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シンガポール中小企業のデジタル化 新型コロナで停滞

シンガポールの中小企業の多くが、デジタル化戦略を策定しているものの、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、その実施率が低水準にとどまっている実態が、シンガポール中小企業協会(ASME)と米マイクロソフトが共同で行った調査により、明らかになりました。

調査は3~6月、国内の専門・ビジネスサービス、製造、ヘルスケア、建設、エネルギー各業界の中小企業の経営者およびIT部門責任者400人を対象に実施。
“デジタル化戦略を設けている”と回答した企業の割合は、2018年に行われた同様の調査時の56%から83%に増加した一方、“デジタル化の取り組みが成功している”と考える企業は40%にすぎませんでした

社内のデジタル化計画が進まない理由として、“新型コロナウイルスの感染拡大”を挙げた企業は54%。“デジタル化に必要なコストが高すぎる”とした企業は、56%に上りました。

このほか、デジタル化を阻む障壁として、“経済環境の不透明性”、“企業が利用できる政府支援の認知不足”、“デジタルスキルを備えたスタッフの不足”が、挙げられています。

一方、企業が採用に積極的なデジタルソリューションのトップ3は、“人工知能(AI)・機械学習”“ビジネスプロセスアプリケーション”“ビッグデータ・先端分析技術”でした。

マイクロソフト・シンガポール法人の幹部は、中小企業におけるデジタル化について、「中小企業には、その規模と構造ゆえに、特有のニーズがあり、デジタル化を進めるリソースが十分にはない企業も存在する」と指摘。

「外出制限措置(サーキットブレーカー)の期間中およびその後数カ月にわたり、中小企業の多くが、休業要請や業務縮小に伴い、売り上げに影響が及んだ結果、事業の存続や財務面の課題克服に注力し、デジタル化への投資を後回しにせざるをえなくなった」と述べています。

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が、収束の気配を一向に見せないなか、中小企業の苦境は当面、続きそうです。

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