ミシュランガイド シンガポール 2023、受賞式&全リストご紹介!

毎年恒例のミシュランガイドシンガポール受賞式。6月27日に開催され、昨年に続き今年も盛大に行われました。会場となったパークロイヤルコレクション マリーナベイは、多くの人で埋め尽くされ、熱気あるイベントとなりました。

セレモニー前後には星つきレストランやビブグルマン、特選レストランから参加の数店が自慢の味を披露しました。気になっていたレストランの味をまとめて堪能できる機会とあって、皆一様に楽しんでいる様子。筆者のベストはGaigのカネロニです。豚の肩肉と牛頬肉のフィリングとなんとも柔らかいカネロニ、トリュフソースで仕上げています。1869年から続く秘伝のレシピとか。

出典:Michelin Guide Singapore



もちろん、アルコールも充実していました。Nespressoのコーヒーベースのカクテル、ブランデー、ウィスキー、ワインと豊富です。

出典:Michelin Guide Singapore

では早速、ミシュランスターをご紹介します!


ディレクターのメッセージ

ビデオに登場したのは、ミシュランガイドのインターナショナル・ディレクターであるグウェンダル・プーレネックさん。

「シンガポールは近代的な都市として有名でありながら、サスティナビリティへの配慮を怠らない魅力的な旅先です。今年は、シンガポールで初めてミシュラン・グリーン・スターを授与し、持続可能なガストロノミーに取り組んでいるレストランを紹介できることをうれしく思います。

多様な文化に根ざしたシンガポールの食の風景は、常に多種多様な美味しい料理であふれています。審査チームは、本格的な料理体験を楽しんでもらうために、独自の秘伝のレシピを持つさまざまな民族の風味豊かな料理が並ぶ屋台を数多く発見し、驚いています。

洗練されたレストランからおいしい食堂、本格的な屋台まで、忘れられない美食体験の可能性は無限大です。ライオンシティでは、忘れられない美食体験を味わえる可能性が素晴らしく高いと言えます」

とシンガポールの美食のすばらしさについて語りました。


ビブグルマン

出典:Michelin Guide Singapore

ミシュランスター発表前に、先立って今月初めに発表されたのはビブグルマン。ミシュランのビブグルマンは、S$45以下の価格で美味しい料理を提供する飲食店に与えられる賞。気軽に楽しめるお店ばかりです。

今年は53のホーカーセンター、ストリートフード店5店、レストラン21店の計79店が選出。そしてミシュランスター受賞式にも、今回初めてビブグルマン店も参加。とても賑やかで熱気にあふれた受賞式となりました。ここから次のミシュランスターが現れる日も近そうです!


ミシュランスターとは

厳しい覆面審査員の数回による店舗訪問で選ばれる、ミシュラン星付きレストラン。ミシュランガイドによると、星獲得の基準はこう表記されています。

三つ星:そのために旅行する価値のある卓越した料理
二つ星:遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理
一つ星:近くに訪れたら行く価値のある料理

食材の質や調理技術、料理に現れるシェフの個性、コストパフォーマンス、安定した料理の質などが基準となります。今年、シンガポールでそんな厳しい審査を経て選ばれたのは、一つ星46店(新規店5店)、二つ星6店、三つ星 3店の計55店です。

出典:Michelin Guide Singapore

今年は新たにミシュラン三つ星、二つ星に昇格したレストランはありませんでしたが、5店舗がミシュラン一つ星を新たに獲得し、一つ星店は46店になりました。

では星付きレストラン全店舗リストをご紹介します。


ミシュラン星付き全店リスト

シェフ全員集合! 出典:Michelin Guide Singapore

 

