シンガポール最大発行数の週刊日本語フリーペーパー

シンガポール駐在妻でも諦められない!キャリアを捨てずDP採用で日本で正社員していた時より給与をあげた私

配偶者の海外駐在に伴って、日本でのキャリアを諦めたという人は多いのではないでしょうか。「配偶者の海外転勤に伴う休職制度」を取り入れる日本企業も徐々にあらわれていますが、それはまだまだ少数派なのが現状ですよね。

バリキャリで仕事をしていた人ほど、キャリアを諦めることに受け入れることが難しいということはないでしょうか。

そんな「キャリアを諦められない!」という女性の読者が、シンガライフに記事を寄稿してくださいました。ご参考になればと思います。


<寄稿者>
蘭子さん(仮名) 26歳 1児の母
配偶者の海外転勤に伴い、2018年にシンガポールに移住。

こんにちは、私は26歳の会社員であり、妻であり、ママです。主人の都合でシンガポールに移住。でもキャリアを諦められない。
そんな私がシンガポールで転職活動をし、日本で働いていた時よりも150万円も給与アップを実現したものがたり。すべて実話です。同じような境遇にいるみなさんにも諦めて欲しくない。そんな気持ちから、このコラムを綴らせていただきました。

私がどんな人間か、少しお話しします。

めちゃめちゃ負けず嫌いです。隣の芝生の色は絶対チェックしますし、隣の芝生が青ければ、少しでも自分の芝生も青くなるように必死で手入れをするタイプの人間です。

大学生の頃からキャリア形成をかなり真剣に考えていて、一方でヨーロッパ就職を夢見ていました。

在学時から英語に力を入れてTOEICは満点。とにかく就職に有利になるように、ひたすら中長期インターンシップに挑戦。海外インターンシップやボランティアも経験して、遊ぶ暇があったら仕事を身につける、そんなド真面目な大学生でした。すべてはいい企業に入っていいキャリアを築く為の土台と考えていました。

新卒での海外就職が儚く散る

しかし、いざ海外就職に挑戦すると、経験のない新卒に労働ビザを出して雇ってくれる企業はありませんでした。最初の挫折です。新卒での海外就職は失敗。まずは日本で2、3年キャリアを築き、ヨーロッパへ転籍、もしくは駐在できればなあなんて考えつつ、出張ベースで1年目から海外に行かせてくれる外資系企業に営業として就職しました。

この企業はForbes100にも選ばれている、世界で知らない人は少ないだろう一流企業。同僚も優秀な人ばかりですごく刺激的。若くても結果を出せばどんどん上に登れる。実際に同僚の中には、インセンティブをがっぽり稼ぎ、年収1,000万円なんていう人もざらでした。

しかしながら、周りが急速で階段を駆けあがる中、私はというと、ライフイベントがもりもり。結婚、そして妊娠により、周りよりも一歩下のステージにいるということを感じていました。実際のところ、同期の中では一番早く結婚し、一番早く出産しましたが、一方で、最も昇進が遅く、ボーナスも微々たるものしかもらえず、大変悔しい思いをしました。また、挫折。

シンガポールへの移住で再び挫折

そんな中、主人の都合で、シンガポールへの移住が決まりました。実はシンガポールへは個人旅行で3回、出張で3回と、何度か来たことがありましたが、シンガポールに住むことになるとは、思ってもみませんでした。(包み隠さず言いますと、「作られた街」という感じがしてあまり好きでありませんでした。今はいろいろなシンガポールの魅力を理解できたので、そんな風には見ていません)

シンガポールには私の勤めていた会社のアジア本社もありましたし、そこで働く日本人の知り合いもいました。また、日本で常に私をヘッドハンティングしていた競合の支店もありました。「なーんだ、今と同じような仕事は簡単に見つかりそうだわ。シンガポールへ海外転職かあ」私は軽々しい気持ちで、内部のトランスファーに応募、また、競合他社のポジションにも公式サイトから応募してみるのでした。

結果は・・・、見事に惨敗。10個ほど応募し、面接まで行けたのは3つのみ。そして3つとも、面接時に同じことを指摘されました。それは、経験が少ないということ。実は、シンガポールには労働ビザ(E P)発給のための厳しい要件(水準)というものがあり、経験が少ない若手のポジションに高い給与を出して外国人を現地採用するのはかなりハードルが高いということが判明。自分と同じ会社で同じようなポジションにいる子も、日本の同期と同水準のお給料はもらえていないということもわかりました。二度目の挫折です。

転職エージェントに登録したものの三たび挫折

それでも私はめげずに転職エージェントに登録してみることしました。国が変わったからって専業主婦になるわけにはいかないし、今まで頑張ってきたものを捨てて1から他の仕事につくのも考えられない。転職エージェントならプロだから、私にあった求人を探してくれるかもしれない。

J A C、R G F、パーソル、リーラコーエン・・・どこに登録に行っても言われたのは、私の探している条件で私の経験値でマッチングする求人は非常に少ないということ。

