シンガポールでのニキビ治療法 ニキビ治療が専門 KINS Clinic の医師が徹底解説!

高温多湿のシンガポールでは、成年になってもニキビに悩まされている方も多数。ニキビ用スキンケアや薬も日本未発売のものも多数あります。そこで自身もニキビと戦い続けたKINS Clinicのサマー先生に、ニキビ治療について伺いました。


ニキビとは何ですか、そして何が原因ですか?

ご自身も10年以上重度のニキビに悩まされた経験があり、ニキビ治療に強い想いをもって診療に当たられているニキビ治療が専門のKINS Clinicサマー先生に、シンガポールでできるニキビ治療の選択肢と治療法の選び方のポイントについてお伺いしました。

先生によると、自分にあったニキビ治療を見つけるためには、まずニキビが発生するメカニズムとその原因を知ることが重要です、とのこと。

ニキビは多くの方が悩まされたことがある非常にポピュラーな病気ですが、そのメカニズムはまだ完全には解明されておらず、治療しても再発してしまうことがある厄介な病気です。

ニキビが発生するメカニズムとは?

ニキビは、皮膚の毛穴が詰まり、炎症を引き起こしてできる皮膚の病気で、特に顔、背中、胸などの油脂分泌が比較的多い部分にできやすいです。

ニキビと一言で言っても、症状はさまざまです。大きく分けると赤く炎症を起こしているニキビとそうでないニキビの2つに分かれます。

炎症がない初期段階のニキビは、専門用語では面皰、コメドと言います。

これは、皮脂や古くなった角質が毛穴に詰まってしまっている状態です。ぶつぶつや吹き出物と言われる症状の中にはニキビの初期症状であるものが多く含まれるため、見過ごさずにしっかりと対策を講じることも重要です。この状態を放置すると毛穴に詰まった皮脂が酸化して黒色になり、毛穴の広がりや黒ずみとなり症状がより目立つようになります。

症状が進むと、赤く腫れて炎症があるニキビになります。

毛穴が詰まって皮脂が多い状態はアクネ菌にとって最高の環境であるため、どんどん増殖し、炎症や膿の発生を発生させます。この赤く腫れた症状や膿がたまっている状態が一般的なニキビのイメージだと思いますので、「ニキビができる=アクネ菌が悪さをしている」というイメージをお持ちの方が多いのもこうした背景があるからです。

このように、ニキビはいきなり赤く腫れあがった症状ができるわけではなく、段階を追って悪化していく病気です。そのため、炎症がない初期の段階でしっかりと対策をすることが症状を悪化させない上で最も重要です。

ニキビができる原因は?

では、なぜニキビができるのでしょうか?ニキビが発生する原因としては、食生活の乱れや睡眠不足、ストレス、バリア機能の低下、誤ったスキンケアの使用、思春期や妊娠、月経などにより起こるホルモンバランスの乱れなどの要因が挙げられます。またこれらの要因は相互に関係しているため、原因を一つに絞り込むことはなかなか難しい病気です。

特にシンガポールでは日本と比べて脂っこい食事が増えたり、クーラーの効いた部屋に長時間いたり、紫外線が強かったりとこれらの要因が発生しやすい環境にあるため、注意が必要です。日本よりも多くのニキビになりやすい条件がそろっているとも言えます。学生時代はニキビ肌に悩んでいた方が社会人になり改善。ところがここシンガポールに来て、環境の変化からかニキビがぶり返した上に以前よりも悪化したという方もいました。


シンガポールでできるニキビ治療の主な選択肢と選び方のポイント

シンガポール最大の医療機関グループSingHealthによると、シンガポールでは約90%の青少年が中等または重症のニキビ疾患で悩んでおり、成人になってもニキビが治らずに悩まされている方が大勢いると発表しています。

そんなニキビ大国でもあるシンガポールでは、日本では買えないニキビ治療用の市販薬や日本未上陸のニキビケア商品などがドラッグストアなどで販売されています。またクリニックでは日本で処方されていない薬や日本では珍しい治療を提供しているケースもあります。


このようにシンガポールでは、市販薬からクリニックでの治療まで、ニキビ治療に関する選択肢が豊富にありますが、その中から「自分にぴったり」を見つけるのは一筋縄ではいきません。またニキビの原因は複雑であるため、適切なケアを選ばなければ、状態を悪化させたり、最悪の場合はニキビ痕になってしまうことも。

シンガポールでできるニキビ治療の選択肢は、大きく分けて「ご自宅でできるセルフケア」、「市販薬の使用」、「クリニックで行う専門治療」、「エステティックサロンで行うトリートメント」の4つがあります。それぞれの選択肢は、目的と特徴が異なりますので、そのことをよく理解した上で、使い分けることが重要です。

