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新型コロナ禍で自宅拠点の食品販売個人ビジネスが活況。集客のカギはインスタグラム

新型コロナウイルスの感染は収束の見通しがありませんが、シンガポールでは、自宅を拠点とした食品販売ビジネスが活況を呈し、参入する個人が増えています。異業種からシフトチェンジをし、ニューノーマルな働き方で生計を立てる2人の女性を紹介します。

一人目は、30年間ツアーガイドとして働いていたジョセフィン・ウィーさん(51)です。新型コロナの影響で昨年3月に失業した後、自家製クッキーのオンライン販売を開始しました。

趣味で10年以上お菓子作りをしていたウィーさんは、子どものためにクッキーなどを焼いていましたが、初めは自分の手作りクッキーが売り物になるとは思っていませんでした。

試しにシンガポールのフリマアプリ「Carousell」に出品してみると、すぐに親戚から注文が入り、徐々に接点のないお客さんが購入するようになり、いつしかキッチンに10時間以上立たなければならないほどの注文数となったと言います。

焼き菓子の販売から得られる月の収入は、ツアーガイドの給料にはほど遠いままですが、家族が生活するのに十分だと言います。パンデミックによって夫も失業したため、現在はウィーさんが唯一の稼ぎ手となっているそうです。


もう1人は、昨年12月に自家製茶を販売するオンラインショップ「Qicha」を設立したクロエ・オンさん(30)。それまではテクノロジー関係の新規事業で正社員として働いていました。

 
 
 
 
 
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先行きが不透明の中、正社員という安定したポジションを手放す決断をした背景には、自身の「伝統的な漢方薬(TCM)による治療法を提供することができる」、という強い使命感があるからだと話します。オンさんの母親はTCMの施術者で、その母親が認定したレシピを使ったお茶は、在宅勤務中にコーヒーの代替品を探していたときに生まれました。

オンさんのお茶はもっと漢方を身近に感じてほしいという想いのもと、カフェインに敏感な人や漢方を好む人が購入しているそうです。オンさんは、開業資金として約10,000シンガポールドルを投入しましたが、注文は予想をはるかに超えたといいます。消費者はオンラインで商品を購入することに慣れ、更に健康志向が強まりました。最初の1か月でおよそ600箱のお茶を販売したと言います。


シンガポール国立大学(NUS)のビジネススクールのローレンス・ロー准教授は、新規参入者数の急増は、大きく2つの要因から生じたと指摘しています。
まず、第一にオンライン販売へのシフト拡大第二に、自宅を拠点とした事業は、大きなスタートアップ資本を必要としない点です。そのため、リスクが低く職を失った人々にとって、お金を稼ぐ手段になっています。

集客のカギとなるのが、FacebookとInstagramです。製品やサービスを宣伝するために欠かせないツールとなっています。

焼き菓子を販売しているウィーさんは、Instagramは使いやすい上に、他のeコマースプラットフォームと比較してエンゲージメントに繋がりやすい「よりディープな顧客」が多いと述べました。トレンドのハッシュタグを使用した写真付きの投稿、または商品に関する情報や新着情報を流すストーリー機能には特に力を入れていると言います。

シンガポールでは、ソーシャルコマース(ソーシャルメディアプラットフォームを介したeコマース)が着実に成長しており、2020年上半期の注文数は2019年と比べて155%ほど増加。販売された商品の総額は、同期間にほぼ7倍という大きな成長を見せているとのことです。

インスタグラムをチェックすると、シンガポール中のキッチンから、気になるもの見つかるかもしれませんね。ピンチをチャンスに変えた彼女たちの商品をチェックしてみてはいかがでしょうか?


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