日本の同期が年収1,000万円を超え、「最近、給与が上がって、港区に引っ越した。」「去年の収入が上がりすぎて、住民税の支払いが辛い!」と嘆いている中、私はありがたいことに、エージェントから優良求人をたくさん紹介していただき・・・驚愕しました。この国では私の価値はこれしかないのかと。応募したいと思えた求人票に書かれていた給与レンジは、日本でヘッドハンターが提示してくれていた給与水準のおよそ半分ほどでした。正直プライドをへし折られました。三度目の挫折です。

優先順位は働きやすい会社だけれど。。。

もともと、転職における企業選びの優先順位として、給与は、一番の決め手ではありませんでした。私にとって、今までの経験を活かせて、キャリアとして積み上げになること、働きやすい会社であることの方が大切でした。しかし、いざ転職活動をしていて、今よりも給与が下がるポジションに応募をし始めると、どうも心の底で納得がいっておらず、まるでキャリアを後戻りしているような感覚に陥り、ネガティブ思考になっている自分に気がつきました。これが、日本より生活水準の低い、物価の低い国なら、違ったのかもしれません。でも、シンガポールにいれば、教育も家賃もちょっとしたお買い物も日本より少し高くつくレベル。それなのに給与が下がってしまう。私はどうも納得がいきませんでした

私は、4件のジョブオファーをもらいましたが、最終的に全てにおいて自分の納得いく企業に出会うまで1年かかりました。その企業が、今わたしの働いている会社です。

残りの3件は、給与面、上司との面接での違和感、求人票になかった職務内容などで、自分の納得いかない部分があり、私は妥協するのではなく、次の機会を、と見送りさせてもらいました。

納得いく仕事に出会うには

営業職にはコミッションもあるので、単純比較はできませんが、日本にいた時より年収で150万円ほど給与が高くなり、ポジションも高くなり、何よりとても気さくで仕事のできる上司のもとで、働きやすい環境を得ることができました
納得のいく仕事に出会えた背景は、私の能力や経験ではなく、この3点に尽きると思います。

1、面接の場数を踏んで、慣れた
おそらく1年間で20個くらい受けたんじゃないですかね。新卒並みに受けましたね。3回の面接を経て、オファーレターがでて給与を見てみたら、ガッカリ。希望の給与は出してくれない、なんてこともありました。でも、物凄い度胸がつきましたし、諦めなくなりましたし、何より面接英語力が上がった気がします

シンガポールというか外資系企業は、ポジションの違う人から同じ質問を何回も聞かれたり、多数決で採用可否が決まったりなんていうことも聞いていたので、その準備もしました。

2、自分の強みを定量的に伝えて、自分自身を売り込んだ
「自分は営業がすごく得意である。数字で言うと、1年間に1億円くらいのものを2回売って、そのためにこういう手法を使って・・・」という自分の売り込みを徹底的にしました。熱意より何よりもそれだけの給与に見合う価値を自分が出せるんだってことを強く売り込みました

また私の場合、企業が労働ビザ(EP)を出さなくても良いという点も強調してアピールしました。主人が会社からEPを出してもらっており、妻である私はDP(配偶者ビザ)を持っているので、L O C(労働申請書)だけで就労可能ということを自分の強みにしていました。

EPは、申請しても許可が出ないかもしれないという企業にとって賭けみたいなところもあったり、そもそも発行に費用も時間もかかることもあり、一つのハードルだと言われています。

また、コロナウイルス感染拡大でビザがでにくくなった今、PRしか選考しませんなんて企業も多いようです。実は今の会社にも、給与交渉の段階で最後にこれを念押ししたところ、初回オファーでもらった時より給与が年間で10,000ドル(日本円にして80万円ほど)もあがりました

3、ツテを辿り、自分の時間を費やし、とにかく仕事を探しまくった
働きたい会社の日本支社長、働きたいポシジョンのシンガポール部長、とにかくいろいろな会社の知り合いに履歴書を送りまくり、各リクルーターにも近況アップデートをかかさず、Linkedinの求人検索も毎日見て応募していました。するとある日、出会ったのが今の会社でした。

私はLinkedinでこの求人を見つけて直接応募しましたが、内定が出ていた頃に、あるリクルーター経由でもこの求人を紹介されました。面白いですよね。後から聞いた話によると、オファーを出しても私がなかなかウンと言わないので、リクルーター経由で求人をかけ始めたそうでした。タイミングって大事ですよね。

今の仕事が前職より100倍好き

今の会社からオファーをもらった時は、本当にこの会社で良いのか、ものすごく悩みました。だって、1年間も転職活動していたわけですから。失敗はしたくないわけです。絶対に後悔したくなかったので、オファーをもらった後に再度面談をお願いしたりもしました。上司との相性も良く、前職よりも100倍くらい仕事が好きです

入ったばかりの会社ですが、今わたしはトップセールスです。コロナが収束したら、またたくさん出張に行く機会もありそうです。私の上のポジションはアジア統括なので、簡単に昇進できるとは思っていませんが、これからも高みを目指してキャリアを磨いていきたいと思っています。諦めようかと思ったことも何度もありました。自分の理想が高すぎるのではないかと。挫折に負けることなく追い求めて行ったら、希望をつかむことができました。

アバター
この記事を書いた人
シンガポールライフをもっと楽しく豊かに、をコンセプトに、在留邦人や短期滞在者、またシンガポールに興味がある方に、実用的で生活に役立つ情報を提供しています。