プロゲーマーももち夫妻をシンガライフが特別インタビュー
小さい頃からゲームは大好き。プロとなった今、ゲーム=仕事なので
トレーニングは楽しいけど辛い時も。
「eスポーツ」。最近では耳にすることも多くなったこの言葉、皆さんはどのように捉えていますか?今回は2014年ウルトラストリートファイターⅣ公式世界大会で優勝、EVO2015で優勝し、世界大会2連続優勝を果たしたももちさん、チョコブランカさん夫妻に、今の活躍に至るまでのお話を聞きました。
ももち(左)&チョコブランカ(右)
2011年7月よりアメリカのプロチームと契約し、プロゲーマーとなったももち&チョコブランカ。2大格闘ゲームの世界大会「EVO」と「Capcom Cup」で優勝経験を持ち、世界を牽引する影響力の高いプロゲーマーももちと、日本人女性初のプロゲーマーチョコブランカが2015年11月に株式会社忍ismを起業。
ももちは現役プレイヤーとして最前線で戦いながら代表取締役を務め、チョコブランカは日本のゲームコミュニティーの維持・拡大のために注力しながら取締役を務める。現役プロゲーマーとしての活動と、ゲーミングチームの運営、ゲーム大会・イベントの企画運営などの事業展開を両立している。
web : https://shinobism.com/
Twitter : @momochi212, @chocoblanca
《 目次 》
1、ももちさんと奥様の子供の頃のゲームエピソード
2、プロゲーマーを辞めたいと思ったことも。。
3、世界のeスポーツの傾向
4、夫婦で経営されている会社のeスポーツ育成事業について
5、読者にメッセージ
(ももちさん)小さい頃からゲームが好きで自宅やゲームセンターで学生時代過ごすことが多かったです。学校を卒業した後は主にフリーターをしながらやっていましたが趣味の範囲を超えて寝る暇も惜しんでゲームをしていました。賞金もない時代でしたが、日本の大会にもその頃から出ていましたね。
(チョコブランカさん)私も小さい頃からゲームが好きで育って、大学生の頃「ストリートファイター」に出会ってからは結構のめり込んでやっていました。社会に出てからは自動車ディーラーの仕事をしながらやっていました。
そのうちゲームで海外大会に行くようになって、その最初の国がシンガポールでした。海外への憧れもあって大会で行けて本当に嬉しく、2010年頃の海外ではプロゲーマーという人達がいることを知りました。会社をやめてその道で生きて行こうかなと。主人とはその頃に結婚し、途中で一緒に活動するようになりました。そのうち夫のサポートをメインにするようになったんです。2015年に今の会社「忍ism」を一緒に始めてからは私は主に会社経営をするようになりました。
(ももちさん)フリーターをしながらゲームをしばらくしていましたが、ホテルマンの仕事を途中で始めたことがあり、仕事と並行してやっていくのが辛くなることもありました。このままゲームをしていても何にもならないんじゃないかと。あと実際プロになった後にもなかなか結果に繋がらなかった時にやめようかなと思ったことはあります。プロになって世界大会に優勝しても50万円の賞金だったのでどこまで続けようかなと悩んだ時期もありました。
プロゲーマー1本でやろうと思ったのは2014年に、二足の草鞋が中途半端だなと思い出して、ホテルマンの仕事を辞め、その時にいた名古屋から東京に行ったという経緯があります。
(ももちさん)ゲームは普通娯楽でする人が多いと思いますが、自分達にとってはゲームは仕事なので、練習が辛いなと思う時もありますね。大会に向けて自分でモチベーションを高めて行くというイメージです。毎日10時間は練習に充てていて、手指の反応速度は練習をしていないと衰えていくので、感覚を磨くことも大事ですね。数学的な分析もして、あとはひたすらトレーニングですね。
家庭用ゲーム機でする格闘ゲーム発祥の日本。世界ではチームプレイで戦う
PCオンラインゲームのタイトルが主流
(ももちさん)最近は色んな形で活躍するようになったと思います。昔は基本的にゲーム1本か他の職業との兼業でしたが、今は実業団に属してその会社の仕事をしながらプロゲーマーとして活躍する人、プロチームに属して活躍する人など様々です。
(チョコブランカさん)最近では、ゲームが強くなくても勝ち負けにこだわらずYouTuberとしてゲーム実況をしたり、自ら配信することで広告収入を得る人も出てきて多様化しています。
(ももちさん)一般の人が思うような、賞金を稼いで生活するeスポーツのプロプレイヤーはまだ本当にごく僅かですね。
(ももちさん)世界では格闘系が少ないんですよね。
