヘリオケア)」と「ニュートロックス」が有名ですが、外用の日焼け止めに比べると効果はあまり期待できません。よってこれらを服用した場合でも日焼け止めは塗らなければいけません。また、飲む日焼け止めはUVBしかブロックしません。内服だけに頼ることは避けたほうが良いと思います。


Q:すっぴん or フルメイク、どちらが肌に負担がかかりますか?

A:フルメイクをした方が紫外線の防御力は高まると思います。大抵の下地、ファンデーションには日焼け止め効果がある成分が含まれているので、しっかりメイクすれば日焼け止めの効果は上がるかもしれません。しかし、メイクを落とす場合には、軽いメイクよりもストレスをかけてしまう気もします。

また、屋外に長時間外出するのであれば、塗り直しも考えると、フルメイクはしなくても日焼け止めは塗って出かけた方が良いのではないでしょうか。


子どもの日焼け対策

Q:日光から骨を作るビタミンDを摂取できるため日焼け止めを塗らない方が良いのでは?など、子どもが日焼け止めを塗ることに賛否両論の意見があります。

A:確かにビタミンD生成に役立つので、子どもは日焼け止めを塗らないほうが良いという考えもありますが実際は1日の内に手の甲の面積で約15分、日光が当たれば良いようです。つまり、普通の買い物や通学時間で十分、ビタミンDが作られています

また現代では、食べ物や飲み物で十分補うことができます。シンガポールでは日光によるビタミンD生成は十分と考えられるので、日焼け止めでしっかりと紫外線をブロックすることが大切です。


Q:子どもも帽子をかぶったり日焼け止めを塗った方が、将来的に皮膚がんや老化が早まるリスクを下げることに繋がるということでしょうか?

A:はい、ちゃんと予防をして、日焼けをしすぎないことはがんや老化を防ぐ為にとても大切なことだと思います。

とはいえ、シンガポールに住んでいると日焼け止めを塗っていても、少しずつ色が黒くなってきている方が多いと思います。なぜ日焼けして肌が黒くなるかというと、実は体の防御反応で、メラニンの帽子を作って皮膚細胞の奥に紫外線が届かないようにしているので、悪いことではないともいえます。しかし、日焼けによるやけどとなると細胞にとってダメージは大きく、繰り返すことは老化を早めるどころか皮膚がんのリスクを高めます。

肌が赤くなる状態や、水ぶくれができるような状態は、熱湯やオーブンでやけどを起こすのと同じです。外来で、シンガポールでもビーチで日焼け止めを塗らずに過ごして、背中が水ぶくれ状態になってしまう方がいらっしゃいますが、これは肌にとってとても危険なことです。

子どもは皮膚も薄いので、紫外線のダメージを受けやすく、絶対にやけどをさせてはいけません。屋外で遊ぶときは、帽子をかぶせたり、日焼け止めを塗ってあげましょう。


医師紹介

菊地夕子医師

皮膚科担当医
順天堂大学医学部卒
医学博士
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
日本美容皮膚科学会会員

●乳幼児、小児、成人の一般皮膚科診療、顕微鏡での真菌検査、ダーモスコピーによる検査、ほくろなどの皮膚腫瘍外来手術、しみ美容相談などを行っています。患者さんの声に耳を傾けて、丁寧に診療することを心がけています。

 

日焼け対策はマスト!日焼け止めを正しく使おう

シンガポール特有の紫外線の強さで気を付けないといけないことや、子どもの紫外線対策、日焼け止めの知識も幅広く教えていただきました。たかが日焼けとあなどっていると、シミやそばかす、シワなどの悩みの元に繋がりますね。またやけどのような重度の日焼けをすると、皮膚がんなどのリスクも高まることを知りました。基本は日焼け止めをしっかり塗ることでしたね。菊地先生、貴重なアドバイスをありがとうございました!

●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。






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この記事を書いた人

SingaLife編集部

シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!

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