一つ星46店

1、28 Wilkie  コンテンポラリーイタリア料理
2、Alma コンテンポラリーヨーロッパ料理
3、Art di Daniele Sperindio  イタリア料理
4、Béni  コンテンポラリーフランス料理
5、Born イノベーティブ
6、Braci コンテンポラリーイタリア料理
7、Buona Terra コンテンポラリーフランス料理
8、Burnt Ends  バーベキュー
9、Candlenut  プラナカン料理
10、Chef Kang’s 広東料理
11、Cure  コンテンポラリーヨーロッパ料理
12、Cut  ステーキハウス
13、Esora イノベーティブ
14、Euphoria   イノベーティブ
15、濱本  鮨
16、Hill Street Tai Hwa Pork Noodle  ストリートフード
17、Iggy’s コンテンポラリーヨーロッパ料理
18、Imperial Treasure Fine Teochew Cuisine (Orchard) 潮州料理
19、Jag  コンテンポラリーフランス料理
20、La Dame de Pic  コンテンポラリーフランス料理
21、Labyrinth  イノベーティブ
22、Lei Garden  広東料理
23、Lerouy コンテンポラリーフランス料理
24、Ma Cuisine  フランス料理
25、Marguerite  コンテンポラリーヨーロッパ料理
26、Meta  イノベーティブ
27、Nae:um  コンテンポラリー韓国料理
28、Nouri  イノベーティブ
29、Oshino 鮨
30、Poise コンテンポラリーヨーロッパ料理
31、Putien (Kitchener Road)  福建料理
32、Rêve コンテンポラリーフランス料理
33、Rhubarb  コンテンポラリーフランス料理
34、Seroja コンテンポラリーマレーシア料理
35、Shinji (Bras Basah Road)  鮨
36、四川飯店  四川広東料理
37、Sommer  コンテンポラリーヨーロッパ料理
38、Summer Palace  広東料理
39、Summer Pavilion  広東料理
40、鮨一  鮨
41、鮨来村  鮨
42、鮓さく田 鮨
43、Table65  コンテンポラリーヨーロッパ料理
44、Terra  コンテンポラリーイタリア料理
45、Whitegrass  コンテンポラリーフランス料理
46、Willow コンテンポラリーアジア料理

※新規獲得店5店は黒太字


二つ星6店

出典:Michelin Guide Singapore

1、Cloudstreet  イノベーティブ
2、Jaan by Kirk Westaway  コンテンポラーイギリス料理
3、Saint Pierre  コンテンポラリーフランス料理
4、小康和  鮨
5、Thevar イノベーティブ
6、Waku Ghin  コンテンポラリー日本料理


三つ星店 3店

出典:Michelin Guide Singapore

1、Les Amis  フランス料理
2、Odette コンテンポラリーフランス料理
3、Zén  コンテンポラリーヨーロッパ料理

さすがに世界の美食が集まるシンガポール。一流の世界の味を楽しめます。そしてその料理のクオリティを表すのが、受賞店の多さです。毎年クオリティを保ちつつ、星を守っているレストランも日々腕を磨きつつ、すばらしいサービスも提供しています。もちろん新規参入店も味は折り紙つきです。


ミシュラン特別賞

レストラン自体だけでなく、味を高めるソムリエとお客様とシェフをつなぐサービス部門にも賞が与えられます。ミシュランスターには味はもちろん、それに付加するサービスが大事だからでしょうか。ここでミシュラン特別賞をご紹介します。

ミシュランガイド サービス賞

出典:Michelin Guide Singapore

今回の受賞者は、ミシュラン二つ星レストラン小康和のデズモンド・ウォンさん。

ウォンさんは開店当初から継続して勤務し、ワインリストや日本酒のセレクションだけでなく、使用する食材の特徴についても、顧客に専門的な情報を提供。シェフとゲストのコミュニケーションの架け橋という役目もになっているそうです。

ミシュランガイド ソムリエ賞

出典:Michelin Guide Singapore

2023年ミシュランガイド ソムリエ賞は、新たにミシュラン一つ星を獲得した「鮓さく田」の岩渕真さんが受賞しました。

岩渕さんは、海外での勤務経験が豊富で、ワインと日本酒に関する豊富な知識を備えており、顧客の好みを把握した上で、プロフェッショナルな提案と推奨を行っているトップソムリエです。