(チョコブランカさん)タイトルの中でゲーム人口が多いのがLOL(※)のチーム戦ゲームで、5人対5人で陣地取りをするものです。MOVA(モバ)と呼ばれるジャンルですね。
海外はPCゲームが主流でメーカーが公式リーグを運営しています。賞金額が最大数十億と大きいですが、プレイヤー人口も多いのでトップになるのが難しいです。1年単位で選手も変わり、若くないとやっていけないような世界です。
(ももちさん)反対に日本だと、家庭用ゲーム機が未だ主流でLOLは少数派で、格闘ゲームが多いと思います。日本は独自のeスポーツの進化をしている印象です。一方で、インドネシア、ベトナムはモバイル系のチーム戦のゲームが多くて、アジアは国によって流行り方が色々違いますね。
(チョコブランカさん)LOL(※)のeスポーツでいうと、アメリカ、韓国、中国が強いです。国内のレベルが高すぎるので、日本のLOLチームに、韓国でトップになれない2軍の選手が参加する状況です。中国だと有名大学に入るかeスポーツの選手になるか、というくらい将来が保証されるそうです。eスポーツのトップ選手が有名女優と結婚することもよくあります。
※LOL(League of Legends)は、米国ゲーム会社Riot Gamesが開発したWindows、macOS用のマルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ型の基本無料ゲーム。
(ももちさん)シンガポールの選手で、自分が優勝したストリートファイターの世界大会で最後決勝で戦ったシェンさんですね。彼は2013年に世界大会で優勝しています。10年以上前からずっと強い選手でとても印象的です。
若手プレイヤーのゲームと学業の両立を応援
後進を育成していく事業へ
(ももち)ゲームコミュニティを拡大していくためにイベント運営やゲームプレイヤーとして培ってきた知識を活かしてプロチームの育成などを行い、ゲームプレイヤーや業界に貢献していけたらと思っています。
(チョコブランカ)プレイヤーとしてゲームに関わってきたことを、今度はプレイヤーを育てることに力を入れていきたいですね。自分達のチームを海外からも認められる国際的なチームにしたいです。
最近ではゲームも多様化していますが、プロ選手として見本になるような選手を排出して、その先を繋いでいければなと思います。チームに所属する選手達とウェブ番組も手がけていて、毎週生放送で配信していますですが、チームや選手の価値を上げること、あとは海外大会に選手を派遣して結果に繋げるサポートですね。あとメディアからのインタビューの受け方などの指導もします。自分が若かった頃は苦手だったので(笑)。
(チョコブランカ)選手は19人、最年少は小学6年生です。起業してチームを作った時に中学2年生だった子達が今は高校3年生です。大学受験を控えているので活動を控えていますが、受験を経て戻ってきた後が私たちも楽しみです。
(ももち)自分のやってきたストリートファイターでは、才能より努力で勝てるものだと思います。何千万人の選手がいるようなゲームはわからない部分もありますが、練習量や努力でトップは目指せます。あと伸びるタイプは、人間的な部分で壁にぶち当たっても素直に前向きに頑張れる子はトップレベルに行けます。
(ももち)eスポーツのプロ選手として育成はしていますが、絶対プロになれというわけではなく、本人達と将来を考えながらサポートしたいなと思っています。育成に入る前には必ず親御さんと話をして、理解してもらうというプロセスを踏んでいます。
学生だとゲームと学業の両立という側面も出てきますし、ゲームが楽しいという思いが行き過ぎると駄目だと思うのもあり、ゲーム以外何もやらないのは良くないという話もします。挫折した時に何も残らないのは自分たちとしても望んでいません。ゲームの悪い部分も知った上で、色々ある選択肢の中でプロゲーマーを目指すのが理想だと思っています。
ゲームに依存することや逃げにするのは駄目ですよね。そのマインドでプロになれるほど、甘くないですし。学生なら勉強や習い事がゲームの活動に活きるんです。自分としては英語をもっとやっておけば良かったと思いました。海外大会で選手や企業と交流するのに結構必要なんですよね。
(ももち)応援してもらえるパートナー企業を募集中です。日本初の強豪チームになるべく頑張って育てていて、自分自身もプロゲーマーとして引続き頑張っていきたいと思っています。温かく見守っていただけたら嬉しいですね。
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この記事を書いた人
SingaLife編集部
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