ご自宅でできるセルフケアについて

手軽に始められる選択肢として魅力的です。ただ、薬ではないため、あくまで「治療をサポートする補助的な選択肢」もしくは「ニキビを再発させない予防的な選択肢」です。また誤ったセルフケアの実施は症状を悪化させる要因となるため、明らかなニキビの症状がある場合は、まずはその他の選択肢を検討して一刻も早く症状を治すことを考えることが重要です。

その上で、ご自宅で始められるセルフケアの代表であるスキンケアの見直しについて紹介します。


・ノンコメドジェニックのスキンケアを選びましょう

ノンコメドジェニックとは、その製品がニキビの初期症状であるコメドを誘発しにくいということが第三者機関によって証明された製品のことです。シンガポールの皮膚科学会や日本の皮膚科学会が発行しているニキビ治療のガイドラインでもノンコメドジェニックのスキンケア製品の使用がニキビ治療の補助治療として推奨されています。

ノンコメドジェニックの製品である場合、商品パッケージや商品説明資料にその旨が記載されていることが多いため、ご自身で簡単に確認することが可能です。

・洗顔の見直し

洗顔の見直しは、ニキビを予防するだけではなく、肌質改善にもつながるのでとても重要な部分です。洗顔はなるべくダブル洗顔を避け、ご自身の肌状態にあったクレンジングを見つけましょう。

肌の汚れをしっかり落とすためにはむしろダブル洗顔が必要なのでは?と疑問に思われた方もいるかもしれません。そのため、まずダブル洗顔が推奨される背景となぜダブル洗顔を避けた方が良いかについて説明します。
一般的にダブル洗顔が推奨される背景には、お化粧や皮脂、ほこりなど肌に付着する汚れの種類が異なることがあります。お化粧は油に溶けやすい汚れであるため、クレンジングで落ちやすい性質がありますが、皮脂やほこりなどは水に溶けやすい汚れであるため、洗顔料で落ちやすい性質があります。そのため、どちらか片方だと、肌の汚れが取りきれずに残ってしまい、ニキビなどの肌トラブルの原因になることがあります。そのため、肌トラブル回避のためにダブル洗顔が推奨されていることがあります。

汚れをきちんと落とすという面ではダブル洗顔をすることにメリットはありますが、ダブル洗顔のデメリットもきちんと把握しておくことが重要です。汚れの落ちが強い洗顔料は、本来残すべき肌のうるおいやその潤いを作る善玉菌まで一緒に落としてしまうことが多く、かえって肌の乾燥やバリア機能の低下を引き起こすことがあります。洗顔後に肌の乾燥や突っ張りを感じる場合は、落としすぎている可能性があるため要注意です。

このように洗顔料は、しっかりと汚れを落としつつ、でも必要なものを落としすぎない絶妙なバランスのクレンジングを見つけることが重要です。ご自身の肌質やメイクの種類によって最適なクレンジングが異なるため、ダブル洗顔不要のクレンジングをいろいろと試されることをお勧めします。

市販薬の使用について

シンガポールでは、過酸化ベンゾイルなど、日本では処方薬にしか配合されていない有効成分を高濃度配合した外用薬が、ガーディアンやワトソンズといった身近な薬局で手軽に手に入ります。欧米を中心とした海外で効果が実証されている有効成分が含まれた市販薬のため、正しく使用すれば、早期の症状緩和も期待できます。ただし、欧米人やシンガポール人と日本人とでは肌質が異なるため、たとえ市販されている薬でもご自身の肌質と症状にきちんとあったものかを調べて選択することが重要です。

KINS Clinicに来院される患者さんの中には、早期の効果を期待して有効成分の配合量が多い市販の外用薬を使用した結果、かえって症状が悪化してしまったという方もいらっしゃいます。そのため、事前に医師や薬剤師などの専門家に相談することや市販薬に記載されている用法容量や副作用についての説明をしっかり読むこと、有効成分が低濃度のものから始めることなどを意識して使用することが重要です。

クリニックで行うニキビ専門治療について

シンガポールでニキビ治療を行うクリニックには、総合診療クリニック(GP)と皮膚科クリニック(Dermatology Clinic)、美容皮膚科クリニック(Aestethic Clinic)の3つがあります。

実際、ニキビ治療だけに絞った話をすると、取り扱える薬や医療機器に違いはありません。そのためクリニックを選ぶ際は、どの種類のクリニックかを確認することも重要ですが、そのクリニックの「扱ったニキビ治療の症例数」、「ニキビ治療に関する治療方針」、「日本人患者の対応実績」などを確認されることをお勧めします。

・ニキビ治療症例数

ニキビ治療と一言で言っても、患者さんの肌質や症状、期待成果などによって、さまざまな治療があります。ニキビ治療に特化したクリニックなら、いろいろと組み合わせて治療プランを提案することが可能です。そのため、より多くのニキビ治療を行っているクリニックの方が、患者さんのニーズに合わせた治療プランを提供することが可能です。

