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シンガポール政府機関による「企業が雇用で差別」の調査数が増加。ビザ発給停止措置も急増

従業員を雇用する際に、年齢や性別などで差別しているのではないか、と調査を受けるシンガポールの企業が2020年に増加しています。

公正な雇用の監視を行うシンガポール政府機関「Tafep」は、2020年の上半期でシンガポール国内の約260の企業に対して調査を行いました。これは昨年同期間の160から60%の増加です。

調査の結果、2020年は8月までに約90の企業が雇用をする上での差別があったとして、就労ビザの発給を一時停止されました。昨年、この処分を受けた企業は1年間で35なので、大幅に増加しています。

ビザの発給停止措置を受けると、12ヵ月から24ヵ月の間、企業は、新規でEP(高度専門職向け就労ビザ)を発給したり、EPを更新したりすることが難しくなり、人事計画に大きな影響が出てしまいます。
シンガポール労働省(MOM)の幹部は「シンガポール人にとって公平な労働環境を作り出すため、差別の調査や処分に躊躇はない」とマスコミ向けて発言しています。

MOM、Tafep、紛争調停機関(TADM) が合同で作った報告書によると、差別が認知される件数は増加しているといいます。

就職活動中に差別があったと感じた人の割合は、2014年の10%から2018年には15%に上昇。差別の内容としては、年齢に関連するものが最も多い一方で、増加ポイントが最も高かったのは、性別および子どもの数に基づく差別でした。

その背景には、雇用状況の悪化もあるようです。

新型コロナウイルスの感染が拡大していた、2020年3月以降、従業員が10人以上いる企業がコスト削減策として従業員の月給を25%以上引き下げる場合、その旨をMOMに通知する必要があります

9月末時点で、労働省は約5,000の事業者から7,300件近くの通知を受けており、約25万人の労働者が賃金の引き下げに直面しているといいます。これは、シンガポール国内の労働者約336万人の約7パーセントに当たります。なお、これはシンガポール国外から来てシンガポール内で働いている人は除いた数字です。

通知を受けたうち、Tafepは900事業者・5万2千人分について過剰な措置と判断しており、このうち330の事業者が方針の見直しに同意しています。ただ、そのほかはビジネスの生き残りのため、給与削減によるコストカットが妥当と判断されています。

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