回転寿司でも活用される データの力 客の嗜好を分析、満足度向上と 食品ロスを削減
日本人にはおなじみの回転寿司。実は、この回転寿司にはデータの力がフル活用されていたのです
日本人にはおなじみの回転寿司。ベルトコンベアの上を様々なネタが乗った寿司が回り、好きな皿を客が次々に手にとり、美味しそうに口に運びます。実は、この回転寿司にはデータの力がフル活用されています。寿司皿の裏側に取り付けられたチップで様々なデータを収集し、寿司ネタの鮮度の管理はもちろんのこと、客の満足度の向上や食品ロスの減少に役立てています。
2019年8月にシンガポール1号店をオープンした「スシロー」。日本の店舗と同じように、週末だけでなく平日も席を待つ客の姿があり、客層もファミリーやカップル、お一人様などさまざまです。スシローを運営する「あきんどスシロー」が、店舗運営をよりよくするために導入したデータ分析システムは、東京・港区に本社を構えるWingArc1ST社（以下、ウイングアーク社）のシステムです。
ウイングアーク社が手掛けるのは、帳票とよばれる書類をデータ化して企業活動を効率化して収益の向上につなげる事業です。帳票とは営業や生産、経理、労務管理などあらゆる企業の活動で発生する請求書や領収書、管理票のことです。帳票には企業のさまざまな行動が記録され、この情報をデータ化して企業の各部門で生かすことで、営業はより効率的に、管理はより正確に素早くできるようになります。
ICタグなどのデータから需要予測へ。取り皿に取り付けたICタグから商品単品の販売管理を実現。レーンを流れる寿司を見て、気に入ったネタを「手に取る喜び」を味わってもらいたい
データ化された情報もそれを生かすことができなければ意味がありません。一般的に収集されたデータを分析、読み取るのはある程度の専門知識が必要ですが、ウイングアーク社の優れた部分は、集めたデータを見やすい形に加工して利用者に提供するところです。利用者は届いたデータをもとにして、次にどうすればいいのかを判断します。
スシローに話を戻しますと、日本国内で500店舗以上あるスシローの店舗で、年齢や性別、客層、時間帯当たりの客数などのデータを収集。それらのデータを基に客層やエリアごとに好まれる寿司ネタの傾向を分析し、寿司ネタの仕入れ量やベルトコンベアに流すネタの種類や量などに生かされます。店長はリアルタイムで送られてくる各種データを見ながら、必要な寿司ネタの量を判断し、キッチンに指示します。
例えば、来店客にファミリー層が多い状態では、子どもが好むエビやタマゴなどを多く流し、会社員が多ければ酒のつまみになりやすいネタを流すことで売り上げアップを狙います。仮に、来店している客層にマッチしないネタを多く流しても顧客満足度は上がらず、廃棄が増えるだけになってしまいます。データをどう生かすのか、それを判断するのは人間の役目です。
ウイングアーク社はスシローのような飲食事業以外にも、製造業や小売業、倉庫・物流業、さらには自治体といった幅広い業界に導入実績があり、在庫管理に生かされたり、業務のスピードアップに貢献したりしています。ここシンガポールにも拠点を持ち、日系企業だけでなくローカル企業や外資系企業への導入も進んでいます。ウイングアーク社の代表取締役社長 田中潤氏は「我々はあくまでもデータを提供するだけ。そのデータを基に判断するのは、人間であるべきだと思っています。無駄がなく、より効率的に仕事ができるようになる材料を分かりやすく提供するのが我々の使命です」と語りました。
《 SUSHIRO TIONG BAHRU 》
302 Tiong Bahru Road #02-118 Tiong Bahru Plaza, Singapore 168732
11:00～22:00（Last Order 21:30）
《 SUSHIRO ISETAN SCOTTS 》2020年1月31日 NEW OPEN
350 Orchard Road Shaw House Isetan Scotts #03-K1/K2, part of #03-00 Singaore 238868
《 WingArc 1st 》
Singapore Head Office
20 Collyer Quay #23-01, Singapore 049319
Tel: 6653-8391
https://www.wingarc.com/company/office.html
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この記事を書いた人
SingaLife編集部
シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします！