シンガポールの医療業界は、日本以上に専門性が確立されています。そのため、例えば皮膚科クリニックの中には、皮膚がんの症例を多く扱う皮膚がんに特化した皮膚科クリニックなども存在します。こうしたクリニックでももちろんニキビ治療を行っていますが、ニキビの症例数が少ないため、個別の患者さんの状態に合わせた治療プランではなく、オーソドックスなニキビ治療に留まるケースが懸念されます。

・ニキビ治療に関する治療方針

ニキビ治療においては、一人ひとりの肌質やニキビの状態に合わせた治療方針が重要です。例えば敏感肌で、一般的な治療法では肌トラブルを起こしやすかった患者さんがKINS Clinicにセカンドピニオンで来院され、敏感肌に合わせた治療プランに切り替えることでニキビを改善することができた、というようなケースがあるそうです。

治療方針が明確で、患者一人ひとりに合わせたアプローチを取るクリニックは、より効果的な治療結果をもたらすことが期待できます。一般的な治療法でしか対処しなかったとしたら、このような治療結果は得られなかったということでしょう。

・日本人患者の対応実績

海外では、日本人の肌質や文化的背景を理解しているクリニックを選ぶことも重要です。日本人とシンガポール人では肌質が異なるため、シンガポール人の患者さんに効果が高い治療をそのまま日本人患者さんに提供しても、思うような効果が得られないことがあります。

その点、日本人患者の対応経験が豊富なクリニックであれば、日本人の肌質やシンガポール人との違いを踏まえた上で、治療プランをはじめから提供することが可能です。また日本人患者の対応実績が豊富なクリニックでは、日本語対応可能なスタッフが在籍していることも多いです。ニキビ治療では、軽微ですが副作用が出やすい治療や複数の薬を適切に使い分けることで早期の効果が期待できる治療プランもあるため、細かなニュアンスも含めた意思疎通ができると、安心して治療を進めることができます。

エステティックサロンで行うトリートメントについて

シンガポールには、肌トラブルを対象としたトリートメントを提供するエステティックサロン(spa)があります。欧米系や韓国系、日系などさまざまなサロンがあり、価格帯や特徴的なトリートメントなど多くの選択肢があるため、ご自身のニーズにあった選択肢を選ぶことができます。

エステティックサロンは、一般的に医師は在籍しておらず、主に美容やリラクゼーションなどを目的としたサービスを提供しているため、治療を目的とした施術や診療を行うクリニックとは目的が異なるサービスとなります。そのため、クリニックとサロンでは準拠する法律が異なる点について留意が必要です。

例えば準拠する法律が違うことで、クリニックとエステティックサロンではWEBサイトや広告で記載できる内容に違いがあるため、提供サービスの効果を単純に比較することが難しい状況です。そのため、このような違いも踏まえて、どちらの選択肢の方が、よりご自身のニーズに合ったものかを事前に充分検討することが重要です。


最適な治療法を見つけましょう

シンガポールでは、さまざまなニキビ治療の選択肢があります。そのため、ご自身の症状やニーズに合わせて、最適な選択肢を選ぶことが可能です。ニキビは複雑な病気であり、ご自身にとって最適な選択肢を見つけるためには入念な情報収集が必要となります。ニキビ治療の症例を多く手掛けてきたKINS Clinicなら、患者さんの症状に応じたカスタマイズ治療の選択肢を提供できます。

サマー先生が通って来たような、長く苦しく果てしないニキビとの闘いは、精神的にも肉体的にもコスト的にも負担が多くなります。まずはニキビ専門医にご相談し、治療方針を決めていきましょう。どのような選択肢が良いか迷われる際はぜひ一度、KINS Clinicにご相談ください。まずは第一歩を踏み出しましょう!

店舗情報

KINS Clinic(キンズ クリニック)

住所: 360 Orchard Rd, International Building #11-09, S238869
営業時間:月火木〜土 10:00-19:00
定休日:水日祝
電話番号:6015 0977
WEBサイト
 
ご予約・お問い合わせはWhatsAppで承ります。(日本語対応可)
KINS Clinic(スキンケア商品)サイト:日本語版 英語版

●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。


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この記事を書いた人

林じゅん子

長崎県出身。バブル期の東京で浮かれて過ごし、そのままシンガポールへ。気がつけば20数年!香港映画がきっかけでアジア芸能にはまり、シンガポール初日本人芸能記者(自称)に。ラジオ、雑誌ともに芸能一筋、出会った芸能人は数知れず。 現在はエンタメ以外の3大好物、イケメン、おいしいもの、アニマルネタ目を光らせる。期間限定&新製品にも目がない、ローカルどっぷりジャパニーズ

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