シンガポール初のグリーンスター

出典:Michelin Guide Singapore

今年シンガポールで初めて、ミシュラン グリーンスター賞を受賞するレストランが出ました。 ミシュラン グリーンスターは、ミシュランガイドのレストランセレクションの中で、サスティナブルな取り組みや、卓越した料理と環境に配慮した取り組みを組み合わせたダイニング体験で、業界の最先端を行くレストランに与えられるものです。

受賞したのは、今年初めてミシュラン一つ星を獲得したSeroja。Serojaの食材を大切にする試みは、メニューやノンアルコール飲料とのペアリング、トリミングの際に出た野菜の切り落としも利用しています。

また、スタッフのための短期コースなども実施。これらはサスティナブルに大切というレストランの思いからだそうです。

出典:Michelin Guide Singapore

そしてSerojaのシェフ、Kevinさんはこの日の主役と言ってもいい快挙で、ミシュランガイド ヤングシェフ賞も受賞。若手シェフで、その卓越した才能と将来性に審査員が感銘を受けたシェフに贈られる賞です

ウォン シェフは、マレーや東南アジアの食材やスパイスを巧みにレシピに取り入れ、洗練された美味しい料理を作り出しています。彼は14歳で料理の世界に入り、フランス、サンフランシスコ、東京、シンガポールなど世界各地で経験を積んできました。トリプル受賞の彼は、ジャケットを3回着替え写真撮影、忙しい夜を過ごしました。


特選レストラン

ミシュランガイド シンガポールには、星付きレストラン、ビブグルマン以外にもミシュラン特選レストランが掲載されています。今年新たに33店が加わり、合計152店となりました

ミシュランガイドに載るレストラン&フードセンターなら、味のスタンダードはクリアしています。おしゃれなレストランから気軽なストリートフードまで、ミシュランガイドはおいしい料理を全て紹介する、まさに全方向型完全グルメガイドブックですね。


一つ星新規参入店、鮓さく田

出典:Michelin Guide Singapore

今年新しく一つ星を獲得した5店のうちのひとつ、鮓さく田の作田シェフとソムリエ賞受賞の岩渕さんにお話を伺いました。

オーナーシェフの作田至生(よしお)さんは、ミシュラン二つ星店のトップシェフを務めた実力派のシェフ。昨年オープンした鮓さく田は、樹齢200年の奈良のヒノキを使った10席のカウンターがある、優雅な空間。料理は寿司や日本の魚をベースに、キャビアやトリュフなどの高級食材を加えた、季節に応じたおまかせメニューを考案しています。

今回、ソムリエ賞もW受賞した作田シェフと岩渕さんにお話を伺いました。

昨年オープンしてすぐに受賞ということで、大変な快挙ですが、秘訣について伺うと
「日々、やるべきことをきちんと積み重ね、たゆまず進むことです」
とシェフはおっしゃいます。

伝統の手法に独自の食材をプラスし、見事な料理に昇華するインスピレーションの源を伺うと
「今までお世話になってきた親方達の仕事ぶりから想起することが多いです」
とのこと。作田シェフの料理へ打ち込んできた年月が鮓さく田の一つ星へとつながっているようです。

そして岩渕さんには、本日の受賞について伺いました。
「シェフとキッチンスタッフへ感謝しています」
と岩渕さん。奇しくもタイのソムリエである友人の方が同じ賞を受賞ということもあり、意識はしており、受賞できたことは大変うれしかったそうです。

英語力について伺うと、シンガポールに来た10年前はあまり英語は話せなかったそうです。でも日々の勉強で徐々に英語力は上がっていったとのことそう。
「英語が話せると世界が広がります」
いつか広がる日を夢見て英語の勉強をしようと誓う筆者でした。来年はぜひ2つ星を目指してください!


各分野で活躍する日本人シェフ

実はシンガポールの料理界で活躍するのは、日本料理のみではありません。イタリアン、フレンチと世界の料理を提供し、星を獲得しています。

まずはミシュランカラーである赤と店名のBéniがマッチしている、Béniのシェフにお話しを伺いました。コンテンポラリーフランス料理店です

毎年賞を受賞しているので、今年はどうだろうという思いがあったそうです。一つ星獲得店としては上に上がるか、星を無くすかしかないということで緊張感は毎年あるそうです。でもそんな中でも赤をポイントカラーに決めたシェフの姿には、そんな様子は全くなく、自然体です。

9月にはサントリー100周年を記念し、ウィスキー白州にインスパイアされたディナーコースを提供します。ウィスキーを引き立てる、ウィスキーに負けないパンチのあるお料理を考えているとか。楽しみです。

そしてEsora、鮨一、Whitegrassのシェフの皆さんにもお話を伺いました。

Esoraは昨年からヘッドシェフとなり、今年は自身の力が試された年であり、緊張感は高かったそうです。でもその分、例年より賞の重みが違っていたとのこと。そして鮨一のシェフも同じく、ヘッドシェフとなった最初の年で、毎年のミシュランを落としたら、と思うとかなりのストレスだったそうです。この日も正直喜びより、ホッとした気持ちの方が強いとのことでした。

このお二人の気持ちを考えると、お話を聞いた筆者の胃もキリキリとするような気持ちになりました。そこを乗り越えて見事受賞!すばらしい快挙です。

そしてWhite grassのシェフは、一つ星の次を狙わないといけない、と熱い言葉が出ました。そうしないと成長もない、日々スタッフと一緒に研鑽し、二つ星に相応しい料理を作り上げる気持ちです。そしてミシュランの素晴らしいところは、試食に招待という形でなく、シークレットで訪れるところだと言います。だからこそ、常に全力でいいお料理とサービスを提供しないといけないという思いでやっているそうです。

逆に言えば、その緊張感がよりおいしい美食と温かいサービスにつながるんですね。それだけミシュランの星は重いのだな、と実感しました。ですが、これだけの緊張感を持ち続ける気力、頭が下がります。本日受賞した全てのシェフに心から敬意を表します!


ミシュランガイドを活用しよう

デジタル版ミシュランガイドなら、シンガポールのどこの地域でもおいしいお店に出会えます。iOSやAndroidで無料でダウンロードでき、気軽に携帯やタブレットでチェックできるのがうれしいですね。

私たちが暮らす、ここシンガポールはもちろん、日本への帰国時、世界の旅先でも店選びに困ることはありません。しかもミシュランガイドアプリから予約も可能です。ミシュランガイドを使い、毎日おいしいもの三昧で過ごしましょう!

こちらからミシュランガイド モバイルアプリ(iOS版、Android版)をダウンロードしてください。


おいしいもので幸せに!

ミシュランガイドは常においしいものに出会わせてくれます。シェフの皆さんのミシュランの星へのあくなき情熱が、お料理の味を底上げし、私たちもその味をたん能できます。そして味の体験を忘れられないものにしてくれる、すてきなサービスや食にマッチした、極上のアルコールのペアリングなども味わえます。

来年もまたミシュランガイド2024で変わらない美食を、そして新しい味に出会えるのが楽しみです。まずはミシュランガイド2023、とことん利用します!

ミシュランガイドオフィシャルWEB

●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。

参考資料
ビブグルマン
https://guide.michelin.com/sg/en/article/michelin-star-revelation/singapore-bib-gourmand-2023
https://www.visitsingapore.com/editorials/michelin-bib-gourmand-winners-singapore/



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この記事を書いた人

林じゅん子

長崎県出身。バブル期の東京で浮かれて過ごし、そのままシンガポールへ。気がつけば20数年!香港映画がきっかけでアジア芸能にはまり、シンガポール初日本人芸能記者(自称)に。ラジオ、雑誌ともに芸能一筋、出会った芸能人は数知れず。 現在はエンタメ以外の3大好物、イケメン、おいしいもの、アニマルネタ目を光らせる。期間限定&新製品にも目がない、ローカルどっぷりジャパニーズ

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